20010325

広島、三重、東京に続く組合つぶしをうち破ろう
北海道教組

敢然とストライキに決起


 北海道教職員組合は三月二十一日、道教育委員会が北教組と七一年(昭和四六年)に締結した四六協定を一方的に破棄したことに抗議してストライキを闘った。協定は勤務時間、休暇などに関するものが主であるが、自民党や道教委の狙いは、「学校管理規則などの改正は、組合との交渉で行う」という第一二条の削除である。これによって校長の権限を強化し、「日の丸・君が代」問題を含めて職務命令を出しやすくし、学校の強権的管理を図ろうとしている。これは、広島での「日の丸・君が代」攻撃、三重、東京での組合活動による給与返還請求などと軌を一にした組織破壊攻撃である。政府支配層は、軍事大国化の道を進める上で、障害となる労組つぶしを狙っている。こうした策動に反対する北教組、三重教組などの断固たる闘いは重要である。北海道教職員組合の住友肇書記長に聞いた。

組合つぶしの協定破棄
北海道教職員組合  住友 肇書記長

 今回の協定破棄は、自民党がかなり前から準備をしてきたものだ。産経新聞を使い反北教組キャンペーンを行った。そして、参議院の文教科学委員会で、協定は違反だというやらせの質問で当時の大島文相から「違法性があるので、ただちに指導する」との答弁を引き出した。
 それらをもって、北海道議会の自民党が「文相が違法性が高いと言っている」と教育委員会に迫った。そして道教育長は昨年十一月二十九日、破棄の措置を講じるなどと答弁した。
 そして二月十四日の衆議院予算委員会では、町村文相が「早急に全面破棄されるよう指導する」と答弁した。
 これを受けて、道教委は二月二十六日に一方的に協定を破棄すると通告してきた。
 このように国のレベルで方向を出し、道議会で同じ答弁を引き出し、北教組攻撃を行った。これは、広島での「日の丸・君が代」での攻撃、三重や東京での勤務時間中の組合活動は無償だから、賃金を返還しろという攻撃と同じだ。政府・支配層による日教組つぶしの攻撃である。
 協定破棄の狙いは、北教組を弱体化させ、教職員や組合員が勤務条件、教育内容・制度に対して、自由にものをいえる体制をつぶすことである。そして学校現場を文部科学省―教育委員会―道教委―地教委―校長というタテの管理体制でいっそう強化することである。
 これは、教育の地方分権・自治、教育の自由を真っ向から否定するものであり、「管理あって教育なし」の学校にしようとするもので断じて認められない。
 また、この攻撃はわれわれ教職員にだけ向けられたものではない。教育というすべての子供にかかわることであり、親である労働者全体にかけられた攻撃でもある。そこで、われわれは連合北海道や民主団体などと連携をはかり、協定破棄に反対する運動を行ってきた。
 こうしたわれわれの運動に対し、道教委は交渉を継続するなどといいながら、交渉期限を一方的に三月二十日に決めるなど、とうていまともに交渉しなかった。交渉義務を放棄し、事実上の不当な破棄通告であった。そこでわれわれはストライキで、組織をあげて闘った。
 今後の闘いだが、まず組合員にこの間の経過や交渉内容などをきちんと伝え、われわれの側に道理があることを確認していく。そしてこれまで通り協定があった状態で対応していく。
 また、連合北海道などの労働組合や民主教育を進める諸団体などとの連携を強めていく。これまでも団体署名、宣伝活動、集会などを行ってきたが、今後も連携を強めながら、道民の皆さんに訴えていきたい。
 今回のストで、子供が置き去りにされたという声もある。そこで保護者、道民にもできるだけ今回の問題をアピールしていく。そして、協定に基づく協力・協働体制を基礎にした学校づくり・教育実践を進め、道民とともに平和で民主的な教育の確立をめざしていく。


私鉄中小がストライキに決起

 私鉄総連の中小私鉄九労組は三月二十三日、春闘交渉が決裂しストライキに突入した。ストライキに参加したのは、長野電鉄(長野県)、水島臨海鉄道(岡山県)、中国バス(広島県)などである。とりわけ、バス会社では分社化によって、賃金の大幅削減などの攻撃が強まっており、闘いの強化が求められている。