20020715

世界のできごと・人民のたたかい

2002.06.30〜2002.07.19


米企業不信の広がりに慌てるブッシュ
 ブッシュ米大統領は7月9日、不正会計など企業の不正行為防止に向けた包括的な対策を発表し、不正を働いた企業経営者らに厳罰でのぞむ方針を表明した。米国ではエンロンに続いてワールドコムなど相次ぐ不正会計が発覚したことで、米企業への不信が広がり、株・ドル安の原因にもなっている。このまま放置すれば米国への資金環流システムにも支障をきたすとの懸念から、慌てて対応策を打ち出したものだ。しかし、対応策は実効性がないとの評価が多く、株安は止まらない。しかも疑惑企業は後を絶たず、政官財のゆ着も表面化し、資本主義の根幹を揺るがしている(3面参照)。

銃撃戦を利用し緊張あおる米国
 朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)は1日、黄海上で6月29日に起きた韓国艦船との銃撃戦について、米韓が「北方限界線(NLL)」を一方的に主張していることから起こったとして、「米国はその責任から逃れられない」と批判した。韓国の金大中大統領は2日、北朝鮮を批判したものの、包容政策を推進する方針を表明し、南北両国は事態の収拾をはかった。米国は2日、この事件を北朝鮮の「軍事的挑発」と決めつけ、再開予定の高官協議を見送るなど、南北朝鮮の緊張をあおっている。

アフリカ統合めざすAUが発足
 南アフリカのダーバンで9日、アフリカ諸国53カ国、8億人が参加する「アフリカ連合(AU)」が発足した。AUは欧州連合型の政治・経済統合をめざしている。経済交流を通じた開発や政治対話によって紛争を予防・解決し、日米欧からの投資や援助を促進しようというもの。将来は各国の代表で構成する議会や司法裁判所も設置し、約20年かけて通貨統合をめざす。アフリカ諸国は旧宗主国の経済支配、グローバリズムによる貧困・飢餓の問題など困難な問題を抱えており、結束することで政治的発言力を強めようとしている。


  韓国の京畿道・議政府市にある米第2師団司令部前で4日、「女子中学生殺人事件糾弾、第3回国民大会」が開かれ、約500人の市民たちが米国に厳しく抗議した(写真)。参加者は事件の真相究明と遺族への補償、米兵の処罰を要求した。議政府周辺は韓国でも有数の米軍基地の密集地帯であり、繰り返される在韓米軍の犯罪への怒りは、日に日に高まっている。
 メキシコで4日、米国が主導する米州自由貿易地域(FTAA)構想の実現阻止をめざす「FTAA反対大陸運動メキシコ委員会」が結成された。FTAAは米国、カナダ、メキシコが加盟する北米自由貿易協定(NAFTA)を中南米全体に拡大するもので、国内産業の破壊を招く。総会後、労組員や市民たち5000人がデモ行進し、米国の軍事・外交政策にも抗議した。
 チリのサンチャゴで6日、チリ最高裁がピノチェト元大統領への裁判中止を決定したことに抗議して、数百人がデモを行った。軍事クーデターで政権を握ったピノチェトは虐殺や数々の人権弾圧事件を起こし、その罪を問われている。
 経済危機が深刻化しているアルゼンチンで3日、警察の弾圧で失業者が死亡した事件に抗議し、失業者団体や労組の呼びかけによるデモが全国で行われた。ブエノスアイレスでは3万人がデモに参加し、ドゥアルデ大統領の退陣を求めた。
 アフガニスタンの中部ウルズカン州で1日、米軍機が結婚式の会場を爆撃し、120人が死傷するなど、米軍による住民殺害が続いている。カブール市で4日、米軍の住民「誤爆」に抗議して女性たちがデモ行進した。

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