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労働新聞 2021年9月5日号 トピックス

世界のできごと

(8月20日〜8月29日)

アフガンで悪あがき続ける米国
 米軍は八月二十七日、アフガニスタンのカブール空港で起きた自爆テロを口実に無人機による報復攻撃を行ったことを発表した。空爆によって、子どもを含む九人が死亡した。自爆テロを受け、バイデン米大統領は「代償を支払わせる」などと軍事報復を明言していた。これに対し、アフガン全土を掌握したタリバンはこの米国の行いについて「主権侵害に当たる」と批判した。三十一日の撤退期限を前に米国は自国民らの救出作戦を拙速に進め、空港周辺の混乱を招いていた。敗走を続ける米国の最後の悪あがきで、かれらの無反省ぶりを示すものだ。

米抜きで地域安定化へ協議
 アフガニスタン情勢をめぐり二十八日、イラクのバグダッドで中東各国などによる協議が行われた。協議には断交が続くイランとサウジアラビアの外相が参加、湾岸アラブ諸国やエジプトと最近まで断交状態にあったカタールも参加。フランスのマクロン大統領も出席し、イラクと共同議長の役割を果たした。対立を続けている中東各国がアフガンにおける米国の敗走を受け、地域の安定化に向けて共同で対処しようという動きの一環。また中国の習近平国家主席とロシアのプーチン大統領も二十五日の電話会談でアフガンの「開放的かつ包括的な政治機構」樹立への支援に向け、上海協力機構(SCO)の枠組みを活用することで一致した。懲(こ)りない米国は日本や英国などと協力国会合を開くなど巻き返しを見せるが、米国の影響力を排除する形での地域情勢の安定化に向けた歩みが強まっている。

空振りしたハリスのアジア歴訪
 ハリス米副大統領は東南アジア歴訪中の二十四日、シンガポールでインド太平洋地域における米国の外交政策について演説した。ハリス氏は同地域について、「米国の安全と繁栄に決定的に重要」と叫び、中国を念頭に「協力関係と共通のビジョンを強化したい」と東南アジア諸国に迫った。その上で南シナ海などにおける中国の行動を「威圧的」と決め付けた。また二十五日にはベトナムのフック国家主席と会談、南シナ海問題で中国を非難するとともに、ベトナムとの関係を「包括的パートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」に変更する可能性にも言及した。しかし、ベトナム側は中国や南シナ海問題についての言及を避けるなど温度差も目立った。バイデン政権の「アジア重視」の一環を示した歴訪だが、アフガンでの敗北でぶざまな姿をさらす米国への信頼はますます後退している。

米、核合意離脱の継続示唆
 訪米したイスラエルのベネット首相は二十七日、バイデン米大統領と会談した。今年六月に就任したベネット首相とバイデン大統領との会談は初。会談後に発表された声明では「イランの危険な振る舞いを抑える手段について見直す」とし、バイデン大統領はイランの核開発に対し、「外交を優先するが、失敗すれば別の選択肢に移る」と発言、トランプ前政権時代が行った核合意からの離脱を継続することを示唆(しさ)した。

人民のたたかい

(8月20日〜8月29日)

 コロンビアで八月二十六日、貧困層への最低収入の保障、大学授業料の無償化などを求める全国ストライキが行われた。このストは労組、学生団体、先住民組織で構成する実行委員会が呼びかけたもの。ボゴタでは約六万人がデモを行った。同国でも新型コロナの感染拡大で国民生活は深刻な打撃を受けており、参加者は「今闘えば、未来は私たちのものだ」と訴えた。
 英国ロンドンにある金融街シティで二十二日、約二百人が「金融街が気候変動を助けている」と訴えてデモした。
 米国のワシントンで二十八日、共和党による州レベルでの投票権抑圧の動きに反対する集会が開かれ、数千人が参加した。同日は、一九六三年に公民権運動の黒人指導者であるキング牧師が歴史的演説を行った日でもある。参加した人びとは「投票する権利を守ろう」などと訴えた。七月時点で投票権抑圧の措置を盛り込んだ法案は四十九州のうち十八州で成立している。


日本のできごと

(8月20日〜8月29日)

