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 連 合 全国でキャラバンなどを展開

 労基法改悪反対、所得税減税実現

全国の労働者3万人が決起



 中央労働基準審議会による労働基準法の改定など労働関係法改悪をねらう答申が十一月から十二月にかけて出されようとしている。各労組や弁護団などは、戦後形成された労働法制の規制緩和、改悪に反対する闘いを全国的に広めている。十月の連合大会でもこの闘いの強化を求める意見があいついだ。こうしたなかで連合も大衆行動を強め、全国から三万人を結集した集会を開いた。この攻撃を打ち破るために、労働者階級は労働法制の規制緩和攻撃への反撃とあわせ、橋本政権による「改革」攻撃で犠牲が押しつけられている国民各層と連携して闘うことが求められている。


 労働法制の規制緩和、労基法の改悪に反対する大衆行動が本格化するなか、連合は、十一月五日から十日まで、労働省前での座り込み行動を行った。労働省前では約三百人の組合員が「派遣対象業務の自由化は許さない」「裁量労働制・変形労働時間制の改悪ストップ」などのゼッケンをつけて座り込んだ。
 また全国の地方連合は、各ブロック内を回るキャラバンなど宣伝、要請行動を積み上げた。
 そして十一月八日、東京の亀戸中央公園に全国から三万人の組合員を結集して「緊急行動―連合要求実現中央集会」を開催した。
 この緊急集会は、権利拡充の労働法制の実現・基準緩和阻止、二兆円所得税減税・景気回復の実現、人事院勧告の即時完全実施を求めて開かれたものである。
 笹森事務局長は「連合結成後、八年間が経過するなかで、連合は見えない。大衆行動が足りないとの批判があった。新執行部はその反省に立って、力と行動を合言葉にしている。労働省前で座り込みを行ってきたが、たいへん大きな反響が寄せられている。パート労働者が連合の座り込みに対し、陣中見舞いを持ってきてくれ、ともに闘おうという決意が表明された。これは今まで連合の行動に対し、地域や立場の違う人びとが冷やかにみていたことと違い、われわれも行動が共感を呼んでいると確信を持った。参加者は職場、地域で今日の集会の様子を伝え、運動の輪を広げてほしい。怒らなけらばならない時には怒る。怒りを忘れた労働運動は運動ではない」と情勢報告を行った。
 連合応援団の角田代表世話人(中央大学教授)は「連合要求実現応援団だが、十月に労働法関係の学者・弁護士が呼びかけて、連合の要求を実現するために会をつくった。
 今は中央労働基準審議会を中心に労働法改正が厳しい対立のなかで審議されている。 ここ最近、規制緩和という逆風が吹き始めた。米国経済がよいという人もいるが、米国労働を研究する人びとは、米国経済が好調なのは雇用破壊が起こったからだ、と指摘している。パートなど不安定雇用が増え、賃金格差が広がる一方だ。だから米国のまねをしないでくれという米国労組の声もある。
 ところが経営側は、欧州で失業が高いのは、労組の発言力が強すぎるからだ。だから労組の力を弱めて、もっと身軽にしてほしい、といっている。今まで日本の労働法はドイツをモデルにしていたが、米国をモデルにしようという規制緩和の風が労働法に吹きつけている。
 これらを許すと雇用破壊から賃金破壊、労働時間破壊につながりかねない。これまで地味な労働法は、労資の意見を聞きながら進められてきたが、今回は違う。二十一世紀の働くルールができるのか、どうかだ。
 規制緩和のなかでキャリアを望む女性がいたら、男性なみに青天井の労働をしなさい。深夜労働もしなさい。それができなければパートになりなさい、という雇用破壊、労働時間破壊を選択せざるを得ないのか、という岐路に立っている。これが今回の問題である。
 私たちは連合だけでなく、広く国民に訴えたいと応援団を結成した。私たちも協力するので頑張ってほしい」と、述べた。
 連合は十一月だけでなく、十二月、一月にも行動を積み上げる予定で、十二月二日にも日比谷野外音楽堂で決起集会を予定している。
 なお、集会には連合に参加するすべての単産から参加したほか、北陸など地方連合の姿が目立った。
 また労働党東京都委員会は、集会参加者を激励し、宣伝を行った。


地方代表の発言

 関東ブロックでは2コースに分かれ、関東平野を文字通り野を越え山越え海越えでキャラバンを行った。また、埼玉では、10月14日に女性行動を組織し、女性組合員100人による駅頭行動、そして全国統一行動日の29日には、県内22地協が県内主要駅頭で宣伝行動を行ってきた。

 連合富山は昨年、地域ユニオンを結成した。毎日のように中小やパートの方から労働相談を受けている。多くは、賃金問題、休暇そして解雇問題である。われわれは労働組合として社会的役割を果たすために、中小、パート、弱者の皆さんためにパート労働法の実現を勝ち取るためにがんばりたい。

 九州では沖縄から2チームでキャラバン行動を行い、各地で宣伝、要請行動を行ってきた。福岡では、女子保護規定の廃止に対し、何としても男女共通の時間外・休日・深夜労働の規制を実現させたい。そのために女性組合員を中心に意見広告を準備している。地方も中央諸行動に負けないように努力している。 


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