20001115


韓国 2大労組がゼネストなど

大リストラに労組が反撃


 韓国では最近、政府が大規模な経済構造の改革、リストラなどを打ち出し、アジア危機以来の人員削減に一段と拍車をかけようとしている。そうした中、全国民主労働組合総連盟(民主労総)と韓国労働組合総連盟(韓国労総)は相ついで、リストラ抗議の闘いを強めている。


 韓国の政府と銀行は十一月三日、再生の見込みのない二十九社に清算や会社更生法を適用させる。また、二十社を売却するなどし、合計五十二社を強制整理すると発表した。この五十二社に働く労働者は九万三百九十二人であり、政府見通しでも五万人が失業するという。
 韓国政府は、これまで国家予算を上回る延べ百兆ウオン(約十兆円)の公的資金を銀行に投入したが、潜在的な不良債権に対する懸念から銀行に対する信用力は回復していない。金大中大統領は「年内に金融改革と企業改革をやり遂げる」としており、強制的に企業整理と銀行の再編を行おうとしている。
 また、政府による公共事業の構造改革も推進しており、国家機関の民営化や海外への売却など大規模な行革も進めている。
 これに対し、民主労総傘下の全国建設産業連盟は十一月七日、政府が強制整理すると発表したことに抗議し、ソウルの金融監督院前で集会を開催した。
 集会参加者は、建設会社十一社の強制整理によって六千六百以上の下請け会社が倒産し、十八万人が失業する、と訴えた。そして、政府は失業者の生存権を保障せよと要求した。
 清算が決まったサムスン商用車では、今回の決定に約九百人の労働者が工場内にバリケードを築き、抗議集会を行った。さらに大宇自動車では、海外売却、合理化のために三千五百人の整理解雇を行おうとしたが、労働組合は徹底して反対している。
 また、民主労総の公共連盟と韓国労総の公共部門労組協議会は八日、ソウルで四万人が参加して「国家機関の民営化阻止、画一的な構造調整阻止、労政交渉戦取のための公共部門労働者総力闘争決意大会」を開催した。
 集会では、政府の構造調整を一方的なものと批判し、公共事業の民営化および海外売却の撤回、官治経営の撤回、一方的、画一的な構造調整の中断、労政交渉の受容などを求めた。
 こうした状況の中、民主労総は十二日、ソウルで三万人が労働者全国大会を開催し、強制清算される東亜、友邦、信和など建設七社で二十九日から無期限ストライキに突入すると発表した。
 韓国労総も十一月七日、全国十六都市で、政府のリストラ攻撃への抗議活動を行った。また、十日に京畿道果川で決起集会を開催したが、十九日にはソウルで五万人が参加する全国労働者大会を開催する。そして十二月八日にはゼネストを行うとしている。


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