20020325

世界のできごと・人民のたたかい

2002.03.10〜2002.03.19


イラク攻撃準備に中東諸国が強く反発
 米国のチェイニー副大統領は3月12日、対イラク武力行使の支持をとりつけるためにエジプト、サウジアラビア、クェート、シリア、ヨルダンなど中東諸国を歴訪した。しかし、米国のイラク攻撃の思惑は支持されるどころか、「イラクへの武力行使は中東地域を不安定にする」(エジプトのムバラク大統領)という強い反発が相次いだ。サウジアラビアは国内の基地提供も拒否した。湾岸戦争のときと比較してみると、米国の孤立ぶりが鮮明だ。

イスラエル軍2万人が自治区に侵攻
 イスラエル軍は11日、ヨルダン川西岸のパレスチナ自治区ラマラに侵攻、占領した。これはヨルダン川西岸が占領された67年の第3次中東戦争後最大規模の軍事攻撃となる。アラブ諸国は12日、国連安保理での協議を要請したが、米国が提出したイスラエル非難を避けた欺まん的な修正案が採択された。シリアは「殺人者と犠牲者を同じ土俵で論じている」として、採択を棄権した。だが、イスラエルを支持する米国がパレスチナ問題で安保理決議案を提出するのは、きわめて異例。イラク包囲網形成をめざす米国は、ネックとなっているパレスチナ問題への対応を迫られている。

台湾「国防相」訪米に中国が抗議
 訪米した台湾の湯「国防部長」は11日、フロリダ州で開催した米台防衛サミットに参加し、ウルフォウィッツ米国防副長官と会談した。79年の米台断交後、要人で最高レベルの接触となった。中国外務省は12日、「中国の反対を顧みず訪米を認めたことに強烈な不満と憤りを表明する。米国のやり方は台湾独立勢力を増長させる」と米国を強く批判した。ブッシュ米大統領は公然と台湾支持を表明しており、米国の挑発的な台湾テコ入れは、中国をけん制する狙いがある。アジアの平和と安定にとってもきわめて危険な策動だ。

EU首脳会議、域内市場の一本化急ぐ
 スペインのバルセロナで開かれた欧州連合(EU)首脳会議は16日、欧州経済の競争力強化に向けた労働、電力、金融市場などの自由化計画を盛り込んだ議長総括を採択し閉幕した。EUは米国に対抗する経済圏をめざしており、EU内の労働障壁を05年までに除去し、電力・ガス市場の開放問題は法人向け市場の04年までの完全自由化を決めるなど、首脳レベルで妥協を成立させた。EUは自由化に伴う国内問題を残しながらも、独自の道を歩みつつある。


  韓国の電力労組は民営化計画撤回を求めて、2月25日から2週間以上ストを続けている。韓国電力公社社長は13日、スト長期化を招いた責任を問われて辞任に追い込まれた。労組側は要求貫徹までストを続ける構えだ。
 ソウルで13日、元従軍慰安婦のほか学生ら数百人が日本大使館前で、日本の国家補償などを求めて「水曜デモ」を行った。このデモは92年から10年以上続けられており、この日は500回目となった。
 欧州連合首脳会議が開催されているスペインのバルセロナで14日、各国から集まった労働者10万人が雇用と労働者の権利拡大をもとめてデモ行進を行った。16日には労働組合、平和団体などの主催で、社会的権利などを要求する25万人のデモが行われ、労働者に犠牲を強いるEUの統合政策に反対した。
 国際開発金融会議が開かれたメキシコ・モンテレーで18日、民営化や規制緩和を押しつけるグローバル化反対のデモが行われ、労働組合や非政府組織(NGO)など3000人が参加した。近郊の農民や労働者も参加し、新空港建設反対や民営化反対を訴えた。

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