自治労第７３回定期大会に際して－党中央委員会労働運動対策部

20020822
米国主導のグローバリズム、
支配層の構造改革と対決する断固たる闘争の道へ！
破綻した連合労働運動の再構築のために積極的役割を
----自治労第７３回定期大会に際して---- 　　　

２００２年８月２３日　　　　　
日本労働党中央委員会労働運動対策部

　全国各地から大会に参加された代議員�傍聴者、すべての活動家の皆さん。大変ごくろうさまです。日本労働党は�皆さんに熱烈な連帯の挨拶を送ります。
　米国主導のグローバル資本主義の危機が深まる中�本大会がいちだんと強まるわが国多国籍企業とその政府の公務員攻撃に対して断固として闘う方針と態勢を確立するとともに�破綻した連合労働運動の再構築に向け先進的な役割を果たす意思を固められるよう�心から期待するものです。

激動にふさわしい大いなる論戦を
　この１年�自治労にとってはまさに試練の1年でした。不祥事問題の発覚と自治労バッシング�公務員制度改革、市町村合併、人事院によるマイナス勧告などなど、いずれも自治体労働者と自治労の存立にかかわる攻撃にさらされました。それは米国での９・１１同時多発テロ、最近の米国主導のグローバル資本主義の危機の深刻化�小泉構造改革とその行き詰まりに表われているような国内外の大激動、歴史的危機の深まりの只中で起こっているものです。それゆえに�自治労運動も�連合を中心とするわが国労働運動も�その路線と存在理由が鋭く問われ�転落か飛躍か歴史的岐路に立たされていると言って過言ではありません。本大会は中間年大会ですが、再生を期する重大な大会であり、自治労労働運動の路線を決める「２１世紀宣言案」も提起されます。旭川大会で決定した「運動方針の基本的考え方」の認識を現実の変化と実践に照らして検証し�必要ならば根本的に見直す覚悟をもって真剣な論戦が闘わされねばなりません。
　激動の時代�大いなる論争を恐れては�閉塞状況を打開して職場の高まるエネルギーを結集する知恵も策も見いだせず、勝利の展望を切り開くことはできません。

グローバリズムに根本的批判を--時代認識をきちんと
　この１年の内外情勢の激変は�前大会の「情勢のとらえ方」に変更を迫り�あらためて時代認識をきちんとしなければ闘いの展望を見出せなくなっています。前大会は�「グローバル化と戦後的システムの改革」が進行するなか、自治労は「『自由�公正・連帯』の２１世紀社会を創造することを究極目標」としながら、「柔軟で力強い労働運動」を連合とともに構築していく、と確認しました。
　しかし、大会直後に起こった「９・１１」とそれ以降の内外情勢の激変は�その不十分さと致命的弱点を暴露しました。９・１１事件は�米国の金融�軍事の世界支配の中枢が標的にされたことによって�冷戦崩壊後「グローバリゼーションの時代」と言われてきた９０年代が米国の一極支配の時代であったこと、しかしその支配に世界の諸国人民が耐えがたくなり反抗の行動に移り始めたことを示しました。また、これに対するブッシュ政権の「テロ撲滅」を掲げたアフガン戦争、「悪の枢軸」による軍事力頼みの世界支配戦略の推進は、表面的には強さを誇っていますが�各所に深刻な矛盾を生み�その限界を露呈しています。さらには、今年の半ばから米国では株安�ドル安が同時進行し�米国経済の深刻な実態が浮き彫りになっています。世界中から資金を集めて好景気を演出し資本主義システムを延命させてきたドル還流装置が機能麻痺に陥り�ふたたび「双子の赤字」問題が浮上するなど�米国主導のグローバル資本主義はその限界を露呈し�歴史的破局の危機に突入しています。
　こうしたこの１年の激変に照らしてみるなら�前大会の認識は�「グローバル化」や「市場万能主義反対」を唱えてはいるものの�もっとも肝心なそれを推進している元凶・米国を一言も告発せず�まるでグローバリゼーションは受け入れるよりほかない自然現象であるかのように描いている弱点をもっています。また、米国主導のグローバル化に追随して独り生き残ろうとしているわが国多国籍企業とその番頭・小泉政権の構造改革に対する根本的批判もありません。
