20010825

日の丸・君が代の強制反対

不当処分撤回まで闘う

広島県教組 山根 基嗣書記長に聞く


 広島県教育委員会は、入学式で君が代斉唱時に起立しなかった広島教組と高教組の組合員を処分した。これに対し、両労組の組合員七十七人は七月二日、人事委員会に不当処分の撤回を求める不服申し立てを行った。広島県教組の山根基嗣書記長に聞いた。

 広島県教育委員会は五月十一日、二〇〇一年度入学式において君が代斉唱時に起立しなかった教職員に対し、不当な懲戒処分攻撃をかけてきた。しかも、今回の処分は直前の卒業式での同様の処分に続くものであり断じて許されない。また、教職員だけでなく、子どもや保護者にも苦痛を与えたことに強い怒りを覚え、抗議するものである。
 われわれは、主人公である子どもを中心にしながら、入学を祝う保護者・教職員が一体となって、自由な環境の中での入学式をつくり出していこうと努力してきた。しかし、県教委は「文部省是正指導の成果の証」と称して、処分をちらつかせながら、日の丸・君が代を強制してきた。
 卒業式、入学式における日の丸・君が代の強制は、子ども、保護者、教師の思想および良心の自由を侵すものである。それは、憲法と教育基本法に反するものである。県教委は処分は学習指導要領に基づくものであるというが、指導要領に斉唱時に起立することや生徒を起立させるなどということはどこにも書いていない。
 そもそも、国旗国歌法制定に際し、政府・文部省は「法制化が行われた場合においても、学校におけるこれまでの国旗・国歌の指導に関する取り扱いを変えるものではない」「起立する自由もあれば、起立しない自由もある」としていたはずだ。
 そこで、われわれは七月二日、処分撤回を求めて人事委員会に不服申し立てを行った。人事委員会が処分を撤回すればよいが、われわれに不利益な結果をもたらすようであれば、われわれは徹底して闘う決意である。
 
韓国教組と連携

 また、われわれは韓国の大邱教組の連携をはじめたが、歴史認識の共有をかち取ろうということだ。つまり、正しい歴史認識を共有し、その歴史認識に沿って両国の組織が子供たちに正しい歴史教育を行うことが重要であると感じている。
 両組織で研究機関を立ち上げ、研究を積み重ねながら、副読本などをつくりあげていく。当面でいえば、広島教組では中学一年生と高校一年生を対象にしたアンケート調査を行う。そして、子供たちがどういう認識をもっているのかを調査し、研究を重ね共通の副読本などを実現していきたい。

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