20020705

世界のできごと・人民のたたかい

2002.06.20〜2002.06.29


米経済の動揺示す株安、ドル安
 株式とドルの下落など、米経済が大きく揺らぎ始めた。米店頭株式市場(ナスダック)は6月28日、2001年1月末より25%下げ、上半期で最大の下げ幅となった。下落を続けているドルも28日には118円とさらに下落した。景気回復の遅れに対する懸念に加え、米通信大手ワールドコム社の38億ドルもの粉飾決算など、一連の不正事件が企業、経済不信に拍車をかけている。さらに、経常収支、財政の「双子の赤字」が再び悪化、さらに、株・ドル安が進む事態にもなりかねない。米国発で、世界経済の新たな危機を生む恐れさえある。(社説参照)

見せかけの協調で取り繕うサミット
 カナダのカナナスキスで26、27日に主要国首脳会議(サミット)が開かれた。世界経済の評価、テロ対策、中東和平、アフリカ支援が議論され、カナダのクレティエン首相が議長総括を発表した。経済分野では「世界経済の成長見通しに自信」と取り繕った総括となった。また、ロシアを抱き込みたかった欧米の思惑からロシアのサミット参加が決まった。各国とも都合の悪いことには踏み込まず、政治ショー的なサミットとなった。カナダの諸都市では25、6日、反グローバリズムを掲げる団体が1000人以上の集会とデモが行われた。

アラファト議長排除を画策のブッシュ
 ブッシュ米大統領は24日、中東和平の新方針を発表し、アラファト議長の退陣を迫った。さらにブッシュは、米国と世界銀行の介入による市場経済への「改革」、複数政党による選挙の実施を言明、これらを条件に「パレスチナ暫定国家」の樹立を支持すると述べた。ブッシュは、サミットの場でパレスチナへの横暴な干渉を唱った「新方針」への支持を取り付けようとしたが、アラファト議長排除には英、仏、独とも同意せず、批判的な態度を示した。ブッシュの新中東政策は、欧州諸国ではきわめて不評である。


  スペインで20日、失業手当の給付削減など、政府の社会保障改革案の撤回を求めるゼネストが全土で行われた。労働者委員会、労働総同盟の2大労組が呼びかけ、1600万人が参加、航空、鉄道、バスはストップした。各地でデモも行われ、バルセロナで40万人、マドリードで数十万人、セビリアで10万人が参加した(写真)。
 ドイツの建設・農業・環境産業労組は、大幅賃上げを求めて1週間のストを打った。25日の労資交渉で労組は、9月から3.2%、来年2月からはさらに2.4%の賃上げを勝ち取った。また、通信、銀行、商業部門の労働者も賃上げ、リストラ反対を掲げ集会とデモ、ストを繰り広げ、テレコム労組も賃上げを闘い取った。
 政府の解雇規制停止案に反発を強めているイタリア労働総同盟は、20日から州レベルのゼネストに入った。27日には12の州都でデモと座り込みも行われ、約8万人が参加した。
 ポルトガル労働総同盟は21日、政府が計画している付加価値税の2ポイント増税(現行17%)や公務員削減、公的機関の民営化に反対する集会やデモを各都市で行った。22日には、約1万人の公務員労働者がリスボンでデモ行進した。
 失業率が25%に達し、国民の半数が貧困層といわれるアルゼンチンで26日、失業者らがブエノスアイレスの幹線道路を封鎖しデモ行進をして政府に抗議した。デモ隊は警官と激しく衝突、2人が死亡した。翌27日には警官弾圧の政府対応に抗議して、約6000人がデモをした。

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