　自治労も含め労働界では、冷戦崩壊後の時代認識として「テロや民族・宗教紛争が最大の脅威」であり、世界にはまるで世界を支配続けようとする帝国主義国も�この支配に反抗する民族や人民もいなくなり、資本家階級と労働者階級の対立も消えてなくなったかのような幻想が流行したものですが�前大会ではまだその弱点を引きずっていたといわなければなりません。
　搾取され�抑圧されている労働者にとって諸困難を根本的に打開するためには�誰を敵とし�誰を友として闘うか、明確でなければ闘いの方向を見失うことになります。米国主導のグローバリズムを根本的に批判し�これと最後まで闘い抜くのかどうか�わが国支配層の構造改革と断固として闘うのかどうかは、進歩か反動か�先進か落伍かの分水嶺となっています。
　今大会では、これまでの弱点を持つ時代認識を是正し�客観世界の現実に合致した認識を闘いとることが重要な任務の一つです。それが出来るなら�確固とした闘いの方向を定めることが可能となり�強大な敵を蔑視することもでき�支配を打ち破るエネルギーが急速に蓄えられていることに気づき、確信をもって闘いにのぞめるに違いありません。

対案型、「交渉と社会的対話」の路線は無力、断固たる闘争の道へ
　情勢のとらえ方、時代認識の弱点と不可分の問題として�「運動の基本的方向」も情勢の変化と実践の総括の上にたって検証しなければなりません。前大会の基本的闘い方は、要約して言えば�「自由�公正�連帯」というヨーロッパ社民主義＝いわゆる「第３の道」が掲げる理念を究極目標としながら�政治�経済�社会のあらゆる場面で「戦後的システムの改革」の対案を示し�当局との「要求�交渉」や政労使による「社会的対話」によって要求を実現していくというものです。端的に言えば�断固たる闘いの力に頼る道ではなく�「話し合い」によって要求を反映していくという路線です。
　この「運動の基本方向」も、この１年の実践を総括するなら�基本的な見直しが求められています。
　政府による公務員制度改革は、公務員労働者にとって最大の課題でしたが、この２年来の経験を振り返ってみるとき�「民主的�抜本的改革」の対案を示しての中央での「交渉」という闘い方は、まったくの無力さをさらけ出しました。一方的に政府の改悪案を押し付けられるだけでなく�既成事実を積み重ねるように現場では「能力�実績を重視した人事制度」が導入され�賃金カット�民間委託�人員削減が強行され�ついには史上初めてのマイナス人事院勧告さえ押し付けられました。自治体改革運動も�何一つ成果をあげられないばかりか�「市町村合併」という政府の一大自治体改革攻撃にさらされ、自治体労働者と住民に対していっそうの犠牲だけが押し付けられています。
　こうした経験が示しているところは�「グローバリゼーションの時代」には、労使間�当局との「話し合い」による闘い方は�もはや有効ではなく�根本的な見直しが求められているということです。それは自治労だけでなく�連合労働運動全体にとっても言えることで�「労使協議」「社会合意」の労働運動路線、いわゆる「参加」路線は２００２春闘の結果が示したようにすっかり行き詰まりました。
　それは当然です。今日の公務員に対する攻撃も�民間労働者に対する攻撃も�わが国多国籍企業がグローバリズム対応し勝ち残るため�国内の労働コストを大幅に切り下げねばならなくなっているところに根源があるからです。「グローバリゼーションの時代」ゆえに、労働者と資本家の利害はゼロサム関係となり�「話し合い」による妥協などなく�資本の側から見ても「力による決着」以外に生き残る道がなくなっているからです。
　そうだとすれば、労働者にとって真の活路となるのは�ただ一つ�断固たる闘争の道以外にありません。世界に目を転ずれば�グローバリズムに抗してイタリアの労働者も�スペインの労働者もゼネストで起ち上がり�韓国の労働者も米国の労働者も断固たる闘争で決着をつける道を歩みはじめました。
　他方�自治労が手本としてきたグローバリズムをコントロールするというヨーロッパ社民主義の「第３の道」は、フランスのルペンショックなどが示しているようにわずか数年で挫折し�労働者にとって真の展望とはなりえないことを示しました。
