20011125

日本のできごと

2000.11.10〜2001.11.19


アジアに敵対する戦争支援基本計画
 政府は十一月十六日、テロ対策支援法にもとづき、米軍のアフガニスタンへの軍事行動などに対する自衛隊支援の内容を定めた基本計画を決定した。すでに九日には、自衛隊艦船が「調査目的」でインド洋に派遣されている。支援活動の派遣期間は約半年になる予定。活動範囲については、ペルシャ湾から米グアム島、オーストラリアまで設定するなど、大規模な計画となった。しかし当初、政府がめざしていたイージス艦の派遣については、与党内の反対もあり断念した。あわせて、政府・与党はアフガニスタンでの国連平和維持(PKO)活動を念頭に、武器使用条件の大幅緩和を狙っている。こうした一連の策動に対して、アジア諸国から警戒の声があがっている。また、民主党は「民主党の考えがかなり取り入れられている」(鳩山代表)と、いち早く賛意を表明、アジアに敵対する小泉政権に唱和している。

特殊法人統廃合案に反発噴出
 小泉首相は十八日、道路四公団の統合・民営化について、来年度予算から国費の投入をやめることを明らかにした。また、住宅金融公庫についても廃止すると述べ、新規の住宅ローンは民間金融機関に任せると明言した。こうした小泉首相の姿勢に対して、地方自治体や関係団体は反発を強め、各地で反対集会などを開いている。また、与党内からも批判が噴出、自民党の中堅・若手議員が「未来創造議連」を発足させた。同議連の松岡利勝代表幹事は「ムードで改革をやったら将来に禍根を残す」と、小泉政権を批判した。小泉改革は内外の「抵抗勢力」の大きな集中砲火を受けおり、その前途はますます険しくなっている。

公明党、「平和」の看板破れ内部動揺
 公明党は十日、東京で全国代表者会議を開催した。地方の代表者から「公明党=悪玉論が国民に定着してしまった」(香川代表)など、執行部を批判する声が相ついだ。また、「テロ対策では、公明党が主張すべき非軍事の分野で目立った印象がない」(東京代表)と嘆く声もあがり、執行部は釈明に大わらわとなった。公明党は、九九年に自民党との連立に走り、これまで何度も国民を裏切り続けてきた。PKO協力法「改正」問題でも、当初の慎重姿勢から一転、武器使用基準の緩和に応じている。「平和・福祉の党」などと自称してきた公明党だが、いよいよそのいつわりの看板も見破られ、党内に動揺が走っている。

三重・海山町民が原発誘致にノー
 原子力発電所誘致の是非を問う三重県海山町の住民投票が十八日、投開票され、「誘致反対」が投票者の六七・四九%(五千二百十五票)を占め、「誘致賛成」を大きく上回った。原発建設をめぐる住民投票は、新潟県巻町(九六年八月)、同県刈羽村(今年五月)と行われてきたが、今回の結果で推進派は三連敗となった。立地計画がない中での住民投票だったが、町民は明確に「原発ノー」の意思を示した。誘致派は「地域振興」を掲げたが、この投票結果は、原発に対する住民の強い不安をあらためて浮き彫りにした。

十月倒産件数、バブル後最悪に
 十月の全国の企業倒産件数が、前年同月比一一・七%増の千九百十一件となり、バブル経済崩壊後では最悪、戦後三番目に多い水準となったことが、十四日、明らかになった。また二〇〇一年は、十月までに累計一万六千八十五件の倒産が発生、戦後二番目に倒産が多かった九八年(一万九千百七十一件)を上回る勢い。この間、労働者や中小商工業者に犠牲のいっさいが押しつけられてきた。小泉政権の下で「不良債権処理」などが進めば、いっそうの犠牲が生み出されることは必至だ。

高卒就職内定率、過去最低に
 来春卒業予定で就職を希望する高校生のうち、就職内定率が昨年同期を五・五ポイント下回る三七・〇%と、八七年の調査開始以来初めて四〇%台を割り込んで、過去最低となったことが、文部科学、厚生労働両省の調査で十四日、わかった。就職を希望する生徒の数は二十二万三千人だったが、求人数は十八万五千人どまりで、昨年比一〇%減となっている。地域的には沖縄(五・九%)、北海道(一四・九%)、青森県(二〇・一%)がとくに厳しい状況。長引く不況のしわ寄せが、高校生をも直撃している。

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