20011215

世界のできごと・人民のたたかい

2000.11.30〜2001.12.09


イスラエルがパレスチナ自治区を爆撃
 イスラエルは12月初旬より繰り返しパレスチナ自治政府施設へミサイル爆撃などを行っている。イスラエルのシャロン首相は、パレスチナ自治政府を「テロ支援組織」と決めつけ、アラファト議長への攻撃を強めている。アラブ諸国、フランス、スウェーデンなどは相ついで、イスラエルの爆撃を非難した。パレスチナとイスラエルは、93年にオスロで和平の枠組みを決めたが、米国は武器の供与など一方的にイスラエルに肩入れしてパレスチナを抑圧した。今回の攻撃でも米国はイスラエルを後押ししているが、米国への国際的な批判も高まっている。

エンロン倒産、内外に影響
 電気、ガスの開発、販売を手がける米総合エネルギー最大手のエンロンが、2日倒産した。グループ全体の総債務は約430億ドル(約5兆3000億円)で、米国で過去最大級の倒産となった。倒産した背景は、情報技術(IT)不況による米経済の停滞もあるが、本業ではない事業への過剰投資による債務の拡大、金融派生商品(デリバティブ)に手を出しばく大な損失をこうむったことにある。エネルギー市場の自由化という規制緩和で業界トップに立った同社は、バブル投機で崩壊した。エンロンは米国で800社にのぼる企業と取引があるほか、アジア、中南米、欧州、アフリカで事業を手がけており、影響は世界的規模となる。日本でもエンロンの債券を組み入れたMMFの元本割れをきっかけに、MMFの解約が続出、1カ月強で約8兆5000億円流出した。

米国が生物兵器禁止条約でもゴリ押し
 ジュネーブで開かれた生物兵器禁止条約運用検討会議が決裂した。検討会議は11月19日から進められてきたが、最終日の12月7日になって、米国が強制査察を含む検証制度の議定書交渉を打ち切ると提案したため。これに各国が強く反発したが、米国は撤回しなかった。ウイルス、細菌など兵器に使用できる病原体の開発、生産、貯蔵を禁止する同条約には144カ国が加盟し、1975年に発効した。94年から5年ごとに検証のための多国間協議が行われてきたが、米国は先進国間だけの対応でよいとの姿勢で、多国間協議そのものに反対してきた。地球温暖化防止の議定書から離脱した米国は、生物兵器禁止をめぐってもゴリ押しをはかり、国際社会から非難をあびることとなった。


  フランスで11月30日、小売りチェーン店のマークス・アンド・スペンサー社の労働者は、会社提案の全従業員(1700人)解雇を撤回させた。会社は、年内に欧州大陸の全店舗を閉鎖すると発表、欧州全体の問題となっていた。労働者は、8カ月にわたる闘いで、新会社での雇用を確保した。
 イタリアで30日、ローマやナポリなど主要都市で高校生20万人が集会とデモを行った。高校生は、校長の権限強化をうたった「改革」反対と、公立学校への予算増を要求した。
 イタリアで、個人解雇規制制度を政府が一時停止すると提案していることに反対し、3大労組の呼びかけで12月5日から7日にかけてストライキが打たれた。ストライキは全国20州で行われ、6日にはボローニャで約2万人の労働者がデモを展開した。

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