　今大会では�「運動の基本方向」でも大いに論戦し�断固たる闘争の道へと転換しなければなりません。そのためにもストライキ権の奪還は�重要な戦略的課題として組織をあげて追求すべきです。

春闘のあり方、国の進路の問題で連合内で積極的に発言を
　今大会は、自治労の再生や闘う方向の確立にとどまらず、わが国労働運動の方向についても積極的に発言する意志を固めねばなりません。
　かつて自治労指導部は労働戦線統一問題に当面して、労働戦線の統一を支持�連合の中に入って連合の路線を変えるといっていました。あれから１３年、「グローバリゼーションの時代」に連合路線が破綻し�闘える方向が求められています。今こそ�初心を思い起こし�日本労働運動の再構築のために犬馬の労をとるべきときです。
　第１に�春闘のあり方について連合内での論戦に「主体的に参加」していくと方針にありますが�額面どおり実践しなければなりません。０２春闘の結果は�春闘崩壊ともいうべき惨敗となりました。これは、電機�自動車など多国籍企業労組の企業内組合の日和見主義幹部が推進してきた「労使協議」「社会合意」依存の参加路線の破綻を意味しており�春闘でナショナルセンターとしての統一要求基準を提起して闘うかどうかは�単なる戦術問題ではなく�労働運動の路線をめぐる争いです。
　ＩＭＦ－ＪＣ議長の鈴木勝利氏らは�「ドルを稼ぐ金属産業の国際競争力を維持するために�国民経済を支える産業�中小企業、それらの労働者の賃金など高コスト構造を是正せよ」と多国籍企業の論理を丸出しにして、「産別自決」を唱え�連合としての総掛かりの団結した闘いを切り崩す役割を果たしています。また、闘いの発展を封じる「社会合意」の道を唱えています。こうした日和見主義と断固闘い�いっそうしない限り、わが国労働運動の前進はありません。彼らに対抗して職場闘争を強め�企業別組合の枠を超えて団結しようとしているゼンセン同盟�ＪＡＭ、私鉄総連、全国一般など中小産別、地方連合会と共同して�ナショナルセンターとしての闘う路線を闘い取るべきです。
　「相場形成能力がない」などと消極的な態度をとることは、最悪の日和見主義の連合支配に手を貸し�大多数の労働者の利害を裏切る行為です。最大産別として無責任のそしりは免れず�マイナス人勧が示しているようにそのツケは自分に回ってくるのです。
　第２に�米国主導のグローバル資本主義が限界を露呈し�軍事面での一極支配にもかかわらず破局的危機に踏み込んだ今日�わが国の進路の問題が深刻に問われ�第一級の政治課題となっています。ドルに頼り�莫大な資金で米国を支えてきたわが国の危機は不可避で�支配層の中にも「対米従属からの脱却」「独自の国家戦略の必要」など動揺が見られます。
　こうした時こそ�労働運動とそれを基盤とする政治勢力が国の進路という全国民的課題で発言し�支配層と政治的に主導性を争うべきときです。自治労は有事法制反対や沖縄連帯で積極的な役割を果たしてきましたが�これまでのいわゆる平和運動の域を越え、国の進路の問題として積極的に行動すべきときです。支配層の対米従属に対抗し�もう一つの旗印---安保条約破棄、独立�自主�アジアの共生の国の進路、グローバリズムに反対し国民経済と主権を守る国民政府の樹立の展望を示して広範な戦線を形成するチャンスです。それこそ先進的階級の名にふさわしい役割と言えます。連合内でも遠慮せず�必要なら論戦し�誤った見解を打ち破って�労働運動全体の意思として確立しなければなりません。
　それと関連して、政治方針として「民主党支持」はきっぱりと清算しなければなりません。民主党はグローバリズムを容認し�構造改革を推進する政党であり�自由党の小沢らと政権戦略を共にして、保守二大政党制へさらに踏み込もうとしていす。これ以上の民主党支持は何の益もなく�自治体労働者の自らの首をしめることは必然です。この道をきっぱりと清算し�二大保守政党制に対抗できる闘う砦を労働運動を基盤に構築しなければなりません。
