20001215


全国一般 組合員だけを解雇
労組を結成、闘い続ける

不当解雇は絶対許さない


 山形自動車学校で七月二十五日、山形市内の茂木学園との業務提携の解消を機に解雇攻撃が行われた。職場には労組がなかったが、解雇問題を機に労働組合が結成され、連合山形の支援のもと、解雇撤回をめざし、現在も闘い続けている。全国一般・山形自動車学校労組(二十一人)の柏木実委員長に聞いた。


 山形自動車学校は北海道の幕別自動車学校が経営していた。もともと職場には組合がなかった。ところが九月末をもって、会社側が茂木学園との提携を解消するという話が流れてきた。そして七月二十四日に幕別自動車学校の社長が山形に来て、五人を呼び出し、「業績不振だから解雇する。明日までに退職届を出せ」と自己都合で辞めさせようとした。
 すでに撤退のうわさがあったので、われわれは十数人で相談していた。そこで指名解雇が出たので、労働組合を結成しようとなった。指名解雇の後、すぐに「れんごう山形ユニオン」に相談に行った。指名解雇の五人がユニオンに加盟し、連合山形が交渉に入り、退職を希望した二人を除く三人が現職復帰した。
 これを契機にして八月十二日、二十一人で労働組合を結成した。そして組合結成書と要求書を出した。ところが会社側はこれを認めようとせず、再三にわたって申し入れても応じないので、地方労働委員会に団体交渉に応じるようあっせんを申し立てた。
 あっせんが整い団体交渉が行われるようになった。最初の交渉は九月十八日だったが、会社側は八月二十九日付けの通知書を全員に送っていた。その通知には、解雇という言葉はなく、九月三十日をもって山形自動車学校の職場の提供は不可能になった、というものであり、希望すれば北海道の職場をあっせんするともあった。そこで、団交で解雇通知かと質問したが、解雇通知ではない、単なる通知だと回答してきた。
 二回目の団交は九月二十一日に開かれたが、会社側は「職場の提供は不可能になった。実は通知書は、解雇通知であり一カ月前に通知したので、解雇予告手当も出さない。自己都合退職にしてくれ」と言ってきた。
 われわれは職場提供できないなら、きちんと清算してくれと要求した。それは、退職金、解雇予告手当、支払われなかった業務推進手当、夏季一時金などで総額三千万円を要求した。
 九月二十七日の三回目の団交で、会社側は冒頭から「解雇するつもりはない。継続雇用する」と言い出した。われわれもあっ気にとられた。そして会社側は「継続雇用希望者は十月二日に山形大学前の案内所に集合しろ」と言った。だが、業務内容など具体的な話はなく、当日に説明するの一点張りで終わった。
 われわれは十月二日に山形大前に集まった。しかし、仕事がないので自宅待機ということだけで終わった。十月五日の朝礼後、明日も休みにすると言われた。そして七日に十月十日付けで解雇通知書が組合員九人だけに届いた。
 この解雇は、幕別自動車学校が業務不振で人減らしを始めた。また、茂木学園と一億二千万円で和解したが、和解条項の中に、幕別側が採用した職員は責任をもって処理する、という項目が入っているらしい。それに沿って、労働者を解雇してきた。そして幕別自動車学校は九月末で、経営から撤退した。
 団交でこうした会社側を追及しても、業績不振の原因も明らかにしないし、謝罪もしない。これに対するわれわれの怒りは大きい。
 仮処分の申し立てを行い、八人で裁判闘争に入った。十月十四日に第一回の審査尋問があった。すると会社側は、一月分の基本給で和解したいと申し立てた。こちらは「そんなものでは受け入れられない」と言うと、それなら二カ月分でと金銭和解を打ち出し、再雇用については一切考えないと主張している。
 われわれは十二月二十二日に第二回目があるので、解雇が不当だということを主張していく。当然ながら、二カ月の基本給で和解など応じられない。折り合いがつかないなら、本裁判で争っていく。
 すでに十月十二日から山形大前の案内所に赤旗を立てて抗議行動を続けている。そして一刻も早く、賃金の仮払いと地位保全をかち取りたい。また、経営者が代わって山形自動車学校に採用された仲間もいる。そこでは、新たな経営者に対する運動はやっていないが、解雇された者と連携しながら闘争を進めたい。
 連合山形にも激励行動、カンパなどに取り組んでいただいている。毎日にように各組合から激励文が届いている。

犠牲を許さず闘い抜く
全国一般自動車教習所協議会・高原 壮夫事務局長

 自動車教習所は、少子化による教習生の減少がある。そのため経営者は、過当競争を激化させ、ダンピングを行っている。その一切のしわ寄せを労働者に転嫁している。教習所の争議は、北海道から九州までで闘っている。
 その根本には、規制緩和があり、教習所のカリキュラムもずいぶん変えられた。われわれは、労働者への犠牲と規制緩和に反対し、闘ってきた。
 闘いを地域に広げ、労働運動を再生させなくてはならないとの思いで闘っている。そのために協議会として全国的に闘おうと決定している。


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