20010215

三重県教組

臨時大会で給与返還拒否を決定

組合破壊の県教委と対決へ

三重県教組 中村 武志書記次長に聞く


 三重県教育委員会は昨年十月、勤務時間内の組合活動に関する給与の返還を不当にも求める方針を決定した。これに対し、三重県教職員組合(三教組・鈴木逸郎委員長)は二月四日、臨時大会を開催し、県教育委員会から勤務時間中の給与返還請求に応じないことを決定した。この闘いは、労組の弱体化を狙った行革・公務員制度改革攻撃への反撃の大きな一歩である。この問題について三重県教職員組合の中村武志書記次長に聞いた。また、板倉重永・労働党三重県委員長は二月七日、この問題で談話を発表した(関連記事)

団結こそ最大の武器

 三教組の運動に対し、国家主義的考えの団体、個人からさまざまな攻撃を受けていた。それは、教育内容、勤務評定に対するわれわれの闘いなどについてであり、今回の勤務時間中の組合活動もそうである。それと呼応するように一部の県議から「勤務評定がきちんと行われていない」「勤務時間中に組合活動をしているではないか」などと県議会で取りざたされた。それについて、県教育委員会がことの本質をきちんと説明も対応もせず、給与返還請求をしてきた。
 勤務時間中の組合活動については、右翼的勢力と対峙・対決するために県民に広く説明しなくてはならないが、なかなか理解がされにくい問題については整理したほうが闘いやすいので、いったん凍結した。
 その後に是正通知が出た。ないものについて通知が出るという不思議なことになった。その後、九九年十二月に勤務実態調査が行われた。校長が教職員一人ひとりの勤務時間中の組合活動を調査したものだが、給与返還請求を目的としたものではなかった。その後、県教委が給与返還請求の資料にした。県教委は、勤務時間中の組合活動の経過も内容も事実を知っているにもかかわらず、一人ひとりに地方公務員法に違反するから給与返還請求をしようとしている。
 三教組としては、まず勤務時間中の組合活動については学校長の承認を得て活動してきたので、慣行以上のものである。実際に校長から「ごくろうさん」「がんばってきてくれ」などの激励を受けてきた。また、校長からだめだという制止もない。承認されていたものであり、したがって地公法に違反するという事実はない。
 教組活動は労働組合活動の面と研究研修団体の側面がある。勤務時間中の活動については、ほとんどが研究研修活動である。中には、県教委の依頼によるものもあった。これを地公法違反といわれても納得いかない。
 だから、臨時大会では請求が来ても支払わないということを満場一致で決議した。
 大会で、現場の組合員からは、具体的な状況を報告し、団結して闘おう。給与返還には応じないという発言が相ついだ。われわれの主張が正しく、団結して闘おうということで成功した。
 具体的な闘いだが、団結しか武器がないし、この団結が力を発揮する。だから、学習・討議を深めながら、さらに結集を強めていく。また、情報宣伝活動については、各種団体などには具体例を織りまぜながら実情を報告しており、多くの人びとに訴えていきたい。また、われわれの返還拒否に対し、けしからんという声がうねりのようにあるわけではない。もちろん、一部の国家主義的グループはそう宣伝しているが、われわれの訴えがしだいに県民の理解を得ていると感じている。
 三重県での学校教育、三教組運動をさらに発展させるため、不当な給与返還請求に応じず、県教育委員会の姿勢をただすために、三教組の団結と総力をあげて闘っていく。