20000625


連合・長崎

首相の原爆慰霊式典参加拒否


 森首相は、「神の国」発言など国民主権と平和を冒涜(ぼうとく)し続けている。これに対し、被爆地・長崎の連合から平和祈念式典への参加拒否を要求している。労組がこうした問題で発言することは重要である。


6月19日
日本労働組合総連合会長崎県連合会
会長  川野 浩一

1、貴職は総理大臣就任以来、教育勅語の復活や「日本は天皇中心の神の国」「日本の国体を護る」等々、憲法で定められた国民主権、信教の自由、教育の民主化を否定する発言を繰り返し、これを撤回、反省するどころか「日本の悠久の歴史と伝統文化という意味」と称して正当化している。
2、「神国日本」「国体護持」という思想は、「天皇ハ神聖ニシテ侵スベカラズ」という大日本帝国憲法の精神そのものであり、これが近隣諸国民に対する差別と抑圧、台湾や朝鮮半島の植民地化、さらには中国をはじめとするアジア・太平洋諸国への侵略戦争をもたらし、日本のなかでも人権抑圧をもたらしてきたことは周知の事実である。
3、敗戦濃厚となった1945年に至っても、当時の政府が「天皇制」思想を中心とする「国体護持」にこだわり続けたために戦争終結の時期を逸し、結果として東京大空襲(同年3月)、沖縄での地上戦(同年4月〜6月)、広島・長崎への原爆投下(同年8月)などにつながり、多くの民間人が犠牲となり、被爆者は今もなお原爆後遺症で苦しめられている。
4、例年8月9日に長崎市が主催している「原爆犠牲者慰霊平和祈念式典」は、犠牲者を追悼し、再び戦争をおこさず、原爆投下の惨禍(さんか)を繰り返させないことを誓う場である。そこに、このような戦前の思想を公然と主張してはばからない政治家が、しかも政府の代表する総理大臣として出席することは、被爆地・長崎として断じて許すことはできない。
5、したがって、私たちは、政府代表として貴職が出席することを拒否することを明らかにするとともに、貴職が出席しないようここに申し入れるものである。


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