日本のできごと020405

小泉訪韓、米国に呼応し北朝鮮敵視
　訪韓した小泉首相は３月２２日、金大中大統領と会談した。会談の中で小泉首相は、朝鮮民主主義人民共和国によるいわゆる「拉致」疑惑、「不審船」問題を取り上げ、日朝国交正常化や食料援助に背を向け、ブッシュ米大統領の「悪の枢軸」発言に呼応する態度に終始した。一方、金大統領は「（北朝鮮との）対話により、問題が解決されることを望む」と強調、対応の違いが浮き彫りとなった。また歴史認識問題でも新たな進展は見られなかった。両首脳は、日韓投資協定への署名やサッカー・ワールドカップ共催に向けた協調を演出したが、朝鮮半島の平和問題、歴史認識問題などいずれも大きなミゾを残したままとなった。

有事法制、危険な内容明らかに
　小泉政権が４月上旬に国会提出をもくろんでいる有事立法の内容が２０日、明らかになった。それによれば、わが国が武力攻撃を受けた際、「基本方針」を策定し安全保障会議（議長・首相）をへて閣議決定、調整機関として首相を本部長とする「対策本部」を設置する。同本部長には、地方自治体や公共機関などへ「指示」を行う権限を与えることも検討している。また与党「国家の緊急事態に関する法整備等協議会」では、今国会に①「包括法」案②安保会議設置法改悪案③自衛隊法改悪案④米軍への国内法除外法案の四法案を提出するという。民主党も政策懇談会で「緊急事態法制」を検討することを確認、「人権制約を伴う公権力の行使」を認めるとした。こうした動きに対してはとくに徴用の対象となる職種の労組などが強く反発、反対行動を行っている。国民生活などを制約し、国の進路をいっそう米国の戦略に付き従わせる有事法制に反対する闘いの構築が求められている。

辻元氏辞職、再生求められる社民党
　社民党の辻元清美・衆議院議員は２６日、政策秘書の給与をめぐる問題の責任を取り、議員を辞職した。同時に社民党政審会長の職も辞した。真相究明は当然だが、辻元攻撃は鈴木宗男衆院議員の一連の疑惑問題追及のさ中に起きた問題であり、支配層の攻撃であることは明らかである。社民党にはこの問題を教訓に、広範な諸勢力と共同し、労働運動に基礎をおいた国民運動の組織者としての役割が強く求められている。

国民生活よそに米軍に大盤振る舞い
　在日米軍に対するわが国の費用負担額の総額が2001年度で6534億円にもなることが、２２日までに分かった。わが国に駐留する米兵１人あたり、国民の税金から1675万円を負担していることになる。この経費には、「思いやり予算」2573億円も含まれている。２７日に成立した2002年度予算でも「思いやり予算」2500億円が計上されている。長らく不況で国民生活がひっ迫している状況をよそにこの米軍への「大盤振る舞い」は言語道断であり決して許されない。

文科省報告、グローバル化対応の狙い
　国立大学の法人化などを検討してきた文部科学省の調査検討会議（座長・長尾真京大総長）は２６日、最終報告書を遠山文科相に提出した。グローバル資本主義の下、企業の国際競争力強化に必要な人材づくりを行う観点から、大学教員に経済界から登用できるようにする。また、学内の意思決定システムを見直し、学長の下に「役員会（仮称）」を制度化、予算などの重要事項について議決を行うという。報告書は、学生や教職員による自治の否定など、きわめて反動的なものとなっている。

国民の消費冷え込み続く
　百貨店やスーパー、外食産業の各業界団体が２５日発表した２月期の既存店売上高はいずれも前年割れとなり、マイナス幅も前月より広がった。百貨店は既存店ベースで前年同月比４．９％減と３カ月連続で前年実績を下回った。全国のスーパー売上高も前年同月比４．８％減で、３９カ月連続で前年を下回り、消費は依然として冷え込んでいる。2002年度の中小企業の設備投資額も、前年度実績見込額を４５．４％下回る模様。わが国の経済状況は依然として厳しく、その中で国民生活は危機の縁に断たされている。



