20011115

公務員制度改革問題
官公労中心に1万人結集

労働基本権の確立めざし

総力あげ断固闘おう


 「小泉改革」の一環として進められている公務員制度改革は、十二月の大綱とりまとめに向けて大きな山場を迎えている。政府・与党は、(1)公務員の労働基本権は付与しない、(2)各省庁が自由に人事を行える制度にする、(3)天下りなどについても、人事院ではなく各大臣が承認するーとの方針を固めつつある。労働基本権も否定し、さらに能力・実績主義導入など断じて許されない。こうした中、連合・連合官公部門連絡会は十一月五日、東京で「緊急雇用対策実現! 労働基本権確立・民主的公務員制度改革を求める中央集会」を開催した。十二月に向け、中央「協議」のみでなく、全国的なより断固たる大衆的闘いこそが事態を切り開くものである。

断固たる全国的な闘争こそがカギ

 集会には連合の官公部門に結集する自治労、教組、全逓など約一万人が参加、JAMやゼンセン同盟など民間部門からも労働者が参加した。
 主催者あいさつにたった丸山・国公連合委員長は「人事院勧告の代償機能を廃止し、各部署、大臣の使用者権限を強めるならば労働基本権の確立は不可欠だ。また能力・業績評価の強化は労使交渉でその中身について確認をされなければならない。そして各部署縦割りの独善・閉鎖的な行政や政官財のゆ着の原因となっているキャリア制度や天下りを廃止することが必要」と公務員制度改革に対する闘いの方向性について触れた。
 また情勢報告にたった山本・官公部門対策事務局長は「もし、労働基本権、賃金・労働条件の決定に労働組合の関与が現状のままならば、こうした改革は断じて認めるわけにはいかない」と述べた。
 連合・官公部門の各組合から闘いの決意表明があり、「私たち国営企業体労働者は今回の改革の当事者。通貨製造業務にふさわしい権利を求め闘う」(全造幣)、「労働基本権の回復が認められないのなら私たちは無権利状態だ。組織の総力あげて基本権確立に向け闘う」(国公連合)、「単組、職場、地域で全力で闘ってきた。基本権確立に向け取り組みを強める」(自治労)、「われわれはかつてストライキで闘って過酷な処分を受けた。その上、労働基本権の回復がないとすれば絶対に見過ごすことはできない」(日教組)、「政府の公務員制度改革は財政赤字を働くものに押しつけるもの。断じて容認できない」(政労連)と、いま進められている公務委員制度改革について厳しい批判が相次いだ。
 集会の最後に、雇用の確保と創出を求めるアピールと公務員の労働基本権の確立などを求める決議を全体で採択した。参加者はその後、国会に向けデモを行った。

*  *  *  *

 こうした一万人集会は、次のより大きな闘いのステップとしなければならない。
 いま、盛んにいわゆる自治労本部の不祥事問題が検察に摘発され、マスコミも動員した異常なキャンペーンが繰り広げられている。集会で「真相究明委員会を発足させ、がんばっている。そして自治労の再生をめざしたい」(福山・自治労書記長)と報告があったように、自治労本部は組合員の不安を解消し、信頼の回復へ努力を始めている。真相を明らかにし、組織の団結を崩さずに解決されることが求められている。
 そうした努力に加え、真相究明だけに終始し、受け身に回るだけではなく、攻防の現局面を見据え、断固として、スト権奪還、能力・実績主義導入阻止の闘いを強めなくてはならない。
 今回の自治労不祥事の摘発は、時期といい、社会的信頼を失わせることに的を合わせた執拗(しつよう)な報道など、支配層が明確な政治的意図をもって仕組んだ攻撃と言わざるを得ない。
 公務員制度改革など構造改革を進める小泉政権にとって、労働運動の発展は脅威である。そこで連合最大の単産組織である自治労に決定的なダメージを与え、無力化しようという攻撃に出たのであろう。
 もはや、中央での「交渉・協議」では打開の道はない。断固たる闘いでしか、スト権をはじめとする労働基本権の確立は実現しない。
 支配層の自治労攻撃を許さず、小泉政権と真正面から闘うことが強く求められている。

ページの先頭へ