20010715

資料 小泉改革は弱者切り捨て

服部JAM会長が表明


 小泉内閣の支持率の高さは、まさに異常とも言える高さであり、この支持率の高さは生活の不安、雇用不安、将来への不安がまん延する今日的な状況に対する国民の怒りであり、かつ、この社会を覆う閉塞(へいそく)感を打破しなければならないとする国民の思いが、「変革」を旗印にした小泉政権に対する期待へとつながったと言える。
 しかしながら、「聖域なき構造改革」を大胆にうたった小泉内閣も、所信表明演説や予算委員会の答弁の内容を聞いていると、その内容は極めて抽象的なものであり、精神論に終始しており、改革を叫びつつもその具体性が何ら示されていない。そこでしきりに口にしている言葉は、改革に「痛み」を伴うことの示唆(しさ)の連発である。このことは参議院選挙の終了まで改革の中身を明らかにすることなく、この間に国民に「痛み」を許容できる体質をつくり上げるための、ムードづくりの期間としてとらえているように見えてならない。
 したがって、参院選の終了後において、「聖域なき構造改革」といわれるその改革案なるものの論議展開がなされてくるものと思われる。その内容は弱者をさらに切り捨てる内容のものになることは容易に推測できることであり、その時点で、小泉内閣への期待は水泡に帰し、熱狂的な支持率はいっきょにちょう落の一途をたどると思う。
 いま申し上げたような経過が予測できるとするならば、参院選に向けて民主党を中心とする野党は、徹底した政策論争を自民党にぶつけ、国民の真意を問う本質的な闘いが求められていると言える。
 しかしながら、国会中継などの民主党の議員の言動を見ていると、小泉氏の発言に野党でありながら拍手を送ったり、田中外相の答弁にゴマをするなどの発言は、慎しんでもらわなくてはならない。

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