労働新聞 2003年11月25日号 トピックス

世界のできごと

(11月10日〜11月19日)

(次号に掲載いたします)

 

 

 

 

人民のたたかい

(11月10日〜11月19日)

(次号に掲載いたします)

 

 

 

 

日本のできごと

(11月10日〜11月19日)

特別国会召集、第2次小泉内閣が発足
 総選挙の結果を受けた特別国会が11月19日、召集された。衆参で小泉首相が首相に指名され、第2次小泉内閣が発足した。総選挙の結果を受けて10日、保守新党が自民党への合流を決定、自公両党による連立政権へと変わったが、米国と財界の意を受けた自衛隊のイラク派兵などの課題が山積。政局のいっそうの不安定化は避けられない。

土井・社民党党首が辞任
 土井・社民党党首が13日、総選挙敗北の責任をとるとして、党首を辞職した。後任には福島幹事長が選出されたが、幹事長は決まっていない。福島執行部には、国の進路や改革政治への態度、2大政党制への姿勢などでどのような政治路線をとるかが、深刻に問われている。

ラムズフェルド、イラク派兵へ圧力
 来日したラムズフェルド米国防長官は14日、小泉首相らと会談した。両者は、イラク「復興」に協力することで合意した。ラムズフェルドは「日本の判断を尊重する」などと言いつつ、わが国に自衛隊派兵の圧力をかけた。さらに、米中東戦略への貢献度が、朝鮮民主主義人民共和国問題にも波及すると、露骨にどう喝をかけた。また、ラムズフェルドは沖縄も訪問、稲嶺県知事との会談では、基地の整理・縮小について「具体的な提案ができる立場にない」と、県民の願いを足げにした。唯一米戦略に追随するわが国に対し、米国の要求は際限がない。

公務員、地方犠牲露骨な財政制度審
 04年度予算編成の指針となる財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の意見書原案が19日、明らかになった。一般会計歳出は今年度並みに抑える一方、先の「骨太の方針」で地方向け補助金の4兆円削減を打ち出したことを受け、来年度分として1兆円を削減する。その中身は、地方公務員給与の引き下げ、教職員の給与優遇を定めた人材確保法見直しなど。今後、年金制度改革案も盛り込む方向だ。公務員のみならず、地方全体への犠牲押しつけの方向が露骨であり、この方針に基づく予算案など、認められない。

国民負担増狙う年金改革案
 厚生労働省は17日、来年からの年金制度改革案を発表した。それによると、厚生年金の保険料率を、年収の13.58%(労使折半・現行)から、段階的に20%に引き上げ、給付水準は、現役世代の59%(現行)から50%程度に引き下げる。国民年金保険料も、月額1万7300円(現行・1万3300円)に引き上げる。パート労働者への厚生年金適用基準も拡大されるなど、国民負担だけが増える大改悪案。この案に対し、奥田・日本経団連会長など財界は、企業負担が増えると反発している。だが、彼らは、保険料上げの代わりに消費税増税による財源確保を主張しており、国民負担増の「改革」という点で違いはない。

1万人未満の町村に合併強制
 地方制度調査会(首相の諮問機関、諸井虔会長)は13日、最終答申をまとめた。答申では、合併特例法が失効する05年4月以降も市町村合併を強制する手段として、都道府県を通じて圧力をかける方向が打ち出された。これは、人口1万人未満の町村に対し、都道府県が町村議会への付議や住民投票などを通じて、合併を促せるような制度を検討するというもの。また、道州制導入についての考え方を整理、次期調査会で検討されることとなった。支配層・財界は、なりふり構わず市町村合併を進め、地方行財政システムの効率化を狙っている。

鹿島建設の労災隠しは氷山の一角
 大手ゼネコン・鹿島建設が18日、鉄道建設工事中の労災事故を隠していたとして、書類送検された。大手企業の摘発は異例。同社は、下請けの労働者が作業中、くぎの破片で眼球を傷つけた事故を報告しなかったなど、計3件の労災隠しを行った疑い。最近の新日鉄、ブリヂストンなどの大事故でも明らかなように、相次ぐリストラで職場の労働環境は極度に悪化、大小の労災事故が頻発している。労災隠しでの摘発は、10月末で昨1年を上回る106件と、史上最悪の01年(126件)を超えるのも確実。利益最優先の大企業が、悪質な事故隠しを行っていることは明白だ。鹿島の摘発は当然だが、これは氷山の一角に過ぎない。


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