980315


すでに300万人署名を達成

たばこ増税に反対しよう

全日本たばこ産業労組  増渕 進書記長に聞く


 私どもがたばこ税増税に反対している基本的な考え方は三つある。第一に国鉄・林野の債務処理にあたって、なぜたばこが負担を強いられるのか、ということだ。

 二つめは、「増税なき財政再建」という橋本政権が打ち出した考え方からみて、おかしいのではないのか。

 三つめは、昨年の消費税のアップにともなって、当然たばこも値上げを実施した。二年連続の値上げになると、さらに影響が大きく出る。通常、値上げすると百億本程度販売数が減少する。それは販売店の売り上げにも影響するし、葉たばこ農家、あるいは関連グループ会社や当然JT本体への影響も出てくる。

 現在たばこ工場は全国で二十四工場あるが、雇用と職場との関係に影響が出る。われわれ全たばこ労組は、到底受け入れられない。

 労働組合として、署名活動や外へ訴えて出るような活動が年々少なくなってきている。そこで今回の増税反対署名運動で組合員が外へ出る活動を通じながら、組織の強化に結びつけてゆきたいと考えている。

 組合としてはたばこ増税反対の署名運動に取り組んでいる。われわれ全たばこ労組は二万弱の組織だが、一千万人という目標を掲げており、すでに三百万人の署名が集まった。署名運動は組合員や関連会社、販売店にお願いをし、連合をはじめ労組にも呼びかけている。先ほどあげた理由から、各方面は「これは言語道断」あるいは「理不尽なやり方だ」と受け止めており、署名運動への協力を快く受けていただいている。

 今後労組としては、いろいろな機会を通じて外へ出る運動を継続したい。まだ組織としては弱いが、その方向を追求したい。今回の署名運動を一つのきっかけにできればと考えている。

 春闘では、たばこ値上げが職場や雇用に影響しては困るということで、春闘要求の団体交渉のなかで、たばこ増税による減産で組合員へ合理化を行わないよう経営に要求している。

 春闘については、ベアを一時金にシフトするという単組も、あるいは時短にシフトするという動きもあるように聞いているが、私どもは基本的に何としてもベアに力点をおいて、一時金や時短は別問題としていこうという考えている。その点を労組としてしっかりしないと、経営側に流されると懸念している。

 また労基法改正については、連合の方針にそって反対していく。組合には女性が比較的多いのでその影響について勉強しながらやっているところだ。例えば男女均等法のもとで「女性でも転勤がなければ昇進できない」という今までの慣習は改めるべきだろう。交渉でも、そこの工場・事業所で必要なら、副工場長から工場長に、課長から部長に、そこで昇格させるよう求めている。


Copyright(C) The Workers' Press 1996, 1997,1998