20000325


岩手第1自校支部(全国一般) 労基法無視に3年間闘う

闘いは有利に展開


 九七年から変形労働時間制の導入反対などを闘ってきた全国一般・岩手中小一般労働組合第一自校支部は二月二十七日、会社の週四十時間制を無視した暴挙にストライキで闘った。また、連合岩手第一自校闘争対策本部は、第一自校のストライキを支援するため、岩手県水沢市で約二百人の組合員が参加して総決起集会を開催しデモ行進を行った。労働者の権利を守るために奮闘する第一自校支部の闘いは重要な闘いである。


 第一自動車学校の経営者は、九七年の週四十時間労働制の実施に伴い、時間単価を下げなければ時短に伴う賃下げも可能、という政府通達を悪用しながら、賃金カットを行ってきた。
 当時、第一自校では、業務が春休みに集中することなどから一年の変形労働制だった。ところが会社は、労資協議もせず、就業規則の変更届を出さないまま、一方的に一カ月の変形労働制を強行してきた。
 当時、連合や全国一般は週四十時間制の完全実施を求めるキャンペーンや点検告発活動を行っていた。全国の二十九カ所で告発を行い、週四十時間の完全実施を求めた。だが、唯一第一自校だけが応ぜず、裁判にまでなった。
 そこで、全国一般、連合岩手、連合中央を含む闘争体制を組み一カ月の変形労働制と賃金カットの撤回を求めて闘いが始まった。
    ◇    ◇
 現在、労基法を守らない風潮がまん延しているだけでなく、企業は労基法を「最大基準」としている。だが、労基法は最低基準であり、労資協議によって労働条件を決定することは当然である。労働組合のある第一自校で守れなかったら、労働組合のない所ではますます劣悪な労働条件になってしまう。第一自校支部はそうした観点から、闘いを進めている。
 会社は、一カ月の変形労働時間制の導入によって勤務時間を、七時間十分から八時間十分や九時間十分に変更した。だが、組合は会社が就業規則の変更届を先にしていないので、違法だと従わなかった。すると、会社は賃金と皆勤手当をカットしてきた。
 組合は、就業規則の問題で労働基準監督署に告発し、監督署も会社に指導を行ったが、会社側はそれにも従わなかった。
 ところが、会社は昨年九月に就業規則の変更届を出し、一カ月の変形労働制を強制した。第一自校支部は、教習時間の実態とも合わないし、サービス残業さえ出てしまうと反対した。組合としては、労資協議による労働条件の決定を求めてきたが、会社は組合の要求を無視したため、裁判に訴えた。
 裁判では、一カ月の変形労働制の就業規則は無効、賃金カットは不当という主張で争っている。
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 会社は新規採用はすべて、契約社員で行っているが、労組に入らせないために最近は一年契約から十カ月契約に変更してきた。だが、契約社員も会社の雇用政策に不安を感じて組合に参加し、いっしょに闘う人も出てきている。
 すでに会社は裁判で、賃金カットについては和解勧告に従い、カット分の支払いを認めている。さらに、会社側は変形労働制の合理的根拠を立証できず、裁判闘争は労組に有利に進んでいる。
 第一自校の闘いは、不当な攻撃に対し粘り強く闘うことが重要であることを示す重要な闘争である。


賃金カットは勝利、さらに闘おう
全国一般・岩手中小一般労組 高橋 久順書記長

 労基法を無視した賃金カットが発端になった裁判だが、会社は三月二十二日に裁判所の和解勧告に応じて、カットした賃金未払分を来月二十八日に払うといってきた。これは、われわれの勝利の第一歩だ。
 だが、問題は組合との協議を無視し、労働者の不利益となる一カ月の変形労働制を就業規則で強行したことだ。経営者の考え方で何でもやれるのなら、労資関係は成り立たない。
 また、未組織では、労基法違反の中で働いている人びともいる。だから、われわれが勝利をかち取らないと悪影響を及ぼすだろう。その点でも絶対に負けられない。
 連合としても、組合員の声を無視する会社は許せないと、本部や連合岩手などで闘争対策本部つくって闘っている。
 会社は裁判で、変形労働制導入の合理的な立証ができない。われわれに有利な方向に進んでいる。
 先日、報告集会を行ったところ、組合員からはもっと集会をやるべきだとの声もあがている。支部の闘いを支えながら、闘争対策本部と相談し、裁判のようすなどをみながら、報告集会や抗議集会などを行っていきたい。


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