連帯労組、全国一般など日本セメントなどへ闘争展開

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日本セメント・秩父小野田

中小企業、労働者切り捨ての合併反対

連帯労組、全国一般など
日本セメントなどへ闘争展開

　アサノで知られる日本セメントとその子会社などによる不当解雇、組合弾圧などに対し、全日本建設運輸連帯労組、全国一般、生コン産業労組は昨年六月、日本セメント闘争共同行動実行委員会を結成し、日本セメントの社会的責任を追及してきた。日本セメントと秩父小野田が今秋、合併し、太平洋セメント設立を予定しているなか、共同行動実行委員会は両社の株式二万六千株を取得し、六月十一日に「セメント産業の経営民主化を求める株主会」（以下「株主会」）を設立した。労組が株主となり、関連・下請けへのしわ寄せに反対する行動は初めてであり、中小労働運動のあり方の一つとして注目されている。

　「株主会」は六月二十六日、日本セメント、秩父小野田両社の株主総会に対し、「合併に異議あり」を訴えた。合併反対の趣旨は、①合併計画は系列・下請け企業の整理再編を目的としているが、中小企業・労組との対話がなされておらず、使い捨てにしようとしている、②日本セメントが、子会社・労働組合対策の誤りの結果としてかかえることになった多数の労働争議・中小企業との紛争が未解決である、などということである。

　また株主総会で「株主会」は、両社方針は労働者への合理化だけでなく、物流・販売部門であるバラセメント運輸、サービスステーション、生コン中小企業、販売店の統廃合・集約化を最重点課題にあげていると指摘した。それは系列・関連中小企業と労働者の選別・切り捨てを目的にしたものにほかならないことなども訴えた。

　共同行動実行委員会は二十六日、日本セメント本社前で日本セメントの横暴を訴える宣伝行動を行った。

　日本セメントは一昨年十月、北九州の拠点工場である北九州アサノ生コンと北九州生コン運輸において、労組との事前協議を無視し、企業閉鎖・全員解雇攻撃を行った。しかも非組合員は解雇せず、組合がなくなったら工場再開・再雇用の密約さえ行っている。これに対し、全国一般と連合福岡・北九州地協は、北九州アサノ生コン社長から「会社解散の責任は最終的に日本セメントにある」との確認書を引き出し、以降、日本セメントに交渉を求めてきたが、日本セメントは「系列会社とはいえ当社とは別法人だから関係ない」と応じていない。同様の偽装倒産は名古屋でも行われている。

　そうしたなか、解雇で行き詰まった労働者が自殺に追い込まれる事件も起きた。

　また昨年二月、日本セメントの子会社・大阪アサノコンクリート社で生コン産労が行ったストライキに対し、威力業務妨害をデッチあげ組合員・役員十二人を不当逮捕した。

　当時、関西では生コン産労、連帯労組、全港湾が共同して、生コン産業の秩序を乱す拡大販売戦略をとる日本セメントに対して不買運動を進めていた。中小企業の生き残りと労働条件を守るこの運動に、日本セメントが見せしめの弾圧を行ったものである。

　このように日本セメントは、全国の系列子会社や関連会社で労組を無視、交渉拒否や刑事弾圧など異常な組合つぶしを行っている。また、生コン業界で安値乱売・設備の新増設を強行して過当競争をあおり、中小企業をいじめている。

　秩父小野田も、伊丹コンクリート工業を大阪広域協同組合（業界再建に努力してきた協組で、業者のほぼ一〇〇％が加盟）から脱退させたり、一部特約店に「特権」を与えてなりふり構わぬ販売拡大方針をとり、業界秩序を乱してきた。

　これに対し、関西では連帯労組関西生コン支部や生コン産労などが生コン産業政策協議会を組織し、中小企業と労組が共同し、大企業による中小企業の支配やなりふりかまわぬ乱売に対し、過剰設備の集約、流通・競争の正常化を実現し、大企業の横暴と闘い業界秩序を保ってきた。

　だが、日本セメントは下請け労働者の労働時間短縮や違法な過積載防止に関する労働組合との交渉にも応じていない。他のメーカーは交渉を行い、下請け・系列の中小企業の経営基盤・労働条件改善に務めているなか、日本セメントだけが、交渉を拒否している。

　三労組は、これからも日本セメントの社会的責任を追及しながら、全国の労組をはじめ各界の人びとに実情を訴え、共闘の輪を広げていこうとしている。日本セメント闘争への団体署名はすでに約千七百の労組が協力している。

セメント、生コン業界

中小企業が生き残れる政策を

全日本建設運輸連帯労組　柿沼陽輔書記長

　今回、われわれが株主として総会に出席したということで、日本セメントは緊張し、従来と違う対応をとってきた。そういうことでは一定の影響力があったのではないかと思うが、運動としてはこれからだと思う。

　秩父小野田株主総会での質問状に対する回答は、通り一遍で、日本セメントの労資紛争などについては、「日本セメントからは、そのような労働争議に、直接日本セメントが関与しているということは聞いておりません」と、コメントしなかった。

　「株主会」としては、今回の回答について中身を精査し、株主として必要なことはもう一度申し入れしていく。

　また、日本セメントの場合、株主に対して私たちの質問状を配布したが、これがかなり注目された。そういうことを含めて、関係する株主に対して、要請行動をしていく必要があると思っている。

　日本セメントを追及する団体署名は千七百近くになったので、署名は成功したと思っている。

　金融ビッグバンの中のセメントの大合併であり、どう生き延びていくのかが、私たち中小労組にとって重要な課題だと思う。今回の合併は、生コン協同組合に対する影響が大きい。これについても、日本セメントへの闘争だけでなく、セメント、生コンの中小企業が生き残れる政策を求めていく必要があると思う。

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中小企業、労働者切り捨ての合併反対

連帯労組、全国一般など 日本セメントなどへ闘争展開

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