東京、神奈川
東京都、神奈川県、大阪府など「財政非常事態宣言」を行っている自治体では、職員の一時金カット、人事院勧告の不完全実施や五十五歳からの昇給停止などの攻撃が強まっている。また、他県でも人事院勧告をいまだに実施しないところや、福祉、教育など住民サービス切り捨ての攻撃も強まっている。そうした攻撃に対し、大阪府では教職員組合が二時間の休暇闘争を闘い、東京都の職員で構成する都労働組合連合会(都労連・約八万九千人)が十一月十八日にストライキで闘った。自治体の財政問題は大企業優先の大規模開発などの結果であり、職員や住民への犠牲転嫁は許されない。労働者はさらに闘い、自らの労働条件や権利を守るだけでなく、公共サービス切り捨て攻撃に対し、住民とともに闘おう。
東京都は十月二十二日、年末一時金から勤勉手当への成績率の導入と来年四月からの五十五歳昇給停止を提案してきた。
これに対し都労連は十月三十日、「人事院勧告が出る前から公然とベア凍結、人件費抑制が打ち出されているかつてない深刻な事態の中で、人勧完全実施、昇給停止年齢引き下げ阻止、成績主義の全面導入阻止を掲げ、重大な決意で九八賃金確定闘争を闘う」ことを決定した。
そして十一月十八日、人事院の給与改定(ベア)勧告の完全実施などを求めて、一時間のストライキを決行した。都庁職員組合や都教職員組合などは、それぞれに職場集会を開催し、引き続き闘う決意を固めあった。
神奈川県は一時金の一〜三割カットを提案した上に、人事院勧告の実施を明示しないでいる。さらに、五十五歳昇給停止や福利厚生の見直しを打ち出している。
だが、県は十一月九日の県職員労働組合連合協議会(県労連・約五万人)との交渉で、給与削減の具体案を示さず、十一日の交渉も中止された。
県労連は、賃金確定闘争勝利総決起集会を十二日に横浜で開催、二千人の組合員が参加した。竹田那明議長は「県の対応によっては、県だけでなく県下自治体やその周辺の労働者にも影響する。また県内の景気動向にも影響する」と、人勧の完全実施を求めた。さらに「われわれは組合員の暮らしを守る労組の立場と、県民サービスを低下させない立場の両面を持って闘わなくてはならない」と述べた。
集会では「県当局が誠意をもって交渉に臨み、人勧制度の趣旨を踏まえ、組合員の期待にこたえる回答を示すよう要請する」決議を採択した。
参加した組合員は「人勧を尊重しろ」「財政危機を県民に押しつけるな」などのシュプレヒコールをあげながら、県庁までデモ行進した。
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