農業・地域経済危機突破大会に5000人

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北海道

農業・地域経済危機突破大会に5000人

労農団結で経済活性化を

　北海道農民連盟と連合北海道、食・みどり・水を守る道民の会が主催する「新基本法制定　農業・地域経済危機突破　全道決起大会」が十月二十四日、北海道旭川市で行われた。

　決起大会には、全道から農民や労働者など約五千人が参加、大会後には市内をデモ行進した。

　政府による農産物支持価格引き下げや市場開放などで、農家は農業所得が減少し、負債を抱えて経営危機に陥っている。さらに、北海道経済は拓殖銀行の破たんなど、深刻な金融不安と連鎖倒産などが広がっている。

　決起大会には、北海道、道議会をはじめ、農業関係団体のほか商工連盟など二十一団体が後援した。

　農民連盟の信田邦雄委員長は、「政府がコメ政策を大きく転換した結果、米価は急落。負債を払えずに自殺する農家まである。農業は北海道の基幹産業。農業を再建することが経済危機を乗り越える第一歩」と訴えた。

　ＪＡ北海道中央会の直宗治副会長は、「北海道の歴史の中で、先人たちはくわ、かま一本で大地を切り開き日本一の食料供給基地を築いた。この国民財産を引き継いでいかなければならない」と述べた。

　最後に、新農基法、緊急稲作経営安定対策、農家負債整理対策などに関する三つの決議を採択した。決議には、(1)新農基法に食料自給力をカロリーベース五〇％以上の目標を明示する、(2)稲作農家の生産費と所得が確保される緊急経営安定対策の早期実施、(3)農業所得の大幅減少と農地価格下落で返済不能が見込まれる土地改良負担金や制度資金の農家債務に緊急の救済措置を講じること、④基盤整備事業の公共事業は、全額国費（公費）負担とすることなどが盛り込まれた。

大会アピール（要旨）

　北海道経済は、拓殖銀行の経営破たんを契機に、地場企業の倒産が相次ぎ、雇用不安が広がっている。さらに、本道農業は農畜産物の輸入急増などにより、危機的状況が深まっている。

　政府は、規制緩和推進などの名の下に、市場原理導入を急速に進め、価格下落に対する補てん対策が不十分な中、専業的農業と農家経済は大きな打撃を受け、全道各地で離農が相次いでいる。また農林業・関連産業の衰退は、地域社会に深刻な影響を与えている。

　このような中、農業・農村を貴重な財産として将来に引き継ぐため、食料自給率の向上、公益的で多面的機能の維持増進、直接所得補償政策などを盛り込んだ「新たな理念の食料・農業・農村基本法」の早期制定が求められている。

　さらに、危機的状況にある稲作の緊急経営安定対策や負債整理対策が急務だ。

　また、新鮮で安全・良質な地場農畜産物の「愛食運動」を積極的に進め、地域経済の活性化と雇用確保を図ることも重要である。

　われわれは、本大会において決議した諸要求実現にむけて、労働者・農民の意思結集と団結を強め、道民・国民の理解と協力を進めながら、勝利を目指して諸行動を強力に実施することを強くアピールする。