980905


自治労大会に参加して

今こそ闘う方針の確立を

奥山 祐介


 自治労第六十八回定期大会が八月二十六日から大分県で開催された。昨年の大会で二年間の運動方針を決定したため、初の中間大会となった。地方行革攻撃が強まり、人事院勧告は「五十三歳から昇給延伸、五十五歳から昇給停止」を提案した。大会は組合員の強い反発で、これに反対の立場を確認した。また、政党支持問題をめぐり本部と地方の対立も露呈した。百二万人の組合員を有する自治労の動きは労働運動に大きな影響を与えるもので、組合員の要求を基礎に積極的に闘うことが求められている。


●行革攻撃に反撃を

まず、大会の第一印象は、本部が現場と遊離しているということである。

 すでに全国の自治体では、職員定数凍結にとどまらず、地方行革攻撃が続いている。特に清掃、保育園など現業部門は、その攻撃が強まっている。

 大会では、「自治省の新行政改革指針以来、現業職員にかんしては、退職不補充と新規採用抑制などにより大幅減少した。税務職場では深夜二時までの一人残業が報告されている。男女共通の法的規制、労基法改悪に対する自治労としての取り組み強化を」(宮崎)。「自治省の『定員モデル』は、いかに実態に合わないもであるかを、その批判の着眼点を本部は明らかにしてほしい」(秋田)。「人員確保の闘いは、短時間公務員制度の問題や、臨時職員、パート職員が増加する中で人員削減攻撃に対し、どう反撃するのか具体的方針を明らかにしてほしい」(茨城)、などの切実な声が出されている。

さらに東京の小金井市は自治体財政が悪化し、退職金が直接払われず、退職手当債という形になってしまっている。

 こうした中で「現場からは中央の動きや取り組みが見えにくい。地方規模で中央と一体化できる大衆行動を切望したい」(新潟)と、闘いを求める声が強かったのが印象的である。

 

●民主、社民は労働者の党か?

 本部方針では、来年の統一地方選挙と総選挙で社民党支持をはずした。これに対して、社民党切り捨て支持は許さないと、十四の県本部が修正案を準備した。本部は全体会議で、社民党支持を容認し、修正案も取り下げられた。これらは水面下で行われ、多くの参加者には知らされていない。

 政治分科委員会では、「民主党は幹事長が靖国神社を参拝している。憲法改正の議員連盟にも多数が名を連ねている。自治労の理念・政策と違う」などの意見が出された。

私からすれば、どの党が本当に労働者の利益を代弁するのか、その点で社民党、民主党とも労働者の党とはとても思えない。

●現場には闘う声が

沖縄などの県本部は、新たな日米防衛協力の指針(新ガイドライン)に反対する闘いを呼びかけた。

 「周辺事態法案などガイドライン関連法案は国会内外ともに、議論がほとんどなく危ぐされる。また、今臨時国会で組織的犯罪法案が審議されるが、周辺事態法を補完する内容であり、絶対に阻止しなければならない」と決意と本部に運動の強化を求めた。

 さらに「米軍基地の強化や、新ガイドラインの問題など自治体にとって極めて重大な状況にある。全自治体が統一的に行動が取れる体制づくりを進めてほしい」(山口)など、新ガイドラインに反対し、自治労として闘争を強化するように求めた。

   ◇  ◇  ◇

 財政危機などを背景に、政府、自治体の攻撃が強まる中で、自治労は運動の強化のために真剣に努力しなければならない。現場の活動家や役員は、職場の切実な声や要求を代弁して闘うことがますます重要になっていることを改めて感じさせられた大会だった。


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