980425


国労

春の団結まつり開催

全国から1万人が結集 勝利判決へ闘いを強化


 国鉄闘争は現在、重要な局面を迎えている。国労組合員への採用差別事件について東京地裁民事十一部は、五月二十八日に判決を出す予定で、民事十九部も六月には判決を出そうとしている。JRの不当労働行為の責任を追及し、国鉄労働者千四十七人の不当解雇撤回・地元JR職場への復帰をめざす国鉄闘争の前進は、リストラ攻撃で多くの労働者が街頭に放り出されるなど、不当解雇が後を断たない今日、多くの労働者を激励し、労働者の使い捨てをねらう労働法制の規制緩和に対する反撃にもなるであろう。そうしたなかで国労や支援共闘などは、一万人規模の春の団結まつりを開催した。

 「JRに不当労働行為責任あり!東京地裁勝利判決を勝ち取る―春の団結まつり」が四月十九日、東京・代々木公園で開かれた。

高橋義則・国労委員長は「国鉄の分割・民営化から十一年がたった。分割・民営化の目的は国鉄の借金の清算にあるといわれたが、今国会でも長期債務が議論になっているように、借金は二十二兆円から二十八兆円に増えている。まさに分割・民営化は破たんした。また分割・民営化の狙いは国労つぶしであったことは、中曽根元首相が雑誌などに書いている。これは国家的不当労働行為そのものだ。採用差別問題について闘いのなかで、すべての中労委、地労委はわれわれの主張を取り入れている。そして採用差別事件で東京地裁はJRに和解を提案したが、JRはそれを拒否した。五月二十八日には判決が出る。これは勝利判決がでると確信している。これまで全国で公正判決を求める署名運動を展開し、一万二千団体・五十八万人の署名が寄せられた。今後、五月二十一日の中央集会や判決日当日の総行動など闘争を強め、勝利判決を勝ち取るために全力で闘う」と、経過と決意を述べた。

 国労闘争団全国連絡会議の横田厚幹事は「全国で三十六の闘争団をつくり、十一年間闘ってきた。全国での支援共闘などの支援もあり、さまざまな闘争を行ってきた。東京地裁の判決はわれわれの不当解雇を明らかにするだろう。しかし、判決イコール解決ではない。そこから不当解雇撤回、職場復帰を勝ち取ることと、団結の広がりをさらに広めることが重要になる。全国でリストラや不当解雇が広がっている。国労闘争団の勝利は、全国の不当解雇問題に大きな影響を与えると思っている。そのためにもわれわれは、全面勝利に向けて全力で闘っていく」と決意を表明した。

沖縄から熱烈な連帯アピール

まつりには沖縄から名護のヘリ基地反対協議会の宮城康博代表、一坪反戦地主会の池宮城紀夫代表世話人が招請された。宮城氏は「国労の皆さんが全国で十年以上闘っていることに心から敬意を表します。沖縄では、普天間基地返還の決定に喜んだが、名護市沖に海上基地を建設することが明らかになった。市民投票前に政府はさまざまな圧力をかけ、経済発展については基地を認めるなら金を出すとどうかつした。しかし、私たちは基地を拒否した。これは、名護市民だけでなく沖縄県民の意思でもある。政府は『頭ごしに建設しない』といってきたのだから、基地を断念すべきだ。これからも沖縄から全国から米軍基地をなくすためにがんばりたい」と語った。

 その後、横田基地飛行差し止め訴訟団、労基法改悪NO!全国キャラバン事務局や争議団からアピールが相ついだ。

国労闘争団全国連絡会議の神宮義秋議長は「国鉄分割・民営化による不当解雇に抗して十一年間闘ってきた。いよいよわれわれが求めてきた判決が出される。しかし余りにも長い十一年だった。JRのかたくなな態度と政府の不当性を勝利判決で明らかにさせ、JR、政府を追いつめていきたい。闘争団だけでなく、JR職場での不当差別をなくす闘いを発展させることにもがんばりたい。闘争団は、なんとしても解決させるために行動していきたい」と決意を述べた。

 国労闘争団の家族を代表して、釧路の大江暢子氏は「何も知らないまま闘争に入った。最近は裁判所の話も聞いて元気になっている。署名活動も家族会で目標を決め、三月で目標の三倍をやり抜いた。それは、なんとしても一日も早い解決を求めている表れだった。家族会も皆さんと共に一生懸命にがんばる」と語った。

 まつりには、国労・闘争団をはじめ自治労、全港湾、東京清掃労組などの組合や反基地を闘う諸団体など一万人が参加し、日頃の闘いをねぎらい、明日の闘いの鋭気を養うものとなった。


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