20020415

日本のできごと

2002.03.30〜2002.04.09


横浜市長選など、小泉不信いちだんと
 3月31日の横浜市長選挙で、与党などの現職相乗り候補が敗北、「無党派」を掲げる候補者が当選した。4月7日の京都府知事選挙では、相乗り候補が共産党候補に勝利したものの、互角の闘いを許した。両選挙とも、長引く不況や構造改革、続出する政治腐敗など、小泉政権に対する国民各層の不信と怒りを反映したものとなった。小泉政権の不支持は四四%(朝日)と、ついに支持率を上回った。一月の田中外相更迭以来、内閣支持率は軒並み急落している。また、小泉首相と「YKK」の盟友関係をもつ加藤紘一元自民党幹事長が八日、前事務所代表の脱税事件などの責任を問われ、衆院での参考人招致に際して議員辞職を表明した。辞職は当然のことだが、「ムネオ問題」や田中前外相らの秘書疑惑ともあわせ、政権は打撃を受けている。諸方面から、小泉政権はますます追い詰められている。

BSE調査報告、政府の責任明白に
 農水、厚生労働相の諮問機関「BSE(牛海綿状脳症)問題に関する調査検討委員会」が2日、BSE発生を防げなかった農水省に「重大な失政」があったことを認める報告書を提出した。遅すぎたとはいえ、当然の内容である。報告を受け、野党は武部農相の問責決議案を提出。公明党は農相の辞任を求めたもののわずか1日で動揺、結局、採決に欠席して武部農相の居すわりに加担した。政権維持のために農相をかばい続ける小泉首相に対しても、経営難から立ち直れずにいる酪農民をはじめ、国民の怒りが高まっている。

小沢党首、「核武装」で中国をけん制
 小沢・自由党党首は6日、福岡市内の講演で、「最近、中国共産党関係者に伝えた言葉」として、「日本がその気になったら、一朝にして何千発の核弾頭が保有できる」などと述べ、中国の軍備増強をけん制し「民主化」を要求した。核武装の可能性まで持ち出して中国をけん制する小沢発言は、支配層の一部にある、米国と一体になった対中敵視政策を示しており、わが国の進路を誤らせるきわめて危険なものである。

米国、いっそうのコメ自由化求める
 米通商代表部(USTR)は2日、「2002年度版外国貿易障壁報告」をまとめた。中国の「障壁の多さ」を明記する一方、対日要求をもっとも多くあげ、コメ、医療機器、知的所有権など11分野54項目を列挙している。コメについてはわが国流通市場をやり玉にあげ、世界貿易機関(WTO)の新ラウンドで取り上げるとするなど、横暴そのもの。自国の鉄鋼業界保護のためにセーフガード(緊急輸入制限)を発動しつつ、他国に市場開放を迫る米国のやり方は許せない。

大企業のための電力自由化決める
 経済産業省は4日、2007年をメドに電力小売りを全面自由化する方針を決めた。工場などの大口から、徐々に一般家庭にまで広げるという。小泉政権の進める規制緩和策の一環であり、自由化で料金を引き下げ、大企業のコスト削減を後押しするもの。背景には、日本市場への参入をもくろむ外資の要求もある。企業向けと一般家庭の料金差がさらに拡大する可能性すらあり、国民には負担増もあり得る。

みずほ混乱で問われる社会的責任
 第一勧業、富士、日本興業の3行が合併したみずほ銀行が、大混乱に陥っている。発足直後の1日から振替未了、二重引き落としなどが膨大に発生した。旧3行間のオンラインシステムに不具合が発生したためといわれるが、ペイオフ解禁や国際的大競争に備えるため合併を急いだことが、失態の根本的原因とされる。国民生活にも大きな影響を与えているにもかかわらず、経営陣は「実害はない」という認識であり、みずほと監督官庁である財務省の責任を問う声が高まっている。

増える在宅勤務、権利保護が課題
 企業や自営などの在宅勤務者が300万人を超えたことが、6日までに明らかになった。96年度の約4倍に達し、全労働人口の5%弱を占める。増加の背景には、情報技術(IT)革命によって、大企業を中心に導入を進めたことがある。実態は、企業が経費を削減するための安上がりな雇用形態である。労働組合にとっても、労働者の権利をどう守るかが問われている。