20020225

世界のできごと・人民のたたかい

2002.02.10〜2002.02.19


米韓首脳会談、溝が浮き彫りに
 米ブッシュ大統領は、日本に続いて2月19日に韓国を訪問、翌日、金大中韓国大統領と会談した。記者会見で、両者は朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)政策で緊密な連携を確認したと発表したが、会談でブッシュは、再三にわたって北朝鮮を非難、「核・ミサイル開発」や通常兵器増強をあげ、ごう慢な態度を示した。これに対し、金大統領は、あくまで北朝鮮との対話再開が重要であると強調した。ブッシュは、韓国訪問で北朝鮮への対決姿勢、軍事圧力を強め、韓国とは対北朝鮮政策での協調を取り付ける狙いがあった。だが、両者の表向きの協調姿勢とは裏腹に、米韓両国の溝が浮き彫りとなった。

イスラム諸国と欧州連合が共同会議
 トルコで12〜13日、72カ国が参加して「イスラム諸国会議機構・欧州連合(EU)共同フォーラム」が開かれた。イスラム諸国は、米国がイスラエルを後押ししていることを非難、パレスチナ問題でEUが役割を果たすよう求めた。イスラエルは、12、15日にパレスチナ自治区を爆撃、その後も自治政府議長府を攻撃し、多数の犠牲者を出すなど蛮行を繰り返している。。共同声明では、国際紛争解決には対話が重要だと盛り込み、米国の軍事力による対外政策に警告を発した。

臨界前核実験で米英が結託
 米国と英国は14日、米ネバダ州で共同の臨界前核実験を行った。英国はこれまで、核実験を行ったインド、パキスタンを非難してきた。ブッシュの「悪の枢軸」発言に欧州諸国が米国を批判する中での意図的な結託で、アフガンへの報復戦争で米国と連携してきた英国が、米国との軍事協力をさらに緊密にする意思を示したといえる。

米国の温暖化防止策に内外から批判
 ブッシュ米大統領は、地球温暖化防止京都議定書の代替案として、「地球気候変動戦略」を14日、発表した。経済成長に伴う温暖化ガスの総排出量が増えるのを容認し、米環境シンクタンクは、2012年までにガス排出量が12%増えると警告した。欧州各国からは「温暖化ガスの最大排出国の責任を逃れさせるわけにはいかない」(ドイツ環境相)など厳しく批判されている。日本は米国の対応を事実上容認、議定書議長国としての責任を放棄している。


   韓国のソウルで16日、ブッシュ米大統領の訪韓、北朝鮮敵視に反対するデモが行われた。18日には、学生が在韓米国商工会議所を一時占拠した。また同日、民主労総代表、大学総長などの知識人ら700人が「平和宣言」を発表、米政府に北朝鮮との対話を行うよう求めた。
 イランを「悪の枢軸」と決めつけた米政権に抗議して、首都テヘランで11日、数十万人のデモが行われた。デモ隊は「ブッシュは血に飢えた吸血鬼」と叫んで行進した。この日、イランでは同様のデモが全国で繰り広げられた。
 イタリアのローマで、労組や経済のグローバル化に反対する団体の主催で15日、政府の解雇規制の一時停止や移民労働者の締め出しに抗議するデモが行われ、約10万人が参加した。またこの日、交通労働者のストライキも行われた。
 英国のスコットランドで11日、核ミサイル原潜母港化に反対し、核軍縮を求める欧州の市民団体代表500人が、ファスレーン海軍基地ゲート前に座り込んだ。この行動に警察は82人を逮捕して弾圧した。

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