20011125

世界のできごと・人民のたたかい

2000.11.10〜2001.11.19


「タリバン後」めぐり大国が干渉
 アフガニスタンのカブール陥落が伝えられる中で、アフガンの戦後をめぐり「復興」「和平」の名のもとで、米国やロシアなどが、それぞれの思惑で画策している。十一月十四日、国連のブラミヒ事務総長特別代表は、「タリバン後」の政権を二年間の暫定政権とする構想を提示した。米国の意向を受けたものとみられる。国連は十四日、アフガンに多国籍軍派遣を決定、十五日に英軍がアフガンに派兵した。大国の横暴な侵略と干渉が続いている。
 
WTO、対立残し新ラウンド合意
 中東のカタールで開かれていた世界貿易機関(WTO)は十四日、約三年間の交渉で貿易、投資などの新たな通商ルールをつくる新多角的通商交渉(新ラウンド)の開始をうたった宣言を採択した。だが、「経済の発展段階が違うのに同じ土俵で勝負させるのは不公平」と主張する発展途上国と先進国との対立が浮きぼりになり、交渉がスムーズに進む保証はない。対立を残したまま合意に達した背景には、米国へのテロ以降の世界同時不況を回避したいとの各国の危機感があった。WTOは十日、中国と台湾の加盟を承認した。人口十三億人の巨大市場に各国が参入できることとなり、とくに電機、通信部門などで国際的競争の激化は避けられず、中国にとっても「両刃の剣」ともなりかねない。日本の産業界も中国市場への進出をさらに加速させ、国内のいっそうの空洞化が進むことも予測される。

地球温暖化防止で合意も米国不参加
 約百七十カ国の閣僚が参加し、マラケシュ(モロッコ)で開かれた地球温暖化防止会議は十日、京都議定書の運用規則で合意した。今後各国は、二〇〇二年発効に向けて国内での批准の手続きを進める。合意は、欧州が主張した温暖化ガス削減目標未達成の際の罰則規定に日本が反発したため、各国の削減義務が緩和される内容となり、効果は限定的なものとなった。さらに、最大の温暖化ガス排出国である米国が参加していないことは大きな問題で、日本は参加させる努力もしなかった。


 欧州各国や韓国、米本土で米軍のアフガン軍事攻撃に反対する行動が繰り広げられた。
 イタリアのローマで十日、約十万人がデモを行った。デモは、労組やグローバル化に反対する団体が共同で組織した。十六日には、金属機械労組が労働協約の再交渉の要求も盛り込み、全国でストライキを打ち、ローマではデモ行進が行われた。スト参加者は二十三万人に及んだ。また、十七日にも、全国百以上の都市で集会とデモが行われた。
 ドイツ議会でアフガン派兵審議が始まった十日、派兵に反対する集会とデモがベルリンやゾーリンゲンなどの主要都市をはじめ、各地で行われた。十四日のベルリンのデモには約五千人が参加した。派兵決議が可決された十七日にも、各地で行動が行われた。
 フランスで十七日、「今こそ平和を」をスローガンに各地でデモが取り組まれ、パリでは約五千人が「仏軍は戦争に協力するな」と気勢をあげた。
 ギリシャで十七日、アテネでは約八千人が、テッサロニキでは約二千人が参加してのデモが行われた。
 英国のロンドンで十八日、約十万人が参加した集会とデモが行われた。
 韓国のソウルで十一日、民主労総による「全国労働者大会」が開かれ、約二万人が参加した。大会では、雇用安定、週休二日制の導入も求めた。
 米国で十四日、ニューヨークやサンフランシスコなどで「戦争は貧しき者へのテロだ」と、デモが行われた。

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