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国労闘争

不当判決に強まる怒りと闘い

政府・JRは責任を取れ


 国労は、JR採用差別事件で五月二十八日に東京地裁が出した不当判決を糾弾し、全国各地で報告集会や抗議行動を積み重ねてきた。一方、東京都議会が「JR労使紛争の早期解決に関する意見書」を全会一致で採択するなど、採用差別事件の解決を求める世論も高まっている。JR東日本の株主総会の前日である六月二十五日、国労などは東京で総決起集会を開催した。


 国労と国鉄闘争支援共闘会議は六月二十五日、東京の日比谷野外音楽堂で「JR東日本に責任あり! 中央総決起集会」を開いた。会場には国労、闘争団をはじめ東京清掃労組などの組合員約二千人が参加した。

 国労中央本部の高橋義則委員長は、五月二十八日に東京地裁の不当判決が出されたことを糾弾し、「国労としては引き続き原則に立って運動を進めていくことを確認した。高裁では勝利判決を勝ち取るためにいっそう運動を発展させる。そして千四十七人の職場復帰まで闘い抜く」と、決意を表明した。

 連帯あいさつでは、太平洋汽船の不当解雇と闘っている竹中正陽氏が、解雇撤回、現職復帰の命令が船員中労委によって出されたことが報告された。また、新ガイドラインで船員の労働条件も権利も吹き飛ばされてしまう。国民が直面している課題で運動の輪を広げていこうと、述べた。

 JR東日本一株会の佐藤昭夫・早稲田大学教授は「東京地裁の判決は労働委員会制度を否定するもので、憲法上も許されない。こうした政府・権力の攻撃に対し、労働者と国民の連携した運動、力が必要だ。そのためにがんばっていこう」とあいさつした。  国労闘争団の神宮義秋氏は「裁判は負けるより勝ったほうがよい。しかし、もう一度元気を出そうと、闘争団は新たな体制で百二十人が参加した。私たちは十二年間の闘いを無にすることなく、政府・JRが国鉄問題を解決せざるを得ないところまで追い込んで行く」と決意を語った。

 北海道の音威子府家族会の千葉真貴子氏は「病に倒れた仲間、無念な思いのまま他界した仲間も大勢いる。十二年間味わってきた悔しさ、つらさ、悲しみは語りつくせないほどある。心の底から、腹の底から怒りがわいてくる。しかし負けるわけにはいかない」と、最後まで闘うことを訴えた。


◎5月29日 「JRに人権を! 1047人の復職を求める1万人意見 広告を広げる会」の呼びかけ人の鎌田慧氏、新藤宗幸氏などが記者会見 で判決に抗議。

◎6月3日 国労と春闘再生全国実行委員会は「国鉄闘争勝利、労働法制 の改悪に反対する」中央集会を開催し、2500人が参加した。

◎6月8日 国鉄労働者の雇用と人権を守る佐賀県共闘会議は、佐賀市で 5・28判決報告集会を開催し、500人が参加。

◎6月10日 北海道平和運動センターは「東京地裁の不当判決をはねか えし、JR不採用問題の早期解決を求める全道総決起集会」を開催し、 400人が参加した。

◎6月19日 国労高崎地本と群馬県国労支援共闘会議は「国鉄闘争の全 面勝利解決をめざす集会」を開催し、1100人が参加した。

◎6月26日 JR東日本、JR東海株主総会で差別事件などを追及。


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