社長宅前で連日座り込み
全国一般長崎菱光コンクリート支部 中尾道信書記長
そもそも会社は、三菱マテリアル主導でつくられたコンクリートの生産販売会社だ。ところが、三菱マテリアルが不採算部門を切り捨てるということで、九五年四月に建設資材会社である園池商店に株式を売却した。現在、支部員は十七人だが、皆元気に闘っている。
組合つぶしを狙い四月から賃金カット攻撃がかけられ、七月十三日から工場がロックアウトされている。八月分の給料から現在まで、三カ月分の給料が支払われていない。
この問題は裁判所でも争っている。労働条件については労資で合意すべきものだが、会社側は何の了解も取り付けていないのに「既に組合は了解済み」などと主張している。
われわれは、賃金カットについて一度も交渉していないし、了解もしていない。
事実、裁判所は「賃金を一〇〇%支払え」という仮処分命令を出している。
会社側は不渡りが出たのですぐには支払えないといって、賃金を支払おうとしない。その上でのロックアウト攻撃であり、断じて許されない。
当時、生コン工場が五工場あったが、現在は二工場となった。しかも、工場閉鎖についても、残った人員をどうするのか、と申し入れても、会社は交渉もせず希望退職の募集を強行した。われわれは抗議行動を展開したが、会社側は腕章着用行動に対して就労拒否という攻撃に出てきた。そして今度のロックアウトだ。
もともと会社側はわれわれの組合に対し、徹底した組合敵視政策を取ってきた。これまでも当時の副知事が仲介に入り、二度も協定書を締結して争議の終結をみてきたが、会社側は組合つぶしの姿勢を変えていない。
また賃金にしても労働基準法に照らしておかしなところが多く、労働基準監督署にも訴えた。労基署も会社側に改善を求めている。
現社長宅前で毎日の座り込み闘争や園池本社前での抗議行動を行うなど、会社側の責任を追及している。また三菱マテリアルに対しても、合理化で会社を売り渡したわけで争議の責任の一端はあるということで、交渉を行っている。
コンクリートという建設関連産業は、不況業種で厳しい状況にある。だが、地本は支援カンパを行い、県にも争議を仲介した経過もあり要請行動を行ってくれている。そうした仲間に支えられており、われわれは最後まで闘う。
不当な組合つぶしを許すな
長崎菱光闘争の経過
95年 4月 園池商店に経営権が移る
96年 7月 県が仲介し協定書締結
書記長、書記次長を懲戒解雇
97年12月 第2回目の協定書締結
98年 4月 一方的賃金カット開始
6月 諌早、時津工場閉鎖を通告
6月 腕章着用闘争に就労拒否
7月 ロックアウト
10月 長崎地裁、会社に賃金支払いを命令
10月 期日までに支払わず、債権差し押さえを申し立て
労働債権は勝ち取った
全国一般ラクダ産業九州工場労働組合 中村文弘委員長
ラクダ産業は、合板会社で四月三十日に自己破産をして、早や半年がたった。われわれは、予告手当、退職金の確保に取り組んだ。予告手当は解決したが、退職金確保は即座には解決はしなかった。 われわれは手形などを確保していたので、労働福祉事業団に労働債権の立て替え払いを申請した。そして十月二十一日、本社のある愛知県本部から、退職金の立て替え払いは十二月中になされるとの報告をもらった。
また、手形などの回収分などの残金についても、四月中に処理できるとも聞かされた。われわれ役員としては、毎日事務所に詰めてきたが、解決のメドが立ってほっとしているところだ。
しかし、再就職問題がある。佐賀県自身が企業が少ない上に、ここ伊万里市は県内でも失業率が一番高い。分会には約四十人いるが、最就職は職業訓練校に通う者も含めて、十人しか決まっていない。職安に行っても、自分に適した仕事がないので再就職問題については頭が痛い。
もともと伊万里市は木材産業を誘致したが、輸入合板に押されて原木を輸入して加工する企業はほとんどない。われわれはせっかくの工場だから、企業再建を目指したいが、引き受ける企業がない。
金銭面は一応解決したが、まだ就職が決まっていない仲間の再就職を実現するためにがんばっていきたい。
Copyright(C) The Workers' Press 1996, 1997,1998