980405


98春闘

大手を上回る賃上げ獲得を

格差是正、労基法改悪反対

中小労組が決起集会


 九八春闘は、大手企業が低水準で妥結した。だが、中小労組の多くは、これからが春闘本番であり、一部中小私鉄は、三月二十六日、三十日に二十四時間のストライキで闘った。中小共闘センター(連合)、地方連合は闘いを追い上げ、大手との格差是正のための大幅賃上げ、週四十時間労働制の完全実施や労基法改悪に反対する闘いを強めようと中央総決起集会を開催した。


 連合に結集する中小労組は三月二十七日、東京・日比谷野外音楽堂で「格差是正、景気回復、雇用確保―九八春季生活闘争・全国中小労組中央総決起集会」を開いた。集会はゼンキン連合、金属機械、ゼンセン同盟などの労働者三千人が参加し、「積極賃上げで早期決着、中小・地場の共闘強化、労働基準法の改悪阻止」のスローガンをかかげた。

 集会では主催者あいさつなどの後、参加した地方代表による「決意リレーアピール」が行われた。

 連合群馬の代表は、「今春闘では地域ミニマム(最低賃金)運動に取り組んでおり、十八歳十二万五千円、三十歳十七万一千円、三十五歳十八万円を決定し、これ以下は認めない。今後、さらに中小、地場の共闘を強め、賃上げだけでなく、労基法改悪に反対する運動も強めていく」と訴えた。連合東京の代表は「中小企業の経営者もたいへんかもしれないが、われわれの生活はもっと厳しい。大企業との格差是正を求めてがんばる」と述べた。連合神奈川の代表は「組合の三割、組合員数にすれば一割しか妥結していない。格差是正、最低賃金の引き上げを求めて闘う」と述べ、各地方代表は中小と地場の連携、中央と地方の連携強化で闘う決意をアピールした。

次に中小共闘センターの決意表明が服部光朗代表(ゼンキン連合会長)より行われた。氏は「三月十八、十九日の山場は厳しい結果だった。中小共闘センターとしては、自ら世間相場をつくる立場で先行組合が努力した。これから四月に向けて中小は本格的な闘いになる。中小製造業の七、八割は減収減益状態にあり、半分は赤字である。しかし、われわれの闘いは生活と雇用を守るためのものだ。またこれまでも企業のリストラに耐えてきた。経営者が社会的責任を果たすというなら、われわれへの賃上げや労働時間短縮でこたえるべきである」と述べた。

 氏はさらに「四月に妥結するところは少なくとも昨年獲得実績を確保し、格差是正をめざす。また四月はミニマム月間として闘うことを決定した。地域ミニマム、産別ミニマムがあるが、未組織労働者にも波及する最低賃金協定の取り組みを強めていく。これらのミニマム運動と併せて、労働基準の改悪に反対し闘っていく」と決意を述べた。

 最後に「私たちは、賃金・労働条件に大きな格差がある中小労働者の実態から、困難であろうとも大手企業を上回る賃上げと労働条件の回答引出しによって格差是正をはかる闘いをすすめます。私たちは、九八春季生活闘争で、賃上げ、週四十時間労働制の完全実施と、景気回復をめざす四兆円所得税減税の実現、ものづくり基本法の制定、そして、中小企業の経営基盤強化による雇用の創出など政策・制度要求の実現に向けて、未組織労働者とともに全国的な闘いを展開します」とのアピールを採択した。

 集会では「デモはないのか」と会場から声があがったり、集会終了後に単組でシュプレヒコールを行うところがあらわれるなど、闘いを強化しようとする意欲がみなぎっていた。

 なお労働党各県委員会などは集会参加者へ激励行動を行った。


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