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不当解雇と闘う英港湾労働者

闘えば勝てる!闘う道を

「歓迎!リバプール港湾労働者―首都圏集会」が九月一六日、東京で開催された。当日は雨にもかかわらず会場に入りきれないほど多くの人が参加、英国港湾労働者の闘いに連帯しようとする熱気にあふれた。
 まずリバプール港湾労働者の闘いを描いたビデオ「ピケをこえなかった男たち」の上映が行われた。
 続いて、リバプール労働者訪日団のテリー・サウザード氏とボブ・リッチー氏が「仲間の皆さん。私たちはリバプール港湾労働者を代表してあいさつを行います。港湾への攻撃は一九八九年にサッチャー政権が全国港湾労働計画を廃止したことによる。しかも攻撃は計画的で、炭鉱、航空と次々に攻撃し、そして港湾にかけられた。サッチャー政権は労組を解体しようとしたが、われわれはそれには屈しなかった。それには三つのキーワードがある。規制緩和、日雇い労働、民営化だ。三つのことばが意味することは、これまで闘いとってきた権利が剥奪されることだ。われわれはそのために全力で闘ってきたが、国際連帯が必要だと理解した。なぜなら資本家は国際化・世界化のなかで攻撃をかけているからだ。だからこそ、こうした集会は国際連帯を強めるうえで有効である。今年の一月二十日に国際統一行動が闘われ、米国、スウェーデンでの二十四時間ストをはじめ、日本でも時間内集会がもたれるなど二十七カ国、百五港で連帯行動が行われた。こうした国際連帯は負けることはない。私たちは、私たちのためだけではなく、これまで父や祖父たちが闘いとってきた労働者の権利を守るために闘っている。闘えば勝てる、闘う道を進もう」とあいさつした。
 続いて連帯あいさつとして、全港湾、国労などがそれぞれの闘いを紹介しながら、いっそう連帯して闘うことを表明した。
 最後に全員で、リバプールの港湾労働者が闘争時に行っているシュプレヒコール「スキャッブ・アウト(スト破り出ていけ!)ドッカーズ・イン!(港湾労働者を仕事につけろ!)」を行った。


 「リバプール事件」は一九九五年夏、残業代支払い問題で子会社の労働者五人が解雇されたことに端を発する。支援を求めた子会社の労働者がピケを張ったが、そのピケを親会社の労働者は破らなかった。これを資本が労働契約違反として親会社の労働者五百人を解雇した。
 会社は代わりに時給四ポンド(約八百円)、傷病休暇・年休・深夜割増し手当なしの日雇い労働者を雇った。
 英国では、港湾労働者の多くが日雇いになり、人件費の四一%が削減され、労働災害が三三%増加した。
 解雇された労働者は闘い抜いており、世界中で連帯する闘いが強化されている。日本の労働運動もこの闘いに学ぶ必要がある。


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