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全国港湾 港湾同盟

規制緩和反対の闘い強める

抗議のスト 座り込み決行


 港湾の規制緩和について、運輸省は米国の圧力に屈し、規制緩和を前提とした論議を繰り返している。運輸政策審議会は十二月一日の「中間とりまとめ」をめざし、審議を進めてきた。これらの攻撃に対し、規制緩和に反対する全国港湾労働組合協議会(全国港湾)と全日本港湾運輸労働組合同盟(港運同盟)は、ここ数年、ストライキも含め粘り強く闘ってきた。また、港湾の安定運営をめざし、港湾運営委員会の設置を提案し、港湾労働の安定的なシステム確立を求めてきた。十二月一日には、全国港湾、港運同盟は全国五十港以上で時間内食い込み集会を敢行、さらに、運輸省前の座り込み闘争などを闘い、「中間とりまとめ」の発表を阻止した。なお党神奈川、福岡県委員会は、集会参加者へ激励行動を行った。


運輸省前 最後まで闘う決意を確認

 昨年、行政改革委員会は港湾の規制緩和について六項目の答申案を示した。それは、(1)安定した就労体制の確立、(2)悪質な労務供給事業者の参入の拒否など、六項目となっている。これらが昨年十二月に最終答申案として出され、今年六月から運政審が行われている。

 六回目の審議会が開かれた十二月一日、運輸省前では、全国港湾、港運同盟、海員組合などの代表が座り込みを行った。

 運政審終了後、審議会に参加していた海員組合の中西組合長、全国港湾の増井議長が集会に参加し報告集会を行った。

 増井議長は「中間とりまとめには、港湾の安定化について触れられず、規制緩和が強行された場合でも船主、荷主の責任問題については触れてもいない。つまり港湾の効率化と安定化という相対立する問題のうち、港湾労働の安定について運輸省は考えていない。われわれ労働者側委員はとりまとめに反対し、対立したまま終了した。だが、運輸省は年内まとめに躍起になっている。次回、十二月八日は注意していかなければならない」と報告した。

 次回運政審が開かれる十二月八日にも運輸省前での座り込み闘争を行うことを確認し、河本・全港湾委員長による団結ガンバロウを行い、闘う決意を固め、終了した。


横浜 朝8時半から抗議集会

 横浜港では、早朝から抗議集会が開催された。

 横浜港湾労働組合連合会の岸宗男議長は、「運輸省は六項目に全く関係ない議論を行っている。免許事業問題でも百人の事業所に対し、百五十人の事業所にしろという、免許制度の引き上げ提案がある。だが、百人の事業所では二十人の首を切って八十人にしようという時代に、百人の事業所で百五十人を抱えられるだろうか。つまり協業化、協同組合化、合併という形で行おうとしている。港湾運送事業では、四五%が二十人以下の企業であり、四十人以下でも二四%となっている。約七割の企業が四十人以下の労働者しか持っていない。これらが実施されれば三分の一以上の企業は倒産の憂き目に遭う。最後まで闘い抜こう」と語った。

 全国港湾の糸谷幹事は「規制緩和は、力の強い者が勝つためのものだ。そして安定した港湾から競争だけの港湾に替えるものに他ならない。この闘いは、これからも長期に続くものであり、港湾労働者と広範な市民との連携が必要だ。そのために全国港湾として共に闘う」と述べた。

 激励に駆けつけた海員組合京浜支部の仲間を代表して河合支部長は、「運輸省は外圧を盾に規制緩和を繰り返している。だが、港湾で規制緩和が強行されれば、港湾環境は無秩序になり、職場も暗くなる。断固として、運輸省の暴挙に抗議し、規制緩和を粉砕していこう」と連帯の決意表明を行った。

 最後に、船内共闘、検数共闘、全港湾、港湾労働組合などの単組から職場報告と決意表明が行われ、最後に規制緩和反対のシュプレヒコールを行った。


沖縄 米軍は入札制度を止めよ

31人の解雇を許すな

 那覇軍港ゲート前では約三百人が結集し、規制緩和反対とあわせ、琉球港運における解雇撤回が訴えられた。

 琉球港運は、米軍港における米軍貨物荷役請負契約満了に伴い、米軍港の荷役業務から撤退したことを理由に、人員を削減しようとしている。十一月十八日には、組合に対し労働者三十一人に解雇通告が出された。

 集会で全港湾沖縄地本の大城武志委員長は、「入札の度に雇用が脅かされる問題は解決しなければならない。請負契約変更が大きな原因となっている」と述べ、労働者が団結し、解雇撤回を迫ろうと力強く訴えた。

 集会では、規制緩和に反対し、軍港湾労働者の雇用保障を求める決議文を採択した。


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