　皆さんの大会の成功を心から期待します。労働党は、確固として皆さんの立場にたち、ともに前進します。



			20020822 米国主導のグローバリズム、支配層の構造改革と対決する断固たる闘争の道へ！破綻した連合労働運動の再構築のために積極的役割を ----自治労第７３回定期大会に際して---- 　　　２００２年８月２３日　　　　　日本労働党中央委員会労働運動対策部

		全国各地から大会に参加された代議員�傍聴者、すべての活動家の皆さん。大変ごくろうさまです。日本労働党は�皆さんに熱烈な連帯の挨拶を送ります。　米国主導のグローバル資本主義の危機が深まる中�本大会がいちだんと強まるわが国多国籍企業とその政府の公務員攻撃に対して断固として闘う方針と態勢を確立するとともに�破綻した連合労働運動の再構築に向け先進的な役割を果たす意思を固められるよう�心から期待するものです。激動にふさわしい大いなる論戦を　この１年�自治労にとってはまさに試練の1年でした。不祥事問題の発覚と自治労バッシング�公務員制度改革、市町村合併、人事院によるマイナス勧告などなど、いずれも自治体労働者と自治労の存立にかかわる攻撃にさらされました。それは米国での９・１１同時多発テロ、最近の米国主導のグローバル資本主義の危機の深刻化�小泉構造改革とその行き詰まりに表われているような国内外の大激動、歴史的危機の深まりの只中で起こっているものです。それゆえに�自治労運動も�連合を中心とするわが国労働運動も�その路線と存在理由が鋭く問われ�転落か飛躍か歴史的岐路に立たされていると言って過言ではありません。本大会は中間年大会ですが、再生を期する重大な大会であり、自治労労働運動の路線を決める「２１世紀宣言案」も提起されます。旭川大会で決定した「運動方針の基本的考え方」の認識を現実の変化と実践に照らして検証し�必要ならば根本的に見直す覚悟をもって真剣な論戦が闘わされねばなりません。　激動の時代�大いなる論争を恐れては�閉塞状況を打開して職場の高まるエネルギーを結集する知恵も策も見いだせず、勝利の展望を切り開くことはできません。グローバリズムに根本的批判を--時代認識をきちんと　この１年の内外情勢の激変は�前大会の「情勢のとらえ方」に変更を迫り�あらためて時代認識をきちんとしなければ闘いの展望を見出せなくなっています。前大会は�「グローバル化と戦後的システムの改革」が進行するなか、自治労は「『自由�公正・連帯』の２１世紀社会を創造することを究極目標」としながら、「柔軟で力強い労働運動」を連合とともに構築していく、と確認しました。　しかし、大会直後に起こった「９・１１」とそれ以降の内外情勢の激変は�その不十分さと致命的弱点を暴露しました。９・１１事件は�米国の金融�軍事の世界支配の中枢が標的にされたことによって�冷戦崩壊後「グローバリゼーションの時代」と言われてきた９０年代が米国の一極支配の時代であったこと、しかしその支配に世界の諸国人民が耐えがたくなり反抗の行動に移り始めたことを示しました。また、これに対するブッシュ政権の「テロ撲滅」を掲げたアフガン戦争、「悪の枢軸」による軍事力頼みの世界支配戦略の推進は、表面的には強さを誇っていますが�各所に深刻な矛盾を生み�その限界を露呈しています。さらには、今年の半ばから米国では株安�ドル安が同時進行し�米国経済の深刻な実態が浮き彫りになっています。世界中から資金を集めて好景気を演出し資本主義システムを延命させてきたドル還流装置が機能麻痺に陥り�ふたたび「双子の赤字」問題が浮上するなど�米国主導のグローバル資本主義はその限界を露呈し�歴史的破局の危機に突入しています。　こうしたこの１年の激変に照らしてみるなら�前大会の認識は�「グローバル化」や「市場万能主義反対」を唱えてはいるものの�もっとも肝心なそれを推進している元凶・米国を一言も告発せず�まるでグローバリゼーションは受け入れるよりほかない自然現象であるかのように描いている弱点をもっています。また、米国主導のグローバル化に追随して独り生き残ろうとしているわが国多国籍企業とその番頭・小泉政権の構造改革に対する根本的批判もありません。　