20000315


2000年春闘 要求獲得へねばり強く闘おう

連合が各地で総決起
東京 生活・雇用危機突破で4万8千人


 春闘は、ヤマ場を越えたが、中小・地方ではこれから四月にかけてが春闘本番である。三月四日の連合中央総決起集会に四万八千人、五日の大阪での決起集会に一万人が参加したのをはじめ、各種の集会などへの参加者は多い。組合員は、これ以上の生活破壊にガマンできず、賃上げという切実な要求をかち取るために闘う意欲が強まっている。また、日鋼室蘭労組は二月二十八日、合理化提案に全日ストで闘い、一定の歯止めをかけた。マツダ労組は、年間一時金の満額獲得に向けスト権確立をめざしている。労働者の武器は、団結とストライキである。要求実現のために、職場での団結をさらに強化し、地域共闘など連携を強めて、闘い抜こう。


 連合は三月四日、東京・代々木公園で「ニッポンの世直しくらしの元気総行動 二〇〇〇年春季生活闘争中央総決起集会」を開き、約四万八千人の組合員が参加した。
 集会開始後も参加者が続々と集まるほど、多くの組合員が雇用・生活防衛のために二〇〇〇年春闘を闘い抜こうとする熱気があった。
 基調提案は、春闘勝利と合わせて、医療・年金などの改悪攻撃に対して断固闘うことや未組織労働者も含めた国民運動の必要性を訴えた。
 決意表明では、化学・繊維部門を代表してゼンセン同盟の高木剛会長、中小・地域を代表して服部光朗・中小共闘センター代表などが決意表明したが、それぞれに断固として闘おうとする強い決意が表れたものであった(別掲)。
 集会では「九九年の失業率は過去最悪を記録し、勤労者の実収入・可処分所得・消費支出はいずれも三年連続でマイナスの見込み。われわれの暮らしは、生活不安・雇用不安・所得不安にさらされたままだ。企業は、雇用リストラ・賃上げ抑制によって、企業収益のみの改善を進めようとしている。われわれは、全労働者の視点に立って社会的影響力を発揮し、要求実現に全力をあげる」などとするアピールを採択した。
 その後、国会と渋谷の二手に分かれ、デモ行進した。
 なお、中央集会では、党中央委員会、東京都委員会などが激励の宣伝活動を行い、翌日の大阪集会では、党大阪府委員会が宣伝を行った。


闘わずに大きな成果はない
高木 剛・ゼンセン同盟会長

 会社側は、賃金、一時金、年金、雇用において攻撃を強めている。さらに日経連は悪のりし、ベアゼロを口にしている。われわれの控えめなベア一%にすら、賃下げでこたえようとしている。
 われわれは精力的に交渉を進めるが、会社側があくまでベアゼロに固執するなら、団結権・団体交渉権のもつ意味を再認識させる。闘わない者には大きな成果はない。
 職場では、将来生活にも不安が広がっている。組合員の強い期待にこたえるために力とスクラムで闘う。


スト権を背景に強力な闘いも
服部 光朗・中小共闘センター代表

 景気は回復基調といわれるが、中小では大変厳しい状況である。市場経済万能論によって格差は拡大している。中小製造業では不公正な取引、値引き・値下げに音を上げている。また、規制緩和は、安全に対する信頼をそこね、不安は増大している。
 交通事故死亡者は九八年は約一万三千人だが、自殺者は三万一千人を超えている。しかもそれは経済的理由によるものが多い。社会的不安という病に犯されている。春闘は、賃上げ―消費拡大・景気回復ということで、この社会不安という病を治す点でも重要である。
 中小は、相場形成に向け、大手とともに早期決着をめざして闘う。四月に延びた場合でも、各産別でスト権を背景にした強力な団交などで闘い、未組織労働者の賃上げにも貢献できるようにしたい。


Copyright(C) The Workers' Press 1996-2000