20001025


小樽に米空母入港
連合など2000人が抗議行動

新ガイドラインに反対する

北海道教職員組合 住友肇書記長に聞く


 十月に入り新ガイドライン、周辺事態法に基づき、官民を問わず米軍への戦争協力を既成事実化する危険な動きが急である。米巡洋艦が十月六日、大阪港に入港し、十五日にも博多港に入港した。さらに空母キティホークが十三日に小樽港に入港するなど、米艦船の民間港寄港が相ついでいる。小樽では、連合小樽など二千人が参加した「米空母『キティホーク』の小樽入港反対・全道集会」が闘われた。労組がこの時期、新ガイドライン、安保条約に反対して闘うのは、きわめて重要である。闘いの中心となった北海道教職員組合の住友肇書記長に聞いた。


 米空母キティホークの小樽入港は、新ガイドライン・周辺事態法成立後初めてである。民間港に米艦がいつでも入れる状態をなし崩し的につくろうとしている。そして、自治体職員を協力させていく。事実、小樽港には市の職員が働いており、動員されている。日常的に民間港を使用する足場をつくっていると思う。
 さらに、われわれの意識も変えようとしている。つまり、軍艦が入るのが当たり前、反対するのはおかしい、こうした意識「変革」を進めるために、繰り返し入港しているのではないか。われわれはそうした狙いがあると思っている。
 また、入港すれば兵隊が外へ出る。艦の中で異常な生活を強いられており、外へ出た時に、不祥事を起こす可能性もある。沖縄での少女レイプ事件などはその典型であり、われわれはそうした点も不安である。
 だから、われわれは入港を容認できない。もちろん、基本は戦争に加担することに反対することだ。だが、政府は、米国の戦略に組み込まれ、あるいは積極的に組み込んでいって、周辺事態に加担しようとしている。
 北教組は日教組の一員として、「教え子を再び戦場に送るな」をスロガーンに活動している。これは、戦前、戦中、子供たちを「お国のために」「天皇のために」と、戦場に送ってきたからだ。その反省から「教え子を再び戦場に送るな」のスローガンを守りながら活動してる組合なので、小樽に米艦が入るなど到底容認できない。容認すれば、教え子を再び戦場に送ることになる。
 とりわけ北海道では、矢臼別に実弾演習が移転されたり、今回の小樽入港などしわ寄せがされている。もちろん、沖縄はいまでもすさまじい被害を受けているが。北と南がターゲットになっている。核問題でも幌延がある。
 もちろん、米軍の戦略から見れば、ロシアと朝鮮半島をにらむ北海道に拠点をつくろうとしているのだろうが。
 われわれは、日米安保条約そのものに反対しているので、安保再定義、関連した新ガイドライン、周辺事態法などに一体のものとして反対していく。北海道では、平和、民主主義、民主教育は北教組の使命であるので、率先して闘っていく決意だ。
 そのためには、矢臼別での実弾演習反対闘争では、連合と北海道農民連盟が共同して闘ったように、幅広い連携で闘うことが重要だと思う。また、広く道民にアピールすることも大事で、道民世論を巻き起こすように努力したい。


小樽集会宣言(要旨)

 今、われわれの目の前に米第七艦隊空母「キティホーク」入港した。
 三年前、空母「インディペンデンス」がわれわれの反対を押し切るかたちで平和な小樽の港に入港し、商業港である小樽港の荷役・旅客などの経済活動に大きな支障を発生させ、新ガイドラインにいう有事の際の民間港湾施設の軍事利用に先鞭(せんべん)を付けてしまった。
 そして、米空母の入港は、わが国の国是として定着している「非核三原則」に照らして、核兵器廃絶平和都市宣言を行っている小樽市民の意思にも反することから、非核の証明なしにはとうてい受け入れられないものである。
 朝鮮半島における緊張緩和が想像以上に早いテンポで進んでいるこの時代に、小樽港はそれにふさわしい発展をとげねばならず、外国軍艦の入港はそれを阻害する。
 われわれは、集会参加の仲間とともに北海道と世界の平和、軍縮をめざす立場から、入港に抗議し、小樽港の軍港化に反対する闘いを粘り強く展開する。


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