20010715

韓国 民主労総がゼネストへ

雇用破壊、弾圧に反対


 韓国では、国際通貨基金(IMF)の支配により、企業の売却や公営企業の売却・民営化などの攻撃がかけられている。さらに、正規雇用から非正規雇用に多くの労働者が移動させられ、多大な犠牲が押しつけられている。そうした中、韓国民主労働組合総連盟(民主労総)や韓国労働組合総連盟(韓国労総)は、抵抗を強めている。しかし金大中政権は、こうした運動に対し暴力的な弾圧を加えている。六月には民主労総の幹部や活動家四十七人を拘束しており、今年に入ってからは百三十七人が拘束されている。さらに数十人に逮捕状が出されている。民主労総は、この弾圧に対してゼネストを対置し、果敢に闘っている。

 民主労総(段炳浩委員長)は、委員長をはじめとする指導部検挙令をとき、金大中大統領と民主労総委員長の会談を通し、強硬弾圧とゼネストを回避するよう六月二十七日、政府に提案した。
 だが、政府はまだこれに対して誠意ある回答をせず、対話はするが検挙令は撤回できないという態度を取っている。
 今日の事態は、政府が史上類例ない民主労総に対する暴力弾圧を始めたことから起こっている。民主労総は、(1)民主労総弾圧中断、(2)整理解雇中心の構造調整の中断、(3)非正規職週五日勤務などの民生改革法案の国会通過などを要求している。
 そして、民主労総はソウルで七月五日、ゼネスト勝利決起大会を一万人以上の参加で開いた。ホヨング副委員長は「金大中政府はノーベル平和賞を受け、五十年ぶりに政権交替をした政府で、『自分が労働者のために熱心に働いているのに労働者がどうしてこんなことをするのか』と話しながら、労働者たちを弾圧している」と語った。
 また、「いまの状況では十余年前の労働運動弾圧に対抗して闘った歴史に戻らざるを得ない」と力説した。あわせて「現在の政権が権力老衰期に権力安定化のために労働者たちを犠牲の羊にしているが、民主労総はより強い闘争で民主労働運動に対する弾圧をはねのけ、百万の強固な組織に進むだろうし、マスコミと政権がこんにちの闘争を民主労総闘争の終わりだと考えるのであれば、大きな誤算であることを明確に知るべきだ」とあいさつした。
 全国農民会総連盟のチョングァンフン議長は連帯あいさつで「このような集会で段炳浩委員長が見えないのは初めてだ」と、労組弾圧を批判した。そして、「労働者と農民が熱心に闘争して幸福な労働者、農民になって、素敵な世の中を生きよう」と語った。
 その後、キリスト教会・明洞聖堂に立てこもる段炳浩委員長からの電話を聞いた。
 段委員長は、「たとえ明洞聖堂から出られないとしても、外にいる労働者と最後まで力強く闘って民主労組を死守し、金大中政権が下半期に計画している新自由主義構造調整と労働力流動化の一環として進行させている労働法改悪を阻止するための闘争を進め、必ず私たち労働者の力で、私たちの要求を貫徹させよう」「これからも七月十三日の代議員大会と二十二日の十万人組合員の上京闘争を通して元気良く闘っていこう」と語った。
 民主労総は、政府が弾圧をやめなければ、十万人上京闘争に続き、二十八日は市郡区別全国労働者総決起の日とし、金大中退陣要求闘争に取り組むとしている。米国とIMF支配による労働者への犠牲の押しつけに反対し、さらに闘いを強化しようとしている。

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