980325


中小春闘はこれから本番 大幅賃上げ・格差是正を

頑固さやケンカが必要だ

高橋 昇・金属機械神奈川地本書記長に聞く


われわれは自動車や電機などの回答で春闘相場が決まる前に回答を引き出そうと、十二日を回答指定日にした。そして十七、十八日には上積み回答を求めてきた。遅くなればなるほど回答が悪くなるのは目に見えているので、勝負をかけてみた。

 すでに約半数の組合で昨年と同様の回答を引き出している。しかし、まわりは非常に悪いので、これからはその影響を受けるだろうと考えている。われわれは自動車、電機の関連企業が多くあり、特に電機の回答が低かったので心配だ。

 また横並び回答は無理にすることはない。よい所は多く取って、悪いところでもそれなりにがんばればよかったのではないか。横並びにするとどうしても悪い方に合わせてくる。

われわれは、要求前には消費拡大と物価上昇を含めて、どう実質賃金を確保するのかという議論をしてきた。そこで強調したのは、企業の業績がよいから多く取る、悪いところは少なく取るのではなく、業績の壁を乗り越えていこうということだった。もちろん企業の業績は大きな比重を占めるのだが。

 また景気回復のためには個人消費を増やすしかなく、そのために賃上げは必要で、企業にも景気回復の社会的責任としての賃上げに応ずるように求めてきた。

 また賃上げと合理化をセットで出してくる企業があるが、賃上げと合理化は別だと切り離して闘うよう指導している。

 格差の問題については、少しでも縮めて拡大させないように訴えている。われわれは数字以外の昇格・昇給などのプラスアルファーは求めていない。つまり賃上げは、最低限の要求として交渉している。

 今後は三月二十七日の決起集会を一つの節目にしながら、三月末決着を目指していく。そして昨年実績を上回るようにしていきたい。

 最近はどこの組合でも、言葉では「粘り強く」「こだわる」などと格好よく言うが、中身になると企業の業績、銀行の貸し渋りなどばかり言う。どうも頑固さとかケンカが少なくなっている。組合は文書や数字には強くなっているが、最近はストライキも打てなくなっている。労組があまりにも素直すぎて、企業に言われるままになっている。頑固で嫌われても闘うことが必要だと感じている。


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