自治労も含め労働界では、冷戦崩壊後の時代認識として「テロや民族・宗教紛争が最大の脅威」であり、世界にはまるで世界を支配続けようとする帝国主義国も�この支配に反抗する民族や人民もいなくなり、資本家階級と労働者階級の対立も消えてなくなったかのような幻想が流行したものですが�前大会ではまだその弱点を引きずっていたといわなければなりません。　搾取され�抑圧されている労働者にとって諸困難を根本的に打開するためには�誰を敵とし�誰を友として闘うか、明確でなければ闘いの方向を見失うことになります。米国主導のグローバリズムを根本的に批判し�これと最後まで闘い抜くのかどうか�わが国支配層の構造改革と断固として闘うのかどうかは、進歩か反動か�先進か落伍かの分水嶺となっています。　今大会では、これまでの弱点を持つ時代認識を是正し�客観世界の現実に合致した認識を闘いとることが重要な任務の一つです。それが出来るなら�確固とした闘いの方向を定めることが可能となり�強大な敵を蔑視することもでき�支配を打ち破るエネルギーが急速に蓄えられていることに気づき、確信をもって闘いにのぞめるに違いありません。対案型、「交渉と社会的対話」の路線は無力、断固たる闘争の道へ　情勢のとらえ方、時代認識の弱点と不可分の問題として�「運動の基本的方向」も情勢の変化と実践の総括の上にたって検証しなければなりません。前大会の基本的闘い方は、要約して言えば�「自由�公正�連帯」というヨーロッパ社民主義＝いわゆる「第３の道」が掲げる理念を究極目標としながら�政治�経済�社会のあらゆる場面で「戦後的システムの改革」の対案を示し�当局との「要求�交渉」や政労使による「社会的対話」によって要求を実現していくというものです。端的に言えば�断固たる闘いの力に頼る道ではなく�「話し合い」によって要求を反映していくという路線です。　この「運動の基本方向」も、この１年の実践を総括するなら�基本的な見直しが求められています。　政府による公務員制度改革は、公務員労働者にとって最大の課題でしたが、この２年来の経験を振り返ってみるとき�「民主的�抜本的改革」の対案を示しての中央での「交渉」という闘い方は、まったくの無力さをさらけ出しました。一方的に政府の改悪案を押し付けられるだけでなく�既成事実を積み重ねるように現場では「能力�実績を重視した人事制度」が導入され�賃金カット�民間委託�人員削減が強行され�ついには史上初めてのマイナス人事院勧告さえ押し付けられました。自治体改革運動も�何一つ成果をあげられないばかりか�「市町村合併」という政府の一大自治体改革攻撃にさらされ、自治体労働者と住民に対していっそうの犠牲だけが押し付けられています。　こうした経験が示しているところは�「グローバリゼーションの時代」には、労使間�当局との「話し合い」による闘い方は�もはや有効ではなく�根本的な見直しが求められているということです。それは自治労だけでなく�連合労働運動全体にとっても言えることで�「労使協議」「社会合意」の労働運動路線、いわゆる「参加」路線は２００２春闘の結果が示したようにすっかり行き詰まりました。　それは当然です。今日の公務員に対する攻撃も�民間労働者に対する攻撃も�わが国多国籍企業がグローバリズム対応し勝ち残るため�国内の労働コストを大幅に切り下げねばならなくなっているところに根源があるからです。「グローバリゼーションの時代」ゆえに、労働者と資本家の利害はゼロサム関係となり�「話し合い」による妥協などなく�資本の側から見ても「力による決着」以外に生き残る道がなくなっているからです。　そうだとすれば、労働者にとって真の活路となるのは�ただ一つ�断固たる闘争の道以外にありません。世界に目を転ずれば�グローバリズムに抗してイタリアの労働者も�スペインの労働者もゼネストで起ち上がり�韓国の労働者も米国の労働者も断固たる闘争で決着をつける道を歩みはじめました。　他方�自治労が手本としてきたグローバリズムをコントロールするというヨーロッパ社民主義の「第３の道」は、フランスのルペンショックなどが示しているようにわずか数年で挫折し�労働者にとって真の展望とはなりえないことを示しました。　