20001015


国鉄闘争勝利

闘争団激励集会開かれる


 国鉄労働組合は、千四十七人の採用差別事件の解決に向け、社民党と与党三党による「四党合意」とその前提となる「JRに法的責任なし」を認めるかどうかで紛糾し、討議を続けてきた。七月の臨時大会は流会し、八月の続開大会は、「四党合意」の賛否をめぐり組合員の一票投票を実施することを決定した。一票投票の結果は、賛成五五%、反対三六%であった。今後の方針は十月二十八〜二十九日の大会によって決定されるが、政府による分割・民営化と国家的不当労働行為は地方・中央労働委員会でも確認されているばかりか、国際労働機構(ILO)も政府とJRに解決を迫っている。勝利に向け、さらに十分な議論と国労二万三千六百余人の団結を再構築することが求められている。こうした中、十月十日に全労協は「国労の『統一と団結』で闘争団の納得のいく解決を! 国鉄闘争勝利! 闘争団激励集会」を開催した。


 集会では、最初に日本労働弁護団の徳住堅治氏が「企業分割法制と国鉄分割民営化」と題した講演を行った。
 氏は「最近の企業再編の特徴は、営業譲渡による会社分割である。例えば私鉄のバスでは、営業譲渡、分割が行われ、異動先では賃金を半分にするなどの事例が出ている。こうした流れは、国鉄分割・民営化によって先べんがつけられた。これは、もともと九三年の『平岩レポート』で、企業の分割・譲渡などを簡便に行えるように主張している。それが財界の要求だ。九九年には商法改悪によって、自由に会社分割が行えるようになった。こうした分社化に際し、労働者の雇用と権利の保護を求め、労働契約継承法ができたが、極めて不十分である」と指摘した。
 最後に氏は「こうした現状を見れば、国鉄の分割・民営化と国労つぶしはこれらの企業法制を実現するためのものである。だから、国鉄闘争は国家的不当労働行為を許さない闘いであるが、こうした点からも意義がある。だからこそ、団結と統一で最後まで闘い抜いていただきたい」とまとめた。
 主催者である全労協の藤崎議長は「全労協は、結成以来、国労支援・連帯闘争を重要課題としてきた。今後とも国労支援を闘うが、国労の『統一と団結』の強化、闘争団の納得のいく解決のために、ともに闘う」とあいさつした。
 国労本部の高橋委員長は「臨時大会を開催したが、その混乱の責任は国労中央執行委員会にある。われわれは行革、国鉄分割・民営化の攻撃に闘ってきた。その先頭で闘ってきたのは組合員であり、犠牲にされたのも組合員である。闘争団と十分な話し合いが不足したのも事実である。私は国労の団結と闘いを再構築するために、国労組合員と意思疎通を十分にはかるように努力したい。また、全国の支援に対しても、闘いの中で信頼関係を再構築するようにがんばりたい。とりわけ闘争団の要求に基づいて闘いを前進させることが、こんにちの混迷を打開する道である」と決意を述べた。
 国鉄闘争支援中央共闘、都労連、オリジン電気労組などが連帯あいさつを行った。
 決意表明が熊本闘争団、旭川闘争団と音威子府家族会から行われた。
 熊本闘争団は「一票投票について、熊本、宮崎、鹿児島では反対が高い数字になっている。だから、一票投票が本当に組合員の意思が反映しているか疑問だ。また、賛成五五%が本部への信任ならあまりにも低い数字だ。この一年のゴタゴタからいえるのは、あまりにも物取り闘争になっているでのはないか。闘争団の要求は、不当労働行為と不当解雇に対し、職場復帰とその間の補償をせよという、当たり前の要求だ。この当たり前の要求が国労本部の中に座っていないのではないか」と訴えた。


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