20020805

世界のできごと・人民のたたかい

2002.07.20〜2002.07.29


ワールドコム、米国最大の破産
 巨額の粉飾決算が発覚した米国の長距離通信会社ワールドコムは7月21日、米連邦破産法11条(日本の会社更生法に相当)の適用を申請した。ワールドコムは1070億ドル(12兆4000億円)の資産をもつ通信業界2位の企業で、負債総額は410億ドル(約4兆8000億円)に達した。米国で最大規模の倒産を受けて、22日のニューヨーク株式市場は1時7800ドルを割り込み、98年10月以来の安値水準にまで下げた。バブル崩壊、不正会計の相次ぐ発覚などで、米国経済の信頼が揺らぐ中で、米国経済はいっそう不安定な状況に追い込まれている。

米国、大統領に一括交渉権付与
 米議会の上下両院は25日、大統領の通商交渉権限を強化する「一括交渉権」の付与に合意した。大統領への権限付与は8年ぶりとなる。ブッシュ政権は「対テロ戦」での軍事力行使と自由貿易拡大を、安全保障の両輪にしようとしている。今後は、北米自由貿易協定(NAFTA)の南米諸国への拡大などを進めたいところだが、労働団体などからは「貿易拡大は国内の雇用を奪う」との声があがっている。また、他国からは農業や鉄鋼に見られる米国の「二重基準」に根強い批判があり、経済が沈下する中で米国の通商策は行き詰まりつつある。

ASEAN、日中韓との連携強化へ
 東南アジア諸国連合(ASEAN)は29日、ブルネイで外相会議を開き、今秋に中国と自由貿易協定(FTA)で基本合意することを確認し、日本との経済協力など域外との連携を強めていくことで一致した。日中韓とは政治・社会面での連携の強化もはかる。米国が求めるテロ対策への協力については、インドネシアやベトナムが、対テロを口実にした内政干渉への強い警戒感を表明した。ASEAN10カ国は政治的結束をはかりながら域内統合を進め、日中韓との経済的結びつきを強めようとしている。


   韓国のソウルで7月27日、「女子中学生殺人糾弾、第5回国民大会」が開かれ、米軍への激しい抗議の声があがった(写真は道路に横たわる学生たち)。集会では、発足したばかりの「女子中生殺人事件・青少年対策委員会」が発言し、米兵犯罪者を韓国の法定で裁くべきだと訴えた。韓国ではこの事件に抗議する中高生の行動が、大きな広がりを見せている。
 ソウルで22日、全国農民会総連盟など24の農業団体3000人が、中国産ニンニクの緊急輸入制限(セーフガード)措置の撤廃に反対して集会を行った。農民は国会前で抗議の座り込みも予定している。
 インドネシアのジャカルタの米大使館前で29日、米国籍企業でスポーツシューズメーカー・リーボックの工場労働者1000人が、賃金カットや生産削減に抗議して集会を行った。
 ドイツの労組ベルディ(統一サービス労組)は26日、大幅賃上げを求めて各部門でストライキを行った。銀行部門では、ベルリンとミュンヘンで3000人がストに参加。小売業では、労組と賃金契約を結ぶことを拒否している米国系スーパー・ウォルマートの46店舗でストに突入した。
 イタリアのジェノバで20日、グローバル化に反対する団体が連携して、公正で平等な経済を求める10万人のデモが行われた。参加者は貧富の差の拡大や無秩序な国際金融取引などに抗議の声をあげた。
 パレスチナ自治区のガザで23日、前日のイスラエル軍の攻撃で殺害された犠牲者の葬儀が行われ、約30万人のパレスチナ人が参加し、イスラエルを非難した。このF16戦闘機によるミサイル攻撃では、15人が殺害され、150人が重軽傷を負った。

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