今大会では�「運動の基本方向」でも大いに論戦し�断固たる闘争の道へと転換しなければなりません。そのためにもストライキ権の奪還は�重要な戦略的課題として組織をあげて追求すべきです。春闘のあり方、国の進路の問題で連合内で積極的に発言を　今大会は、自治労の再生や闘う方向の確立にとどまらず、わが国労働運動の方向についても積極的に発言する意志を固めねばなりません。　かつて自治労指導部は労働戦線統一問題に当面して、労働戦線の統一を支持�連合の中に入って連合の路線を変えるといっていました。あれから１３年、「グローバリゼーションの時代」に連合路線が破綻し�闘える方向が求められています。今こそ�初心を思い起こし�日本労働運動の再構築のために犬馬の労をとるべきときです。　第１に�春闘のあり方について連合内での論戦に「主体的に参加」していくと方針にありますが�額面どおり実践しなければなりません。０２春闘の結果は�春闘崩壊ともいうべき惨敗となりました。これは、電機�自動車など多国籍企業労組の企業内組合の日和見主義幹部が推進してきた「労使協議」「社会合意」依存の参加路線の破綻を意味しており�春闘でナショナルセンターとしての統一要求基準を提起して闘うかどうかは�単なる戦術問題ではなく�労働運動の路線をめぐる争いです。　ＩＭＦ－ＪＣ議長の鈴木勝利氏らは�「ドルを稼ぐ金属産業の国際競争力を維持するために�国民経済を支える産業�中小企業、それらの労働者の賃金など高コスト構造を是正せよ」と多国籍企業の論理を丸出しにして、「産別自決」を唱え�連合としての総掛かりの団結した闘いを切り崩す役割を果たしています。また、闘いの発展を封じる「社会合意」の道を唱えています。こうした日和見主義と断固闘い�いっそうしない限り、わが国労働運動の前進はありません。彼らに対抗して職場闘争を強め�企業別組合の枠を超えて団結しようとしているゼンセン同盟�ＪＡＭ、私鉄総連、全国一般など中小産別、地方連合会と共同して�ナショナルセンターとしての闘う路線を闘い取るべきです。　「相場形成能力がない」などと消極的な態度をとることは、最悪の日和見主義の連合支配に手を貸し�大多数の労働者の利害を裏切る行為です。最大産別として無責任のそしりは免れず�マイナス人勧が示しているようにそのツケは自分に回ってくるのです。　第２に�米国主導のグローバル資本主義が限界を露呈し�軍事面での一極支配にもかかわらず破局的危機に踏み込んだ今日�わが国の進路の問題が深刻に問われ�第一級の政治課題となっています。ドルに頼り�莫大な資金で米国を支えてきたわが国の危機は不可避で�支配層の中にも「対米従属からの脱却」「独自の国家戦略の必要」など動揺が見られます。　こうした時こそ�労働運動とそれを基盤とする政治勢力が国の進路という全国民的課題で発言し�支配層と政治的に主導性を争うべきときです。自治労は有事法制反対や沖縄連帯で積極的な役割を果たしてきましたが�これまでのいわゆる平和運動の域を越え、国の進路の問題として積極的に行動すべきときです。支配層の対米従属に対抗し�もう一つの旗印---安保条約破棄、独立�自主�アジアの共生の国の進路、グローバリズムに反対し国民経済と主権を守る国民政府の樹立の展望を示して広範な戦線を形成するチャンスです。それこそ先進的階級の名にふさわしい役割と言えます。連合内でも遠慮せず�必要なら論戦し�誤った見解を打ち破って�労働運動全体の意思として確立しなければなりません。　それと関連して、政治方針として「民主党支持」はきっぱりと清算しなければなりません。民主党はグローバリズムを容認し�構造改革を推進する政党であり�自由党の小沢らと政権戦略を共にして、保守二大政党制へさらに踏み込もうとしていす。これ以上の民主党支持は何の益もなく�自治体労働者の自らの首をしめることは必然です。この道をきっぱりと清算し�二大保守政党制に対抗できる闘う砦を労働運動を基盤に構築しなければなりません。　皆さんの大会の成功を心から期待します。労働党は、確固として皆さんの立場にたち、ともに前進します。