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98年は闘う年に!

規制緩和、労働法制改悪、行革攻撃

長期ストで闘い抜く

全日本港湾労働組合執行委員長 河本 末吉氏に聞く


 去年は、規制緩和反対に明けて規制緩和反対に暮れた。また事前協議制に対する米国の不当な圧力・干渉が行われ、これに反対して闘った。この二つに終始した感がある。

 それが政治問題化し国際化した。それは港湾という国際的な職場の特殊性でもある。

 その二つの闘いの結果だが、中身としてはわれわれの思うようには行かなかったが、闘いとしては大きく前進し自信を深めた。港湾の産別組織である全国港湾は二十五年の歴史があるが、一年間に二十四時間ストを二回闘い、抗議行動を繰り返したことはなかった。

 だから政府、米国にも港湾は違うなあと思わせたのではないか。われわれ港湾労働者は歴史的に鍛えられてきたし、無視できない勢力として認めさせたのではないか。われわれは行革委員会の公開討論やヒアリングでも何回も訴え、ある程度は理解させたのではないかと考えている。

 それは行革委員会の文書にもにじみでている。しかし、需給調整、免許制を守るという点ではうまくいかなかった。これは三月から四月にかけて運輸政策審議会で議論されるだろうが、われわれの要求を訴えていく。港湾労働者の安定した雇用を守るような仕組みをつくっていきたい。それはこれからの運動にかかっているだろう。

 今年の闘いだが、一月から運輸省との個別折衝も持っていく。それと春闘だが、全港湾は中心でがんばるが、産別の総力をあげて闘う。それは従来のように一時間や半日のストライキを積み重ねてもだめだろう。これだけの規制緩和の攻撃のなかでは、ストで三日でも四日でも港を完全に止めて、国際的な問題、政治問題化しないと政府や経営側は応じないと考えている。

 また事前協議問題にしても運輸省が米国の圧力に屈して労資協議抜きにしようとしているが、事前協議とは労資の問題であり、われわれはあくまで労資協議を求めていく。実際に日本港運協会は事前協議の交渉を申し入れると言ってきている。

 船主のいいなりになるような労働条件や日曜就労をはじめ三百六十五日港湾を動かすという要求も出てくるだろう。また大がかりな共同配船問題が二月に出てくる。それによって港湾労働者の合理化が進む。そこで港湾労働者の雇用を守る闘いが重要になる。そこで港湾労働安定基金を要求している。これは港湾労働者の雇用が守れなかったときに救済するための基金で、船主、荷主に金を出させるもので、これとて容易なものではない。

これらの課題はどれ一つとっても、難しいものばかりだ。 こうしたことから先ほど言ったように、長期のストライキで政治問題化することなしには勝利できないと思っている。だから今年はこれらの課題を勝ち取るために相当腹を据えて闘わねばと思っている。

 またこうした課題以外にも新ガイドライン問題、労働法制改悪、規制緩和問題があるが、これらについては共同して闘える基盤をつくる必要がある。労働法制改悪では、昨年、部分的だが三つのナショナルセンターが共同した。今年はそうした点をもっと伸ばしていければ闘いも広がるのではないか。大きな転換期であるのでそれは可能だと思う。いずれにしても九八年は闘いの年としてがんばりたい。


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