20020315

世界のできごと・人民のたたかい

2002.03.01〜2002.03.09


米国が7カ国を対象に核使用計画
 米国防総省が1月に議会に提出した「核戦略見直し報告」(NPR)の機密部分が3月9日、明らかとなった。ブッシュ政権が国防総省に対し、中国、ロシア、イラク、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)、イラン、リビア、シリアの7カ国を対象に核攻撃のシナリオ策定を指示したというもの。NPRはすでに核抑止戦略からの決別を宣言していたが、今回米国は、対象国を公表してまで脅しの外交を行っている。これに対し、ロシア、中国、北朝鮮などは相次いで米国を批判した。米国がさらに国際的な非難を浴びるのは必至である。

米国の鉄鋼輸入制限に各国が反発
 ブッシュ米大統領は5日、鉄鋼製品の輸入制限(セーフガード)の発動を決めた。日本、中国、韓国、欧州連合(EU)などから輸入される主要14品目に8〜30%の関税を上乗せするというもの。今回の措置で、日本の対米輸出のうち熱間鉄棒に30%、鉄筋用鉄棒に15五%の関税が新たにかかる。米国に輸出している鉄鋼製品の60%が制限の対象となるフランスは、「不法、不適切な措置」と米国を批判、EUは7日、協定違反だと世界貿易機関(WTO)に提訴し、さらに報復措置を取ることを示唆した。韓国もWTOへの提訴も辞さないと表明した。WTOを利用してきた米国が、国益優先で保護措置をとるご都合主義に対し反発が強まっている。

北朝鮮代表団が欧州を訪問
 北朝鮮の李光根貿易相を団長とする代表団が4日、欧州を訪問した。代表団は、英国、イタリア、ベルギーなどを訪れ、各国と経済協力について話し合った。EUの欧州委員会は同日、北朝鮮に新たに1500万ユーロ(約17億5000万円)の援助を行うことを公表し、追加援助の検討も表明した。パッテン欧州委員会対外関係担当は、「EUは北朝鮮への平和、安全に貢献する。訪問を歓迎する」との談話を発表した。北朝鮮は99年末以降、欧州各国と国交を樹立するなど関係を強めてきた。欧州は、対北朝鮮外交で独自の方向をとっており、北朝鮮と欧州の関係が発展しつつある。

中国全人代、7%成長を強調
 中国の第九期全国人民代表大会第5回会議が5日から行われ、朱鎔基首相が政府活動報告を行った。
朱首相は、内需拡大と景気テコ入れ策で引き続き7%成長をめざすと報告した。中国は、昨年のWTO加盟に伴って外資との競争に備え、国有企業での改革が加速している。外国からの輸入急増で製造業だけでなく農業も打撃を受けることとなる。こうした中で安定した国民経済を持続できるか、むずかしいかじ取りとなる。


  英国のロンドンで2日、労組や平和団体らによる反戦デモが行われ、2万人が参加した。参加者は「ブッシュとブレアは戦争をあおるな」と、アフガンへの攻撃を続けイラク攻撃を準備する米国と、これを支持するブレア首相を厳しく糾弾した。
 イタリアで2日、野党などの呼びかけで、政府の解雇規制撤廃や司法制度改悪に反対し、全国から約12万人がローマに結集してデモ行進を行った。ベルルスコーニ右派政権に対しては、連続した闘いが続けられている。
 イスラエルが大規模な軍事攻撃をパレスチナに行う中で、エルサレムで2日、イスラエルはパレスチナ占領地から撤退せよと集会とデモが行われ、約3000人が参加した。集会は、平和団体が主催した。

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