981125


新潟

柏和運輸・労組員襲撃事件

組合つぶしを許すな

連帯労組、自治労など  抗議闘争を展開


 十月十八日、新潟県柏崎市にある生コン運送会社「柏和運輸(株)」で、会社の解散に反対して会社事務所に泊まり込んでいた労働組合員八人が、四十人の暴漢に襲撃される事件が起きた。

 襲撃されたのは、全日本建設運輸連帯労組小千谷支部に加入する柏和運輸分会の組合員。

 柏和運輸は、生コン会社の輸送部門に車と運転手を派遣する企業。時間外労働に関する「三六協定」がなく、残業が月百時間を超えるなど、労働条件が劣悪だったため、五月二十五日には、労働組合(全日本建設運輸連帯労働組合小千谷支部柏和運輸分会)が結成された。

 組合は、労働基準法の順守や労働条件の改善を申し入れたが、会社側は回答せず、八月上旬には社長の不審な自殺事件が発生した。

 社長自殺後、残った経営陣は会社を休業し、組合との団交を拒否。八月二十九日には臨時株主総会で、会社解散、全員解雇を決定した。

 組合は、組合つぶしをねらった偽装解散と受け止め、労働債権と雇用を確保するために会社事務所と車両を占有し、泊まり込み闘争を開始。九月からは自主操業もスタートさせた。

 その結果、会社清算人の弁護士が団交に応じ、「会社の借金を含め債権債務の全部を引き受ける」という組合の提案を軸に交渉が進んでいた。そのような中、襲撃事件が発生した。

 十月十八日の早朝、組合員が泊まり込んでいるところへ四十人の男たちが乱入し、組合員を縛り上げ六時間にわたって暴行を加えた。男たちは「組合活動をやめろ」と脅迫し、大型車両十五台などを奪った。

真相解明を求め決起集会

 この事件に対し、柏崎地区労や全日建連帯労組などは十一月八日、柏崎市内で「事件の真相解明を求める柏和運輸闘争支援決起集会」を開催、県内などの労働者二百七十人が結集した。集会後には市内をデモ行進した。

 集会では、自治労新潟県本部副委員長の北島信博氏、新潟県高教組柏崎支部長の細川信次氏、上越地区平和労組会議議長の中島久義氏などが連帯あいさつを行った。

 自治労の北島氏は、「この事件は、全ての労働者に突きつけられた問題であり、自治労新潟県本部は総力をもって連帯し、闘いの勝利をめざす責務があると受け止めている。敵より一日でも長く闘い、りょう原の火のごとく全国に広げよう」と訴えた。

 集会実行委員会では、真相解明を求める署名活動や、支援のカンパ活動を展開しており、十二月の新潟県議会に署名を提出する予定。

 全日建中央本部書記長の垣沼陽輔氏は、「この事件は、労働者の権利を踏みにじる経営側の暴挙だ。『労働者は会社がつぶれたら外へ出ていけ、労働債権などは認められない』と言わんばかりの行為だ。現在、全国で倒産事件が起きており、このような暴挙は許してはならない」と怒りをこめて決意を話している。


Copyright(C) The Workers' Press 1996, 1997,1998