990215


若者リストラ・職場トラブル全国ホットライン

解雇、退職勧奨などの相談事例


 労働組合・ネットワークユニオン東京は二月五日から三日間、「若者リストラ・職場トラブル全国ホットライン」を行った。ホットラインには三日間で三百十三件の相談が寄せられた。東京では百八十六件の相談があり、約八割は三十歳代以下の若者からの相談。内容は解雇(六十二件)や退職勧奨・退職強要(三十八件)、職場でのいじめ(二十三件)など。若者のリストラや解雇が深刻な実態を明らかになった。ホットラインに寄せられた相談の事例を紹介する。


◎大手商社勤務を経て、人材紹介会社を通じ外資系自動車部品の会社にゼネラルマネージャ(GM)秘書として入社。日本での経営はGMのワンマン状態。四カ月というむやみに長い試用期間の終了直前に「能力不足」を理由に退職勧奨。喫茶店、会議室で長時間にわたり自主退職を強要される。(三〇歳代女性)

◎商社。本社の部長がキャリアアップを名目に転勤させるが、住居のあっせん(部長の通勤経路沿線)等、性的意図を疑わせるほど過剰に私生活に干渉。業務以外の指示を拒否したところ仕事を取り上げ、日常の行動・服装について叱責を繰り返し、「社風にあわない。来期の人員構想に入っていない」と退職を強要。労働組合を通じ会社側と交渉中に解雇を強行される。(二〇歳代女性)

◎大手ゼネコン。会社自体は好調だが、バブル期入社の人件費の高い社員をリストラしたいという意図有り。社内結婚や本人の希望による地方転勤(いずれも十年近く前)を理由に退職勧奨。労働組合による交渉で会社に残ることになったが、物置部屋に入れ、名刺・電話を取り上げ、回覧・事務連絡を遮断するという強烈ないじめが始まる。また組合活動に起因すると思われる懲戒解雇まで発令するに至る。(三〇歳代男性)

◎製造。数年の海外勤務から帰国後、受け入れ部門がないと退職強要。連日人事部主導で一室に軟禁(トイレ・昼食以外外出禁止)の上、転職雑誌を見せ、自ら転職先を探して履歴書を書くよう指導する。長期間日本を離れ、今日のリストラの社会情勢に疎く、「出向・転籍先をあっせんする」との会社の言にほんろうされる。(三〇歳代男性)

◎食品問屋。昨年一月に勤めていた冷凍食品卸会社が閉鎖になる。その後ユニオンに加盟し退職金などの退職条件を整備。昨年七月に酒問屋に入社し夜十二時近くまで残業が続く。今年一月に、その会社で整理解雇対象となる。明らかな整理解雇だが、会社は本人の能力不足による解雇を主張。(三〇歳代男性)

◎精密機械部品製造。人事管理体制が不十分な中で上司とのコミュニケーションがうまくとれず、ささいなことでトラブルが発生。会社が根本的な解決を図らず放置し続け、工場内で発生した事故(本人も負傷)を理由に退職強要。これに従わなかったため、会社は冬期野外での草取り、雪かき、暖房・トイレ設備のない旧工場で懲罰的な整理作業を命じられた。(二〇歳代男性)


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