20010705

教育改革3法案廃止めざし
北海道、広島県教組など
教育統制強化に反対

猛暑の中国会前座り込み


 「教育改革関連三法案」が六月二十九日、参議院で可決、成立した。与党三党はもちろん、民主党も法案に賛成した。「教育改革」と称し、財界のためのエリートづくりともの言わぬ教師づくりを進めようとしているが、この動きは、国旗・国歌法制定から改憲へとつながる動きの中の一つである。日教組は、「教育改革関連三法案」の廃案をめざし六月二十五日、全国統一の職場集会を開催した。そうした中、北海道教組は各支部、支会、分会で取り組みを進めてきたが、二十五日から四日間、国会への要請行動とあわせて国会前座り込み行動を行った。北海道教組の座り込み闘争は、大衆行動で要求を実現しようとするものであり、いまの労働運動の中で非常に重要な意義がある。座り込みに参加した北海道教組、広島県教組、石川県高教組の各役員に聞いた。

北海道教組
院外闘争で国民にアピール
住友 肇 書記長

 今回の「教育改革関連三法案」は、教育の内容の統制と教員管理のためのものである。いろいろなことが政府側から言われているが、法案そのものに何もよいものがない。また、教育改革と称しているが、実際に改革につながるものではない。
 では、三法案を強行することで何を狙って、何が変わるのかといえば、管理教育の強化、教育内容の統制と教員管理だけだ。これでは、子供が解放されることもなければ、子供の学習権が保証されることもないだろう。内容統制、エリート、学校に従順な子供づくりでしかない。そして、そのための従順な教師づくりだ。だから、われわれは部分的な修正ではなく、廃案を求めている。
 日教組は、廃案を主張していたが、最終的には政治の力関係から民主党の修正案に賛成する形で妥協してしまった。民主党が参議院では徹底して反対しなければ、納得できない。北海道での参議院選挙にも大きな影響が及ぶことにもなるだろう。
 この問題は、院外で教組が中心になって反対運動を強化し、国民に法案には問題があることをアピールしなくてはならない。また、こうした行動が院内への激励にもなると位置づけている。
 北海道だけで反対する運動にはしたくない。全国どこでも子供たちがいるわけで、全国で反対してもらいたい。ちょうど、いまは教科書の採択の時期にも重なる。「つくる会」教科書の採択に反対する運動があるが、そうした運動とも連携しているし、われわれの座り込み運動は、採択反対運動にも連動してよい影響を与えると思う。
 やはり運動は別個ではなく、常に連動しており、その連携を強め、拡大することが重要だ。廃案めざして、全力でがんばりたい。


広島県教組
何としても廃案に
山根 基嗣 書記長

 今回は北海道の呼びかけにこたえて参加した。広島県教組、高教組としては、教育改革関連三法案は大きな問題だと思っている。それは、国家統制につながるものであり、国家統制による教育改革だ。だから広島では反対の署名運動などを行っている。
 衆議院を通過して、参議院の山場だが、何としても廃案に追い込みたく、こうした座り込みに参加している。これは北海道とも思いは同じだ。もちろん、日教組も国会傍聴活動などを行っており、思いは同じだと思う。


石川県高教組
教育基本法の解釈改悪だ
京田 淳 副委員長

 三法案は、教育基本法や憲法改悪の動きがある中で出されたものだが、憲法については、実際には解釈改憲ということですでに変質させられている。三法案は、教育基本法を実質上、解釈改悪しようとするものだ。
 それは、エリートと非エリートを選別する。徴兵制につながる可能性が非常に高い社会奉仕活動の強制がある。これは、教育改革国民会議の委員の発言でも強く感じている。そして、エリート教育、社会奉仕活動をしない教師を不適切とすることだ。現在でも分限や懲戒免職はあるが、もっと具体的に校長に従わない教師を不適切と判断し、排除できるようにしようとする大変恐ろしいものだ。
 これが強行されれば、例え反対していても職場から排除されるのを恐れ、もの言わぬ教師となり、かつてのように戦場に子供たちを送り込む教師にならざるを得ないことにもなる。
 このような法案だから、黙ってはいられない。すぐに全国的な声にならないかもしれないが、現場の教師が声を上げていきたいと参加した。

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