緊急事態宣言さらに8道県を拡大へ
 新型コロナウイルス感染爆発を受けて菅政権は八月二十五日、新たに北海道、宮城、岐阜、愛知、三重、滋賀、岡山、広島の八道県を緊急事態宣言の対象に加えることを決定した。高知、佐賀、長崎、宮崎の四県にはまん延防止等重点措置を適用、期間はいずれも二十七日から九月十二日までとした。これで宣言は二十一都道府県に、重点措置は十二県に広がった。しかし政府は依然として大規模なPCR検査の実施や医療機関への支援には及び腰で、自粛を押し付ける飲食店などへの十分な補償も依然として行っておらず、無為無策がきわまっている。

感染爆発の中でパラリンピック開催
 東京パラリンピックが二十四日に開幕した。コロナ感染者が爆発的に増加、自宅療養者が激増し自宅で死亡する感染者が続出しているにも関わらずパラリンピックへ医療資源を割くことに国民の批判が噴出した。また原則「無観客」としながらも、「教育的観点」として学校連携観戦が強行され、感染拡大に対する危機感の薄い政府やオリ・パラ関係者に対する非難が集中した。国民の生命と生活を犠牲にし続ける菅政権と自公与党の罪は重い。

首相地元の横浜市長選で与党大敗
 菅首相の地元である横浜市で二十二日、市長選挙が投開票され、野党が支援した山中氏が当選した。カジノを含む統合型リゾート施設(IR)誘致を大きな争点とした選挙戦だったが、菅政権の閣僚を辞して選挙に臨んだ与党候補の小此木氏は、IR誘致推進から一転して取りやめを訴え、争点隠しに始終した。しかしコロナ禍が深刻さを増し内閣支持率が過去最低を記録する中、自公与党候補に支持は集まらず、野党候補に大敗した。政権にとっては大打撃で、秋にある自民党総裁選や総選挙に影響を与えることは必至だ。

アフガン自衛隊派遣、実績づくりか
 菅政権は二十三日、アフガニスタンに自衛隊を派遣した。同日から空自輸送機三機がカブール国際空港に出発、隊員は武器を携行した陸自部隊も含めて数百人規模となった。菅政権は二十日には「治安情勢が急激に悪化するなか、現地に出入りしている関係国の軍用機での退避が最善」(岸防衛相)として、現地大使館員らを英軍機で国外に退避させていた。急な方針転換は自衛隊海外派遣の訓練・実績づくりが目的との疑念はぬぐえない。自衛隊の海外展開の既成事実化に警戒が必要だ。

食料自給率が過去最低、自給力も低下
 農林水産省は二十五日、二〇二〇年度の食料自給率と食料自給力指標を公表した。カロリーベースの食料自給率は前年度から一ポイント低下し三七%となり、統計データがある一九六五年度以降で最低となった。コメの生産減が主要因で、前年に豊作だった小麦の反動減も影響した。食料自給力指標は、コメ・小麦中心の作付けと、いも類中心の作付けが、ともに農地面積の減少などが影響し前年度を下回った。コロナ禍で食の海外依存の危険性が高まる情勢のなか、食料安全保障の立て直しが早急に求められている。

辺野古基地建設、軟弱地盤で新工事
 沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設をめぐり、沖縄防衛局は二十七日、新たな護岸「N2」の工事に着手した。N2は軟弱地盤が広がる大浦湾側にあり、地盤改良工事には玉城知事から埋め立て変更承認を得る必要があるが、同局はN2は軟弱地盤にかかっていないとして現行の埋め立て承認に基づき工事を強行した。また同局は予定地に重なるサンゴ八百三十群体を工事日までに移植したが、高水温期の移植回避など県の許可条件を無視し作業を強行していた。菅政権は基地建設強行で県民の意を踏みにじり続けている。

在沖海兵隊、危険汚水を一方的に放出
 在沖縄米海兵隊は二十六日、米軍普天間基地(沖縄県宜野湾市)から有害で残留性の高い有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)を含む汚水全約六万四千リットルを基地外の下水道に放出した。この汚水については県や宜野湾市は焼却処理を求め日米間の協議が続いていたが、米軍はだまし討ちのように放出した。PFOSは日本国内での使用・製造が禁止されており、県民の安全を脅かすだけでなく日米の約束も反故にする蛮行に対し日本政府は毅然(きぜん)とした対応が求められる。


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