20020325

日本のできごと

2002.03.10〜2002.03.19


鈴木、加藤離党で小泉政権批判さらに
 北方領土への人道支援問題など、さまざまな疑惑で国民の批判を受けていた鈴木宗男議員が3月15日、自民党を離党した。これに続いて加藤絋一元幹事長も18日、前事務所代表による脱税・逮捕の責任をとって、離党届を提出した。与党は、野党の提出した鈴木議員への議員辞職勧告決議案を本会議で採決しないことを決めたが、これに反発する議員も多く、結束が乱れている。数々の疑惑を解明せぬまま、二人の離党で政局を乗り切ろうとする小泉政権に対して、その政治責任を問う世論が高まっている。すでに、支持・不支持の差が七ポイント程度にまで縮まり(日本テレビ)、小泉政権の窮地は深まるばかりである。

「拉致」でまたも反北朝鮮宣伝
 小泉政権は、「朝鮮民主主義人民共和国による日本人『拉致』問題」について19日、プロジェクトチームを発足させた。政府は北朝鮮在住日本人の元妻による「証言」を根拠としているが、「拉致」にかかわった元妻がなぜ刑事罰に問われないのかなど、あまりにも疑問点が多く作為的である。小泉首相は「疑惑解明なしに国交正常化はない」などと広言、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけ東アジアに緊張をつくり出している米国に追随する態度を、またも鮮明にさせた。 (社説参照)

税調対話集会で増税反対の噴出
 政府税制調査会(首相の諮問機関)は18日、「税についての対話集会」を千葉市で開いた。石弘光税調会長は、累進課税緩和や金融所得への減税、一方で国民負担増などを提唱、金持ち優遇の「税制改革」をいっそう進める意向を示した。集会は、政府が増税の地ならしとして開催したものだが、参加者からは「これでは増税集会だ」「財政赤字拡大の責任を問うべき」などの声が相次ぎ、政府の意図は見透かされた。また、税調委員内部からさえ、増税に誘導しようとする姿勢に批判が出るほどであった。国民総犠牲を進める小泉改革への批判が、はからずも噴出したかたちとなった。

改革会議、「特区」など打ち出す
 政府の総合規制改革会議(議長・宮内義彦オリックス会長)は12日、規制緩和を積極的に進める「規制改革特区」を設けることなどを含む運営方針案を決めた。年末をメドに答申を行い、2003年4月の実施をめざすという。規制緩和の対象は、人材、教育など15分野で、株式会社の参入を大幅に進めるというもの。このほかに、都心の建築物高さ規制の緩和や司法・法務分野での規制緩和も議題とする。規制緩和を「特区」から全国へ広げていくという狙いであり、わが国をいっそう、弱肉強食の社会にしようとしている。

厚生年金基金解散が最多
 2001年度の厚生年金基金の解散数が過去最多を更新したことが、16日までに分かった。解散数は36で、2000年度の29を大きく超えた。企業の経営破たんに伴う解散と合わせ、確定拠出年金(401k)に移行したことによる解散も影響した。今後も企業破たんだけでなく、利回りがマイナスとなり運営が危機に陥る基金が続出することは確実。老後に年金を受け取れない労働者がますます増えることが予想される。

2月の倒産も戦後最悪を記録
 2月の倒産件数が前年同月比14・6%増加し1674件と、戦後最悪を記録したことが14日、明らかになった。負債総額も10.5%増加し1兆2535億円と、製造・建設を中心に最悪となった。戦後最悪の更新は2カ月連続。また、倒産企業の労働者が3カ月ぶりに2万人を超えるなど、労働者は次々に街頭に放り出されている。小泉政権は、不良債権処理などの構造改革で、いっそう国民生活と営業を困難に陥れようとしている。

ベアゼロどころか、賃下げ攻撃続く
 金属労協(IMF・JC)四業種の資本は13日、ほとんどがベアゼロの一斉回答を行った。さらに、妥結後すぐさま、NEC、松下、東芝、富士通は昇給の半年間凍結を提示した。このほか、5%(日立)、7%(いすゞ)、10%(プリマハム)など、資本による悪らつな賃下げ攻撃が続いている。闘わない労組の姿勢も見すかされたかたちだ。

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