20010925

川崎 官民で共闘会議を結成

いすゞ工場閉鎖に反対する


 神奈川県高教組、国労、全造船などによる神奈川地域労働運動交流は九月二十日、「元気が出る神奈川集会」を川崎で開催した。集会には川崎市職労、神奈川シティユニオンなど三百五十人以上が参加した。
 主催者の一人である国労の代表は、「相つぐリストラなど、元気が出ないことが多い。しかし、労働者が元気でないとリストラをはね返すこともできない。昨年に続いての企画だが、参加する各労組の元気を共有し、闘っていこう」とあいさつした。
 その後、川崎南部労組交流会、高教組などから寸劇による労組紹介、教育改革批判などが行われた。また、ペルー、韓国などの外国人労働者による歌や踊りなども行われた。
 第二部として、「いすゞ川崎工場閉鎖、九千七百人の人減らしを許さない」集会が引き続き行われた。闘いについて、全造船いすゞ自動車分会、いすゞの下請けである全造船ヤサカ研工分会の労働者が登壇した。
 最初に「いすゞ川崎工場閉鎖反対! 川崎に雇用と生活の場を残せ! 労働者に犠牲を強いるリストラ反対! いすゞ下請け労働者の切り捨て反対! 国内産業の空洞化を許すな!」とシュプレヒコールを行った。
 そして、いすゞ関連で働いてきた南米の労働者からは「何の予告もなく解雇された。不当だ。会社の横暴を許さない」などの訴えがあり、日本人組合員からは「リストラを許さず、最後まで闘い抜く」などの訴えが行われた。
 次に今回の「いすゞVプラン」について説明が行われた。いすゞVプランは、今後三年間で川崎工場を閉鎖し、国内生産を三拠点(北海道、栃木、神奈川県藤沢)体制にし、グループ全体で三万八千人を二万八千人に削減する、関連企業百九社を四〇%削減する、ことなどを柱にしている。 とくに、会社側は「いすゞを『自動車のユニクロ』にする」などとしており、中国に生産拠点を移そうとしている。そして、労働者、下請けへのすさまじい犠牲の押しつけを行おうとしていることが暴露された。
 また、このリストラ案は五月二十八日に発表されたが、すでに七月に希望退職が募られ七百四十人がこれに応じさせられた。
 さらに、自動車産業においては九〇年代に海外に続々と工場を増設し、海外生産の急増によって企業間競争の激化、業界再編が行われた。日産座間工場の閉鎖に始まった生産の集約化、統廃合のリストラ合理化は、マツダ、三菱、そしていすゞに波及した。自動車総連は九月四日の大会で「自動車産業は二〇〇五年までに、最大十四万人以上の雇用が失われる」と報告している、ことなどが述べられた。
 そしてこの集会をもって、いすゞ分会、ヤサカ分会の闘いを支援するためのいすゞ闘争支援共闘会議が結成された。
 最後に「多くの失敗を重ねてきた経営陣が、その責任もとらず、犠牲を労働者のみに押しつけて進もうとする身勝手を許すことはできない。犠牲を強い、生活を無視した川崎工場閉鎖とは正面から闘わざるをえない。多くの仲間の力を軸に、反リストラ、反失業の声を大にし、全力で闘っていこう」との集会宣言を採択した。

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