許せない！　計画倒産　債券食いつぶし

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闘いを発展させ労働運動の前進を（２）

ゼンセン同盟ミツボシ縫製

許せない！　計画倒産　債権食いつぶし

　ゼンセン同盟・ミツボシ縫製労働組合は、畠山和祐社長の計画倒産、悪質な労働債権の踏み倒しに対し、「ゼンセン同盟ミツボシ縫製計画倒産追及闘争委員会」を設置し闘っている。
　会社は東京本社のほか、宮城県宮崎町と山形県最上町に工場がある。組合員は二百七十五人で、女性労働者は二百三十一人となっている。主に男性用、子供用のスラックスを製造していた。
　社長は昨年の八月三十日、従業員に対し、九月には仕事が入ると安心させ、逃亡。しかし、八月三十一日に不渡りを出し、賃金、退職金のカタになる商品をすべて運びだした。　会社は昨年九月一日、吉村清人弁護士らの連名で「自己破産申立を準備する」との紙切れを張り出した。労働者は一辺の紙切れで、未払いの賃金も退職金ももらえず、職を失った。
　しかし、弁護士らはその後、まったく事情説明もせず放置し、社長らが債権を食い荒らすのを容易にさせた。
　ミツボシ縫製労組は十月十八日、計画倒産および悪質な労働債権の踏み倒しを明らかにし、社長らの責任を追及するため東京地裁に破産宣告を申し立てた。

悪質な計画倒産

　以下の事実は、社長が計画的に会社の財産を横領したことが明るみにさらされるものとなった。
　八月分の賃金が支払われない一方で、社長の八月分手取り給料約百四十七万円（前月約六十五万円）、専務は約七十二万円（約四十五万円）など、取締役には約百四十七万円割増しの四百八十万円を支給した。
銀行から手形割引の保障として、個人宅を担保にするように要請されていたが、社長は八月三日、社長所有の不動産を妻に名義変更した。
　また、社長の兄弟が経営するミツボシ・インターナショナル株式会社から「縫製クレーム代金」約六百五十万円が請求されている。だが、取り引きはほとんどなく不明朗な請求である。
　取引先の銀行は「社長は八月末に現金で三、四千万円もっている」と証言している。

　ゼンセン同盟は「さんざん勝手に食い散らかした後に、（肉のついていない）ガラだけを管財人に処理させようとしている」として、ミツボシ労組とともに①計画倒産・偽装自己破産を法廷闘争で明らかにし、徹底して社長の社会的責任を追及する、②賃金、退職金、解雇予告手当未払いを刑事告訴し、実刑によるつぐないを求める、③ゼンセン同盟のもと、最後まで徹底して闘い抜く、などを意思一致した。

ミツボシ縫製闘争の経過
　９９年８月　３日　社長の不動産名義を妻に変更
　　　　８月より弁護士と頻繁に相談
　　　　８月３１日　不渡り、商品持ちだし、社長逃亡
　　　　９月　１日　弁護士による告示
　　　１０月１８日　労組が破産宣告を申し立て
　　　１０月２１日　職場集会で徹底闘争を確認

何年かかっても追及する
ミツボシ縫製労組委員長　　藤原　節雄

　われわれとすれば当然、働いた分の対価が出るものだという解釈で、これまで会社には一〇〇％協力体制をとってきた。ところが、会社のやったことは、ある日突然、社長が雲隠れして、経営者としての責任を放棄したことだ。これに対しては当然、経営者としての責任をどこまでも追及していく。
　おそらく会社は、「今日で終わりですよ」と言ってから二カ月も三カ月もぶんなげている間に、財産の食いつぶしをしたのだろう。だからわれわれは、金の問題ではなく、刑事責任として追及していく方針で全員一致した。
　とにかく毎週、集まれる人は集まって、意思一致をして団結している。何年かかろうと、がんばっていこうということだ。
　地元にも会社の役員が二人いるが、地元の従業員を使っているという意識があれば、もっとわれわれに対して謝罪するなど、誠意があってよいのではないか。従業員に言わせると、「地元の経営者がいるのだから、まさかこういう裏切りをするとは、考えられなかった」ということだ。
　小さな町なので、いつでもどこでも会う人間だから、従業員に対してどういう感覚をもっているのか、人格を疑っている。だから、社長を追及する一方で、地元で経営の一角をなした常務二人に対しても、人間としての倫理を追及していく。

自殺者が出る恐れも

　問題は、組合員の平均年齢が四十歳を超えていることだ。今、学卒でもなかなか就職できない状態で、われわれが就職できる範囲は限られているし、ハローワークに行っても、若い子が職を求めて来ている状況で、はたしてわれわれ三十歳代後半から四十歳代の人に、今までのような条件の就職は一〇〇％無理だろうと思う。ただ、四十歳代に入った時に、子供に対しても金のかかる時期で、職を探さないわけにもいかない。この辺が非常に大変だ。
　給料の遅配に加えて、八月分はいっぺんも払われないで会社を閉鎖したので、実質二カ月分の給料が八月末の時点でわれわれに入ってこなかった。ということは、金は入ってこない、職はなくなるで、将来に対して悲観し、自殺する人も出てこないとも限らないという懸念を非常に強くもっている。特に、共稼ぎで働いていた人も三、四人いたので、そういう人たちのことを考えると、本当に頭に来る。
　社長は一体何を考えていたのか。実際に会社がだめならだめで、前もって相談があってしかるべきだ。だから、金を持って逃げたと聞いた時に、相手が近くにいたら、手を出すなと言われても出したくなる。

町は解決に努力を

　ゼンセン同盟と相談しながら、裁判闘争と合わせて、さまざまな支援要請などに取り組んでいる。
　再就職の問題も、地元の町長をはじめ、ありとあらゆるところに要請している。この不況の中では行政に頼らないといけない。
　行政にも前向きに考えてほしいと思っている。特にミツボシは宮城県宮崎町の誘致企業第一号であり、会社自身も町に貢献してきたわけで、町が県へ要請するなど、もっと前向きな検討をしてほしい。
　住民からすれば、自分たちの生活の不安をどこに訴えたらよいのか、分からない状態にある。だからわれわれは、まだ就職の決まっていない人たちを集めて、受け皿になって町民の悩みを解決してほしいと町に訴えている。

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闘いを発展させ労働運動の前進を（２）

ゼンセン同盟ミツボシ縫製

許せない！ 計画倒産 債権食いつぶし

許せない！　計画倒産　債権食いつぶし