政府・ＪＲは公正な解決を図れ

20000225

政府・ＪＲは公正な解決を図れ

国労が連続的に闘う
「ＩＬＯ勧告は世界の常識」

　国際労働機関（ＩＬＯ）は昨年十一月、政府・ＪＲに対して、国労組合員への採用差別は不当労働行為であり、政府はＪＲと組合が話し合いによって公正な解決を図るよう促すべきであるという勧告を出した。国労や支援の労働組合はこの勧告をいかして、国鉄闘争の勝利に向けていっそう運動を発展させようとしている。国家的な不当解雇と闘う国労と多くの労働組合がともに闘うことは、不当労働行為を許さずリストラ攻撃をはね返していく上で重要である。

　「政府はＩＬＯ勧告を履行せよ！　二〇〇〇年春闘で生活改善を！　リストラ・首切りＮＯ！　国鉄闘争勝利総決起集会」が二月十六日、東京で行われ八百人以上の国労組合員、闘争団、支援の人びとが参加した。なお二月十六日は、十三年前にＪＲへの不採用が通告された「屈辱の日」であり、闘争団、組合員にとって忘れられない日である。
　国労東京地本からは、「政府・ＪＲはＩＬＯ勧告に従え！　千四十七人の復職を求めるアピール運動」にすでに千百九十五人が賛同し、賛同団体も四百五十五団体に増えている。また、百万人緊急署名運動には、都労連や私鉄関東地連などが協力を決定した。さらに地方議会における「国鉄問題の早期解決を求める意見書」も六百四十本以上にのぼっている、と報告された。そうした情勢をいかして闘いをさらに広げようと訴えがあった。
　国労弁護団の宮里邦雄弁護士が「ＩＬＯ勧告の内容と意義　闘いにどう生かすか」とする講演を行った。氏は勧告の意義として①採用差別は団結権の侵害だと指摘、②政府に対しＪＲと組合との話し合いによる公正な解決を促している、③裁判所にも公正な裁判を求める、④さらに迅速な審理を求める、などがあると述べた。そして、国鉄の分割・民営化による攻撃と同じものが、産業再生法、分社分割法などで現れている。会社が変われば、勝手に首切りができるとするものだ。だから、国鉄闘争勝利はリストラ攻撃全体への反撃であり、雇用、労働条件を守る労働者の闘いと結びついていかなければならない、と語った。
　都労連、支援中央共闘会議などのあいさつに続いて、上京している闘争団全員が壇上に登り、東京闘争団から決意表明が行われた。闘争団の代表は、「今日二月十六日は、私たちにとって生涯忘れられない日である。その日から必ずＪＲ復帰を果たすとして闘ってきた。昨年ＩＬＯ勧告が出されたが、それは私たちが望む解決を実現する上で画期的な勧告だと感じた。この勧告をいかして、勝利するために闘いをさらに一歩も二歩も進めていく」と述べた。
　国労東京地本は今後の方針として、ＩＬＯ勧告の意義をしっかり把握するために学習会、報告会を行う。そして、アピール運動への賛同人拡大、百万人署名運動を強化する。三月には都内で大宣伝を繰り広げ、運輸省前での座り込みを行う。特に貨物ではダイヤ改正に伴い百人以上の削減攻撃があり、貨物本社への抗議行動に力を入れるなど、連携を広げながら闘争をさらに強化することを確認した。
　また、国労東日本本部は二月二十一日、第二波総行動として、本州採用差別事件東京高裁第六回公判にあわせて、都内でデモ、宣伝などを行った。