20020725

世界のできごと・人民のたたかい

2002.07.20〜2002.07.29


米国「双子の赤字」が大幅に拡大
 米国の2002会計年度(01年10月〜02二年9月)財政赤字が大幅に拡大することが7月12日、明らかになった。赤字は1550十億ドル(約19兆円)に達する。株安の影響で株式売却益が減少したことが直接の原因とされているが、これに景気低迷で税収が減少したこと、軍事支出の急増も要因となっている。また、19日明らかになった5月の貿易赤字は376億3800万ドル(約4兆4000億円)で、単月の赤字額としては4月に続いて過去最高を更新した。「双子の赤字」拡大が米国の株安、ドル安を加速させる可能性が高く、米経済危機はさらに深刻さを増す。

企業会計不正操作、欧州企業も
 米国の企業会計不正操作が続々と明らかになる中で、欧州でも同様の事件が相次いでいる。アイルランドの製薬最大手エランは、子会社を通じた会計操作の疑いで株価が急落し、会長が辞任に追い込まれた。スウェーデン・スイスの大手エンジニアリング会社ABBは、総額4000万ドルの損失隠しが発覚、管理職が解雇された。ABBは市場の信任が厚いといわれただけに、市場に不信感が広がっている。市場の評価、株主を第一とするグローバル資本主義のウミが欧州でも出始めた。

米国防総省が意図的に中国脅威あおる
 米国防総省は12日、「中国の軍事力に関する年次報告書」を作成、議会に提出した。ブッシュ政権下では初めての報告書で、アーミテージ国務副長官らが監修した。報告書は「中国は弾道ミサイルで台湾攻撃も辞さない」などと、中国脅威をあおっている。米国は、台湾への武器売却強化や米台国防関係者の接触拡大を通じて、台湾へのテコ入れを強めている。こうした戦略を正当化させるためにも、中国脅威を意図的にあおっているといえる。


  韓国の議政府市にある米第2師団司令部前と東豆川市の同師団キャンプ前で7月19日、師団長出国に抗議する集会が開かれた(写真)。第2師団は女子中学生をひき殺した米軍部隊が所属する師団で、米軍は師団長を離任させ、本国に逃がそうとしている。
 英国で、公共部門の民営化や雇用制度改悪を進めるブレア政権に労働組合が対決姿勢を強めている。17日には地方自治体労働者が、ブレア政権下では最大規模となる75万人が24時間ストを実施、18日には鉄道海運労組もロンドンの地下鉄で24時間ストを打った。
 イタリアの全国主要都市で11日、交通労働者のストが行われ、バス、地下鉄、電車が軒並みストップした。解雇規制の一時停止に反対するイタリア労働総同盟がよびかけたもの。ボローニャでは約6万人が参加する集会も行われた。また、12日にはトリノで、自動車会社フィアットの大量解雇などのリストラ策に反対する労働者が、各工場で4時間のストを打ち、約1万人の労働者が市内をデモ行進した。
 ポルトガルで18日、政府の医療制度改悪に反対する医師や看護士ら10万人が24時間のストを打った。  南米パラグアイの首都アスンシオンで15日、国営企業の民営化や緊縮政策を進めるゴンザレス政権を糾弾するデモが行われた。市民は、幹線道路を封鎖したり、国会周辺に押しかけた。パラグアイは、隣国アルゼンチンの経済危機の影響を受け経済が悪化し、失業率は16%に達している。
 イランで19日、全土で数百万人にのぼる反米デモが行われた。米ブッシュ大統領が12日に最高指導者ハメネイ師らを批判したことに反発したもので、参加者は「米国に死を」と叫び気勢をあげた。

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