		20020405 日本のできごと 2002.03.20～2002.03.29

		小泉訪韓、米国に呼応し北朝鮮敵視　訪韓した小泉首相は３月２２日、金大中大統領と会談した。会談の中で小泉首相は、朝鮮民主主義人民共和国によるいわゆる「拉致」疑惑、「不審船」問題を取り上げ、日朝国交正常化や食料援助に背を向け、ブッシュ米大統領の「悪の枢軸」発言に呼応する態度に終始した。一方、金大統領は「（北朝鮮との）対話により、問題が解決されることを望む」と強調、対応の違いが浮き彫りとなった。また歴史認識問題でも新たな進展は見られなかった。両首脳は、日韓投資協定への署名やサッカー・ワールドカップ共催に向けた協調を演出したが、朝鮮半島の平和問題、歴史認識問題などいずれも大きなミゾを残したままとなった。有事法制、危険な内容明らかに　小泉政権が４月上旬に国会提出をもくろんでいる有事立法の内容が２０日、明らかになった。それによれば、わが国が武力攻撃を受けた際、「基本方針」を策定し安全保障会議（議長・首相）をへて閣議決定、調整機関として首相を本部長とする「対策本部」を設置する。同本部長には、地方自治体や公共機関などへ「指示」を行う権限を与えることも検討している。また与党「国家の緊急事態に関する法整備等協議会」では、今国会に①「包括法」案②安保会議設置法改悪案③自衛隊法改悪案④米軍への国内法除外法案の四法案を提出するという。民主党も政策懇談会で「緊急事態法制」を検討することを確認、「人権制約を伴う公権力の行使」を認めるとした。こうした動きに対してはとくに徴用の対象となる職種の労組などが強く反発、反対行動を行っている。国民生活などを制約し、国の進路をいっそう米国の戦略に付き従わせる有事法制に反対する闘いの構築が求められている。辻元氏辞職、再生求められる社民党　社民党の辻元清美・衆議院議員は２６日、政策秘書の給与をめぐる問題の責任を取り、議員を辞職した。同時に社民党政審会長の職も辞した。真相究明は当然だが、辻元攻撃は鈴木宗男衆院議員の一連の疑惑問題追及のさ中に起きた問題であり、支配層の攻撃であることは明らかである。社民党にはこの問題を教訓に、広範な諸勢力と共同し、労働運動に基礎をおいた国民運動の組織者としての役割が強く求められている。国民生活よそに米軍に大盤振る舞い　在日米軍に対するわが国の費用負担額の総額が2001年度で6534億円にもなることが、２２日までに分かった。わが国に駐留する米兵１人あたり、国民の税金から1675万円を負担していることになる。この経費には、「思いやり予算」2573億円も含まれている。２７日に成立した2002年度予算でも「思いやり予算」2500億円が計上されている。長らく不況で国民生活がひっ迫している状況をよそにこの米軍への「大盤振る舞い」は言語道断であり決して許されない。文科省報告、グローバル化対応の狙い　国立大学の法人化などを検討してきた文部科学省の調査検討会議（座長・長尾真京大総長）は２６日、最終報告書を遠山文科相に提出した。グローバル資本主義の下、企業の国際競争力強化に必要な人材づくりを行う観点から、大学教員に経済界から登用できるようにする。また、学内の意思決定システムを見直し、学長の下に「役員会（仮称）」を制度化、予算などの重要事項について議決を行うという。報告書は、学生や教職員による自治の否定など、きわめて反動的なものとなっている。国民の消費冷え込み続く　百貨店やスーパー、外食産業の各業界団体が２５日発表した２月期の既存店売上高はいずれも前年割れとなり、マイナス幅も前月より広がった。百貨店は既存店ベースで前年同月比４．９％減と３カ月連続で前年実績を下回った。全国のスーパー売上高も前年同月比４．８％減で、３９カ月連続で前年を下回り、消費は依然として冷え込んでいる。2002年度の中小企業の設備投資額も、前年度実績見込額を４５．４％下回る模様。わが国の経済状況は依然として厳しく、その中で国民生活は危機の縁に断たされている。