20020415

世界のできごと・人民のたたかい

2002.03.30〜2002.04.09


イスラエルがパレスチナへ侵攻拡大
 アラファト議長を自治政府議長府に監禁しているイスラエルは4月4日、ヨルダン川西岸のヘブロンに侵攻し、西岸をほぼ制圧した。パレスチナ自治区への侵攻は、パレスチナの激しい反発と抵抗を引き起こしている。また、イスラエル国内でも若者の徴兵拒否など、強硬路線への批判が高まっている。イスラエルを後押しする米国も自治区からの撤退を求めたが、イスラエルはこれを拒否した。エジプト外相は3日、イスラエルとの接触全面停止を発表。クウェート、アラブ首長国連邦、サウジアラビアなどもイスラエル批判を強めている。シャロンは米国の抑えもきかず、ますます凶暴化している。

イラクが石油を武器に欧米に圧力
 イラクのフセイン大統領は8日、「同日から30日間、原油輸出を停止した」と発表した。イスラエルがパレスチナ自治区から撤退するまで禁輸を続ける構えだ。イランの最高指導者ハメネイ師も5日、「イスラエルと関係をもつ国への原油輸出を1カ月停止」することをイスラム諸国に呼びかけている。アラブ諸国の1部は「石油を武器」に欧米に圧力をかけ、パレスチナ問題解決をはかろうと動きだしている。この事態を受けて、欧米市場の原油相場は急上昇した。

南北朝鮮対話再開、米大使受け入れへ
 韓国の林東源特使(元統一相)は3日、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)を訪問した。韓国と北朝鮮は経済交流の促進などを盛り込んだ6項目の共同報道文を発表。「凍結されていた南北関係を原状に復帰する」と宣言し、2001年11月から途絶えていた南北対話が本格的に再開した。林特使と会談した金正日総書記は「米国との対話を推進する」と述べ、米国大使の訪朝受け入れ、朝鮮半島エネルギー開発機構(KEDO)との協議を再開する方針を確認した。北朝鮮は韓国との関係を改善し、米国がもくろむ北朝鮮包囲網を打開しようとしている。

全世界で反米、反イスラエルのデモ
 ギリシアのアテネでは3日、約7000人が「米国人は殺人者」と、イスラエルを支持する米国に抗議した。欧州各地で6日、イスラエルに抗議するデモがいっせいに行われ、約10万人が参加した。フランスのパリで4万人、リールで5000人、スイスでは1万人、イタリアのローマで5000人、ドイツで5000人が即時撤退を求めた。七日にはベルギー、スペインでも1万人が参加。
 アラブ・イスラム圏でもイスラエルと米国に対する抗議デモが多発。7日にモロッコで100万人、8日にはヨルダン、クウェートでも数万人規模の抗議デモが行われた。エジプト、サウジアラビア、バーレーン、イエメン、カタールなどでも数千人から数万人が米大使館などに向かってデモを行い、イスラエルの侵攻に抗議した。


   米国の41州150カ所で六日、「大企業優先を打破し、民主主義の確立」を呼びかける集会とデモが行われた。参加者は「あまりにも多くの力と富が巨大企業の手に握られ貧困を制度化している」と大企業を批判した。
 韓国電力労組は3日、公営企業の民営化に反対する38日間にわたるストを打ち抜き、終結した。上部団体の民主労総は、傘下労組約400単産が参加する連帯のゼネストを準備するなど、闘いは大きな広がりをみせた。2日にはソウル市内で、民営化反対を叫ぶ民主労総の集会が開かれた。

ページの先頭へ